元王女が操りし二つのサイコロ(俺) 〜俺を振ると、出た目に応じたモンスター娘が現れる〜   作:人間 計

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第二十二話:アラネとの夜

「蓋に指をかけて、プシュって開けるんだよ」

 

 俺は、自らでやって見せた。

 

「なるほど」

 

 アラネは俺の真似をし、同じことをした。そして俺とアラネはちゃぶ台のそばに座り、ハンバーガーを食しながら、晩酌する。

 

「あ、ポテトもあったかも」

 

 俺は冷凍庫の中のポテトをチンして、アラネの前に出す。

 

「お酒ってやつ、飲んだことがなかったから、飲んでみたかったのよね」

 

 アラネは嬉しそうに、そのビールを口に入れる。そして500mlのそれを一本丸々、一気に飲みきった。

 

「いい飲みっぷりですこと」

 

 俺は、そう口にした。

 

「うふふふ、美味しいわ」

 

 アラネは、微笑む。

 

「もう一本いきますか、ねぇさん」

 

「ええ、いただきたいわね」

 

 アラネはえらくビールとやらを気に入ったようで、それを楽しそうに飲む。

 

 この部屋には不思議なことが、一つある。この部屋の中で俺は昨日、ブリドラと遊んだ際に、チョコなどを食した。しかしそのチョコやらは今、元の状態に戻っているのだ。つまり、この部屋は出て戻ると全ての変化が消えて、元の状態に戻るらしい。だからアラネが恐ろしい勢いで飲みつくしているそのビールやらもきっと、明日になると元の状態に戻っているだろう。

 

「てか、強いすね、ねぇさん」

 

 アラネは500mlの缶ビールを何本も空けているのに、全く酔っぱらている感じでもないのだ。

 

「そうなのかしらね? でも、これを飲むのは好きよ。楽しい気持ちになってくるから」

 

 ポテトをつまみながら、笑みを見せるアラネ。

 

「それで、あなたは私を楽しませてくれるのよね?」

 

 アラネはおもむろに、そう言葉を発した。

 

「まぁ、そうだね。俺と一緒にいてくれれば、君を退屈させないよ」

 

 俺は、そう断言した。

 

「その根拠は?」

 

 俺は、ドヤ顔を見せる。

 

「ない!!!! でも、俺を信じてくれ!!!!」

 

 俺のその無責任ともとれる、というか無責任なその発言に対してアラネは、一層楽しそうに笑った。

 

「うふふふふふ、面白いわね。いいわ、あなたを信じてあげる。でも私を裏切ったら、許さないからね」

 

 アラネがその顔を俺の眼前数cmまで持ってきて、微笑む。その甘い息が、俺の顔にかかった。

 

「あ、ああ、信じてくれ」

 

 俺は少したじろぎながらも、そう断言する。

 

「あなたって、転生者なのよね?」

 

 アラネは俺から顔を離し、そう問うた。

 

「あ、ああ、そうだね」

 

「転生者って私、初めて見たけど、みんなあなたみたいに、能天気なのかしら?」

 

「いいや、俺は、転生者の中でも群を抜いて、能天気な存在だ」

 

 俺にはその自信が、とてもある。きっと俺以外の存在であればこの異世界で、もっと賢明に立ち回るだろう。

 

 だがアラネは、ぼそりと告げる。

 

「うふふふ、この虹色のサイコロに転生したのが、あなたで良かったわ」

 

「ほんとに?」

 

 俺はアラネのその言葉に対して、嬉しく感じた。

 

「うふふふふふふ、あなたみたいに面白くて、おもちゃにしがいのある存在はきっと、そう多くないわ」

 

 アラネさんは、恐ろしいことをさらっとおっしゃる。

 

「さ、さようですか」

 

 俺は、そう告げた。

 

「うふふふふ、そうそう」

 

 そして俺達は、どんどんと酒を飲んでいった。

 

 

 

「わはははははは、楽しいなぁ」

 

「うふふふふふふ、そうねぇ」

 

 笑い上戸の俺と、お酒を飲むと楽しい気分になるアラネの晩酌は、とても愉快なものだった。

 

 冷蔵庫に入っていた枝豆などをつまみとして机の上に並べ、それをちびちびと食べながら酒を飲むという、俺達。

 

 男にはある。お洒落に目覚め、高いお酒を買いあさって、インテリアとして部屋に置いてしまうという時期が。俺にはあった。

 

 だから俺の部屋には、まぁまぁ高いワインやら日本酒やらが置かれている。その中でアラネはワインを好み、それを飲んでいる。

 

「わははははは」

 

 笑い上戸の俺は、笑う。

 

「あなた、とても楽しそうね」

 

「そりゃあ、一緒にお酒を飲める友達ができたんだ。楽しいに決まってるだろ?」

 

 俺はそう告げ、アラネも頷く。

 

「そうね、この虹色のサイコロの中に入って良かったわ。こんなに楽しいなんてね」

 

 アラネも満足そうだ。まぁ、アラネはずっと一人で森の中にいたのだ。そのアラネにとっても、誰かと一緒にこうしてお酒を飲むというのは、楽しいだろう。

 

 そして、それからもどんちゃん騒ぎは続き、時計を見ると、23時頃になっていた。

 

「よし、そろそろお風呂に入って寝ようか」

 

 俺はそう告げ、お風呂に湯を張った。そしてまず俺から、お風呂に入った。

 

 

「出たよ~」

 

 しばらくして風呂から出た俺は髪をタオルで拭きながら、ジャージ姿で、アラネに対してそう告げた。

 

「うふふふふ、ならそのお風呂とやらに、入らしてもらおうかしら」

 

 アラネは立ち上がった。そして何を血迷ったか、自らの服の役割をしている茨を全て、取り去った。そのことにより美しい裸体が突如、俺の前に現れた。

 

 

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