プラネタリウム・ドリーム   作:ななしのあ

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L社通勤最終日

 ロボトミーコーポレーションの崩壊。

 それは『白夜、黒昼』を通じて都市中に広がった。

 

 あの者は建物の中から。

 ある者は何処かの路地から。

 ある者は大湖の上から。

 

 三日間の白い夜。未だ続く四日間の黒い昼。

 

 不完全な七日間は、都市の人々に不安定な力を授けた。

 

 

 間違いなく都市は、この日を境に動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「多分!この辺り……の筈です」

 黄金のストラを着た女。

 金色の長い髪を垂らし、何処か楽しそうな素振りを見せる。

 

 

「目標地点まで到達しました。ここがK-04支部の跡地です」

 紺色のスーツを着た女。

 ツヴァイヘンダーを腰に掛け、辺りを散策している。

 

 

「うぷ……」

 ……黒と白のコートを肩に掛けた男。

 白いスーツに、手には黒い手袋。ただならぬオーラを纏うその男は……今にも何かを吐き出しそうである。

 

 

「二人は……アレン君を探してきて……」

 

「はい!」

「承知しました」

 

 

 

 …………。

 

 

 

「プシュケ様の情報によると、ここにアレンさんが埋まっているようです」

 

「分かった!ここね!」

 

 

 ストラを着た女は瓦礫を掻き分け始める。

 

 

 ………。

 

 ……。

 

 …。

 

 

「……ソフィアさん。その調子ではアレンさんを掘り起こすのに1時間は掛かります。いつK社から追い出されるか分からない状況下の為、早急な対処をお願いします」

 

「……へ?もう地上付近にいるんじゃなかったの?」

 

「最低でも十メートルは下にあります」

 

「うへぇ。じゃあ手荒に行っちゃうか」

 

「お願いします」

 

 

 紺のコートの女が充分に離れた後……

 

 

「『知識発散・完全解放』!!」

 

「『拳』!!!!!」

 

 

 ストラから溢れんばかりの光が飛び出し、地中に向かって金色の流星が振り落とされる。

 黄金の光は衝撃波へと姿を変え、目の前にある全てを消し飛ばした。

 

 

 ……その跡地には大きなクレーターが生み出された。

 

 

「お見事です。それでは、捜索を開始しましょう」

 

「ばなな」

 

 

 ……一人は捜索を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……食い過ぎた」

 

 

 男は遅れて二人の所まで合流した。

 

 

「……代表様、此方ではありませんか?」

 

 

 ツヴァイへンダーを腰に掛けた女は、ある肉塊を見せつける。

 

 

「うーん……アレン君?これで合ってる?」

 

 

119:L社支部通勤ニキ

……合ってる

 

 

 

「良かった良かった。でも君。どうしてE.G.O装備ごとペチャンコになっちゃったんだい?」

「せめてE.G.O装備だけは死守してほしかったな」

 

 

123:L社支部通勤ニキ

代表が来た理由って、E.G.O装備の回収の為なんか?

  

 

 

「うん、そうだけど。別に君を助けるだけならソフィアちゃんとペルタちゃんに任せるだけなんだけどさ。折角L社が折れたなら、火事場泥棒はしておくべきでしょ?」

 

「ばなな」

 

 

 ストラを着た女、ソフィアは肯定を示す。

 

 

126:L社支部通勤ニキ

……他の皆は?俺の近くに埋もれてるはず

 

 

 

「場所が分かんないし……仮に見つけたとしても死んでるでしょ」

「君は元から細工してあるから生き返れるけど、他の人はそうじゃない」

 

 

127:L社支部通勤ニキ

……でも、もしかしたら生きてるのかもしれない……。

 

 

 

「……これが折れた翼に就いていた者の末路だ」

「すまないが、諦めてくれ」

 

「……アレンさん。他のL社のメンバーは此方で探してみます」

「亡骸だけでも、回収を試みてみましょう」

 

「ばなな」

 

「……まあ、それぐらいならいいか。他のE.G.O装備もついでに探せるし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 クレーター内の瓦礫を掻き分け、捜索を続ける。

 静まり返った暗闇は今が朝か夜かも分からない。

 

 

「あ!あった!」

 

 

 ソフィアが声を上げる。

 ……発散した知識をなんとか取り戻したようだ。

 

 

「……」

 

 

 そこから取り出されたのは……。

 

 

「……ただの瓦礫ですね」

 

「えー!!!これ……幻想体?の卵じゃないの?」

 

「少なくともコレはただの瓦礫です」

 

「そんな……」

 

 

 ソフィアはしょんぼりとしながら再び捜索を始める。

 

 

 ……。

 

 

「……!」

 

 

 少し遠くで捜索をしていた男が反応する。

 

 

「……大当たり、だな」

 

 

 少し笑みをこぼした後……

 

 

「『十二型便利屋術』」

 

「……『Dieci(ディエーチ)』!!」

 

 

 手袋が光を纏えば、瓦礫が吹き飛ばされる。

 砂埃が舞った後、ソレが露わとなる。

 

 

「いやはや……まさか本当に生きているとは」

 

 

 ……ねじれだった。

 

 

「………………」

 

「無事で良かった。オリーブさん」

 

「遘√′遨コ繧堤岼謖�@縺溷�縺ォ譛峨▲縺溘�縺ッ窶ヲ」

 

「譛ェ縺�謇九′螻翫°縺ェ縺�ゥコ縺�縺」縺溘€�」

 

「うーん、何言ってるか全然わかんないや」

 

「遘√�繧ゅ≧縲√%縺ョ驛ス蟶ゅ〒逕溘″縺ヲ縺�¢縺ェ縺�€�」

 

 

 木の幹が沈黙し、頭部と思われる場所に浮いていた宝玉が崩壊する。

 

 

「……!!!」

 

 

 その宝玉から……

 

 ……黄金色に輝く、木の枝。

 

 

「…………?」

 

 

 ……の、ようだが……。

 

 

「……小さくない??」

 

 

 

 黄金の小枝だった。

 

 

 

「……なぜ、君がコレを?」

 

 

 ………………。

 

 もはや返事は返ってこなかった。

 

 

「……ありがとう。オリーブさん」

 

「この黄金の枝は……大切に使わせてもらうよ」

 

 

 宝玉から落ちてきた黄金の小枝を掴む。

 

 

「……支部の人間の全員が死んだってのに、ただ一人。君だけが生きて地上へと出れたのか」

 

「なんとも……」

 

 

「運が良かっ『此処は危険区域に指定されています』

 

 

 …………。

 

 

「はい?」

 

「此方は危険区域に指定されています。早急に避難して下さい」

 

 

 突如現れたK社の職員が黒いコートの男を退避させようとしてくる。

 

 

「ああ!ちょっと待って!もうちょっとだけ!もうちょっとやりたい事があるからそれだけやらせてってお願いだから!」

「あのねじれも回収したいし!幻想体も回収したい!あんなボロボロのE.G.O装備だけじゃなくて!しっかりとしたヤツも欲しい!」

 

「此方は危険区域に指定されています。早急に避難して下さい」

 

「代表ー、素直に退きましょう?」

 

「此処で騒動を起こせば永久出禁となる可能性があります。既に私達には前科がある事をお忘れなく」

 

 

 遠くで作業をしていた二人もK社の職員によって退避させられている。

 

 

「あー!!私のねじれがー!!!!」

 

「決して代表様のねじれではありません」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     Ramus Aureus Receptus

 

    黄金の枝  強奪

 

 

 

 

 

 

 

 




L社編おしまい!


文字化け元

私が空を目指した先に有ったのは…
未だ手が届かない空だった。
私はもう、この都市で生きていけない。
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