相変わらずランプグレゴールくらい投稿速度が遅いので悪しからず
目標:ミステリーものを書く
目標:長くなりすぎないようにする
「踏んだり蹴ったり、対象の体力が33%未満であれば威力減少1を付与したり」
「はっ……、はっ……」
あなたは好きですか?
「ふざっ……ふざけるなよっ!お前ぇ!」
あなたは好きですか?
「お前が……誰に喧嘩を売っているのか、分かって、いる……のかっ!?」
あなたは■好きですか?
「お前の悪逆非道の行いはっ……仕返し帳簿へときっちり刻み込んだ……俺を殺そうとも……っ!」
あなたは■■好きですか?
「必ず……兄者、姉者がお前へと仕返す——」
あなたは■■■好きですか?
「——ァァア!クソっ!イカれ野朗めっ!」
あなたは■■■■好きですか?
「中指は忘れない……必ずお前は……お前らは……そのツケを払う事になる……!」
あなたは■■■■■好きですか?
「虎の威を借る狐がいつまでも生き続け——」
それでは、あなたにはこの■■■を差し上げましょう
おめでとうございます
[代表。お客様です]
「誰?」
[協会の方です]
K社の裏路地に位置するルナ事務所の一画。そこには今日も机の上に置かれた資料とにらめっこをする男が座っている。
ルナ事務所、代表。有象無象を束ねあげる彼はアストラと名乗っている。
「ほいよ、通して」
部屋の男が一声をかけると同時、部屋の扉が音を立てながら開かれる。
「ご無沙汰しております、ルナ事務所代表、アストラ様」
「……なるほど、南部ハナの人間か。つい最近ミリネさんに粗方話した筈だが?」
部屋へと華やかに、されどどこか図々しく入り込んでくる者。白いスーツに身を纏っている為、間違いなくハナ協会の人間ではあるがアストラは彼の事を知らなかった。
「私は南部ハナ協会2課、アレックスと申します」
「ハナ協会の2課がこんなしみったれた事務所にまで来てくれたのか。有難い限りだな」
「まず祝辞を。都市悪夢事件の『大湖の精霊』、及び都市の星事件の『エセヒーローの凱旋』の解決、お見事でした」
「そりゃどうも」
どこか勘に触る話し方にアストラは眉を顰める。
そんな相手の様子は気にする素振りも見せず、アレックスと名乗った者は一つの手紙を取り出した。
「貴方達の実力は確かな物だと確信しております。器用貧乏に終わると思われていたフィクサー形態もどうにか万能にまで持ち上げられたようで」
「そりゃどうも!」
「そこで……ハナ協会、及び『紫の涙』様からの推薦状です」
「そりゃ……ん、『紫の涙』?」
紫の涙。以前ひょっこりと顔を出しては軌道修正と言う名のねちっこい邪魔をするだけして帰った人物。
あの態度なら、おそらく相当この事務所を忌み嫌っている筈。そんな者達に向けて推薦状を渡すという事は碌でも無い話……の、はず。
「……何の推薦だ?」
「1級事務所への昇格です」
「はぁ」
どこか知らない所で、都合の良いように踊らされているような感覚。気には食わないが、ここで駄々を捏ねたって無駄だと彼は分かっている。
「本当にそれはイオリからの推薦状か?」
「ええ。紫の涙様からのメッセージもあります。『劇毒は時に特効薬となり得る』……との事です。紫の涙様にそこまで言わしめる事が出来たのは誇った方が宜しいですよ」
「……舐められてるな」
「しかし貴方達の実力を認められたのも事実です」
どこか満足がいかないアストラに対し、ぐんぐんと話を進めるアレックス。平穏を保つ為にアストラは水を口に含む。
「そしてここからが本題です。1級事務所に昇格と同時に、ルナ事務所様は他協会との契約関係を全て解除して貰います」
明後日の方向に水飛沫が飛んだ。
「ぶっ……ふっ、ふ、は?はぁ?」
「その後、ルナ事務所様はハナ協会指定事務所として活動してもらいます」
「はぁ?は?はぁぁ?????」
「あぁ、ルナ工房事務所様も合併し、纏めてハナの管轄下へと置き直します。何か問題でも?」
余裕が崩れる音がした。
淡々と事実を伝えるアレックスを横目に、皺が深くなるアストラ。
「つ、つまり、今の11の協会との協力関係を解除しろと?」
「ええ。ハナの方でも手続きさせて貰います」
「この事務所には12の目的に特化したフィクサーが所属している!本部長はともかくそいつらの居場所を潰せって言ってんのか!?」
「誤解ですね。彼等彼女等がより成果を発揮できるよう、ハナ協会がより効率的かつ効果的に運用させて貰います」
「こんの……」
アストラは立ち上がり、アレックスを睨みつける。それでもアレックスは動かない。まるでこの事象が既に確定事項かのように振る舞う。
「貴方の事務所のフィクサー達は素晴らしい実力の持ち主です。貴方とアクシス様は既に1級へと至り、その他11名のフィクサーもいずれ1級へと登り詰めるでしょう」
「そんな人材をほっぽかすのは勿体ないって?」
「ええ。貴方達の実力が、歪な契約形態によって潰されているのはフィクサー協会全体の不利益に繋がります」
アレックスは全ての決定事項を述べた後、アストラの机に紫の涙からの推薦状を置く。
「そして、そんな1級事務所様にお願いが」
「……『ワンナイト・ジャッチメント』についてだろ?もうフィクサーを行かせてんだから黙っとけ」
「素晴らしい、もう既に手を打っているとは。あの事件についてはハナ協会も手こずっております。其方が希望するなら、ハナ協会は協力を惜しみません」
「本当に口先だけは達者だな!」
さっさと帰れと言わんばかりに手を振り追い払おうとするアストラ。言いたい事は言えたのか、アレックスが部屋から出ようとする。ハナ協会のフィクサーも、ここに長居はしたくないようだ。
「では、ルナ事務所様。貴方達のより素晴らしい活躍を期待しております」
「……帰れ」
「多種多様のフィクサーが入り混じった事務所が、1級の名を冠する事を嬉しく思います」
「いいから帰れよ」
アレックスが外へと歩き出し、そのまま扉が閉められた。
……。
沈黙。
…………。
長い沈黙。
……………………。
果てしない沈黙を、机が吹き飛ぶ音が打ち破った。
「クソッタレ!あああ!やられた!やらかした!あんのゴミカス共がぁ!!!」
アストラが床に倒れ込む。
[代表ー、またお客様です]
「……あー、そっちで対応してくれんか?」
[多分代表が対応するのが一番手っ取り早いです]
また扉が開かれ、入ってきたのは——。
「……許可出してねぇのに」
「代表さん。ご無沙汰しております」
「……ああ、お前か。生きてたんか」
とあるカジノのオーナー、ネデアだった。
「聞いたぞ。8時のサーカスと交戦して手痛くやられたらしいな。お陰で巣の土地失ったらしいじゃないの、ばっかで、はは」
「見た感じ代表さんの方がダメージが大きそうだけどね。私が死んでいるに何眼注ぎ込んだんだい?」
「流石に友人にそんな事をするほどワイは落ちぶれてない」
ネデアは部屋に散らかった木材の破片と床に転がったアストラを見つめる。
哀れみか、軽蔑か。どちらにしてもアストラは気にしない。それどころではないからだ。
「……ネデア、あの黒獣は?」
「別の部屋で待機させてます」
「どうせ一部屋貸してとでも言いに来たんだろ?いいよ、適当な部屋を使いな」
「有難いね。……その様子じゃ代表さんも手痛くやられたんじゃないかい?」
「やられたなんてもんじゃない。クソだクソ。適当に流してくれ」
ネデアが横たわるアストラの近くまで歩き、身を屈める。
「これも一つの腐れ縁だ。少しぐらいなら相談に乗るよ」
「ロイヤルストレートフラッシュと国士無双と五光のジェットストリームアタックを喰らった」
「それはツイてないね」
ネデアは散らばった資料を覗き見る。日に日に驚異度が増す図書館、各地で暗躍する青い残響の記録、旧L社で行われている抗争の数々、裏路地を支配する五本指の暴走、精力的に動く翼と弱り続ける翼。
「ハナがでしゃばりやがった。今まで立てていた計画が全て消し飛んだ」
「それは残念。私も当分、『ブルー・ダイヤモンド・ギャンブル』に参加する夢は叶いそうにないね」
「そりゃ互いに災難だ」
アストラは粉々に蹴り壊した机の欠片を集め始める。
「……なぁ、ネデア」
「なんだい?」
「あの黒獣にめり込まない方がいいぞ」
アストラはかき集めた木片にもたれかかり、何故か偉そうに喋り始める。
「黒獣は人間じゃない。獣だ。所有物の1つであり尊むべき存在ではあるが、それはそうと一線を引かないと1200%酷い目に遭うぞ」
「……どうしたんだい?君が人のやり方に口を出すなんてらしくないね」
「実害が出てんだよこの事務所に!H社の!黒獣が!俺らに!お前のせいで!」
「そんな筈は無いと思うけど」
「そんな筈も何も——」
「その黒獣の狙いは私であって、君の事務所ではなかった筈だよ。この事務所と私の関係を知る者はそう多くないだろうし」
「……でも、テメェの巻き添えを喰らったのは事実だ」
「それ以上口を挟まなければなんとも無いさ」
「……」
なんとなくで丸められ諭されたアストラは更に体勢を崩し、もはや床に仰向けに倒れてしまった。
「黒獣の種類は?」
「羊。でも兎の特徴もあったとか」
「……」
「……これは友人としての忠告だ。H社……黒獣に深入りするな。自分と他人には必ず一線を引け」
「たとえ兎が
赤色のコインが3枚、アストラへと放たれる。
「——『
床に伏していた身体が跳ね上がり、アストラの黒い手袋の軌跡から現れた盾が軽々とコイン3枚を撃ち落とす。
「アストラ」
「口が滑り過ぎだ」
ネデアの顔から笑みが消え、室内に緊張感が漂う。
その顔を見たアストラは一息付くと、声が一段と柔らかくなる。
「……悪かったよ。でも、何がどういう形であれ、俺らはお前の巻き添えを喰らったんだ。これから先、ルナ事務所が都合良く助けてくれるなんて考えるな」
刹那、割れた赤いコインが急に震え出し、アストラへとぶつかった。
「いてっ」
「そんな事は承知の上。……その口の軽さはいつか必ず代表さんの身を滅ぼすよ。少しは自制を覚えておいて欲しいね」
「善処する」
割れた赤いコインが粒子状となって消えたと同時に、ネデアは部屋を去った。
「……はぁ。色々起こり過ぎて疲れそう」
部屋に1人、アストラだけが取り残された。
彼は身体に付いた木片を振り落とし、閉じられた扉の前へと歩く。
(どーしよっかなー。当初の予定が音を立てて崩れ始めてるなー)
(ハナは一旦あのままでいいや。言いたい事は色々あるがこっちにも利のある話だし。ネデアもまぁ……静観でいいでしょ。100%嫌われたし。じゃあ今すぐやらないといけないのは……ディアスの件か)
(……やめだやめ。やってらんねーな。プラスな事から手をつけていくか)
「プシュケちゃーん」
[はい]
「ヒーローと話がしたいんだけどいい?」
[……変な事は絶対しないで下さいね]
「わーってるって」
勢いよく扉が開かれる。
「……うわっ。誰?」
扉の先は医務室に繋がっていた。
「いやーよっすよっす。意識不明の重体から僅か数日でここまで回復するか。どんな身体してんだ」
扉が独りでに閉まる。
医務室の中央には、数多の機械に囲まれ、白い包帯でぐるぐる巻きにされたヒーローが寝転んでいた。
「はじめまして、だね。ヒロ子ちゃん」
「……蔑称を躊躇無く本人の前で言うタイプ?」
「今、君の首元に刺してる機械の値段、3億3000万眼!」
「は?」
「君に投与している医療用HPアンプル、1億2300万眼!」
「T社から君の時間税だなんだといちゃもん付けられて払った金、12億8690万アーン!!!」
……。
静かな医務室に、機械の電子音だけが響く。
「……なにが言いたい?」
「ここでクイズです!ばばん!」
「あぁ!?」
「君を助ける関係でハナ協会とディアスに貸しを作ってしまいました!なんてこった!」
「Q:ルナ事務所はどうしてここまでして、君のことを助けたのでしょう?」
1:ルナ事務所の不利益を防ぐため
2:ヒーローをルナ事務所に取り込むため
3:ヒーローが可哀想だったから
「……全部」
「ぶっぶー!正解は……1と、2!!!」
……。
白い包帯に巻かれた少女が、よくわからない変な男へ軽蔑の視線を向ける。
「いやーね、君さ、ゲゼルシャフトと命綱を繋げてたでしょ?もう切れてるけどさ。あれね、痕跡?ってのが残るらしくて、それを他の奴らに調べられるとひっじょーにマズイのよ!まぁ特許関係は最低限カバーしてるけどそれでも変に弄られたらとても宜しくない!あぁあと君が開花E.G.Oを発現させたのもデカい!なんでかわかんないけど、ルナ事務所フィクサーからは全くと言っていいほどE.G.O持ちが出てこないのよ。でも君は鐘を鳴らして、かつ高い戦闘力を保持している。参考資料としてこれ以上ない程の存在だよ。あ、君に対して個人的な情を持つ人はいるけど事務所全体としてその方針は汲み取っていないよ。フィクサーが利益度外視の行動を起こしたら——」
「結局お前は何しに来たんだよ!!!」
……。
滝のように流れた言葉を罵声が揉み消し、最後には機械の電子音だけが残った。
[……代表さん]
「わかってるわかってる。本題に入るから」
アストラはヒーローのベットの端に腰を下ろす。
「デリカシーってもんが……」
「さて、ヒロ子ちゃん。いくつか質問いい?」
「強いるなら最初から選択肢を持ち出すなよ」
「ヒーロー。お前はさ、シュナジャンモドキに関して何かしら知っているか?」
「……?」
「お前の活躍を聞いた時は驚いたよ。おそらく、ここにいる誰よりも
「なにを言っているのか理解出来ない」
「うーん……ご都合主義の化身、外付けのデウスエクスマキナ、ぼくのかんがえたさいきょうのきゃら……元来の『流れ』を馬鹿にして、それを都市の人間が肯定し縛り上げた神……」
「……本当に、何を言っているのか」
「都市の頭をdestroy destroyです」
「ほんとうに!なにを!言って!いるのかが!分からないっつってるだろ!」
「……スカかぁ。残念」
アストラが立ち上がり、歪んでいたベットが元の形へと戻る。
「……何がしたかったんだ?」
「とりあえずさ、今の都市って色々起こってんの。馬鹿が馬鹿やって馬鹿騒ぎの馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿……」
「……」
「知ってる?最近さ、薬指の古参が派閥を変えて復活して、星の1つを持つ小指が迎え撃ってるとか」
「K社のスライム娘がS社本国
「タイムトラック・パワードスーツを着たT社5級職員とコンジェスチョンクリーニング・アーマーを着用したW社5級職員が細蟹シェアハウ巣にカチコミ入れて」
「禁忌スレスレで有名な黒獣丸を改造して作り上げた混合黒獣がQ社の鴉天狗の遺物狙いで争って」
「大湖に棲むセイレーンが復活したと思ったらエイト協会の伝説も復帰するし」
「遂にはN社の『大魔女様』がL社の跡地で雑魚狩りし出したと思ったら!」
「青い残響の一味が親指と人差し指の間に割って入り!」
「そこに図書館がどーん!!!」
「ついでに
「やってらんないんだよね!!!!!」
「さっさと帰ってくれねぇか?」
アストラの熱弁にも関わらず、ヒーローは興味なさげに言葉を流す。
机上の空論に付き合うつもりはないようだ。
「ともかくヒロ子ちゃん!L社陥没を機に掘り起こされた超新星に対抗するには!ワイらも相応の戦力増強を図らねばならん!」
「勝手にしてろ」
「手伝えヒーロー!拒否権は、無い!!!」
白い包帯に巻かれた少女は流していた視線を戻し、慈愛の皮を被った態度に苛立ちを覚える。
捕虜と化した身に、ここまで対等に接してくれる。……と、
「……社交辞令として言っておく。『クソッタレ』」
しかし、ヒーローも自身の立場を理解していた。
首を縦に振る選択肢以外は存在しない。なんなら降らなくても話は強引に進むだろう。
「オレはオレの進む道を信じている。後の事は知らん。勝手にしてろ」
「ヨシ!それでこそ
ならばせめて、少しでもマシになる選択を。
ヒーローは気を使うという事を覚えた。
色々物事が起こり過ぎて何が何だかわからない方向けのメモ書き
*ルナ事務所が1級事務所になったよ!だったらなんだってんだ!
フィクサー階級や事務所階級は戦闘力を表す訳ではないって話はもういいな?散々したからな?……1級事務所ともなれば、特色ほどではないにしても中々に強力な権限を手に入れる事が出来る。なんせ組織まるごとが相応の実力を持つと認められたって事だからな。ここまで来れば他のフィクサー協会でさえ、迂闊な口出しは出来なくなる筈だ。
*ルナ事務所がハナ協会直属の協力事務所になったよ!メリットは大きいけどデメリットもある!そういう報告は事前にしてほしいね!
だが……ハナは別だ。ハナの権力は翼に匹敵する。例え1級事務所であっても、奴らの協力事務所……いや、都市に生きるフィクサーであるのなら、拒否権は無い。オマケにあいつらの持ってくる依頼は……総じてクソだ。
*ネデアがルナ事務所に居着くようになった!何かあったら手を貸してくれるかも?
*ヒーローを正式に捕虜として向かい入れたよ!こき使ってやろう!
*本部長
フィクサー名:アクシス
稀にハナニキとも呼ばれる。ルナ事務所の名付け親にして上層部の1人。ハナ協会所属の1級フィクサーであり、現状ではルナ事務所所属の1級フィクサーは彼と代表のみである。つよい。
名前の由来はラテン語で軸を意味する『axis』から。
私はあの子達に手を差し出すべき、なのかな?
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そうだ。彼ら彼女らを、貴方が導くべきだ。
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うーん。貴方の後輩に任せるべきでは?
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貴方達はあの者達に関わるべきではない。