恋愛要素ありの死にゲーに転生して鉈を振り回す転生者 作:エヴォルヴ
で、このアカウントを作るにあたり、当時未成年だった我々は保護者や第三者(近所の人)も交えてルールを設定しました。誹謗中傷は絶対にしないとか、金銭の取引は絶対しないとか、そういう当たり前のやつが多いですが、変わっているルールとして、「兄、弟、姉の誰かが体調を崩した際、プロットなどがあれば可能な限り代筆を行う」というルールを作ってアカウントを作りました。なぜか契約書みたいなのも作りましたし。変わってる自覚はある。
あと、病院側も身内も予想していた以上の頑丈さを発揮して目を覚ました弟が入院中も投稿すると息巻いているので代筆はここまでになるかと思います。我が弟ながら流石の頑丈さ。読者の皆様には多大なるご迷惑とたくさんのご心配をおかけしました。次回の投稿は一週間~四週間以上かかるとは思いますが、弟の意地を見届けていただければ幸いです。
長々と失礼いたしました。本編行きます。短いです。電話越しにこの先は俺が書くと息巻いていたので短くなりました。俺の弟は凄いやつだ。
正直な話、自分が狂っている自覚がある。
というか狂っていなかったら、あんな超新星などという自爆特攻をやるわけがないのだ。死なない、死に戻りができるから、ということが分かっていても、誰もがあんな自爆特攻をできるなら怪魔だってもっと大人しくするだろう。
「ところであの不審者誰だったんだ?」
「ただの狂人、と言えたら楽だったんでしょうけどね」
「?」
「加護至上主義、知ってるでしょう?」
「あー……前にニュースを見たような……?」
百鬼夜行でゲリュオンとクリュサオルを消し飛ばした後、死に戻って数時間後に意識を取り戻した俺は、百鬼夜行後にいつもお世話になっている診療所のベッドの上で目を覚ました。目が覚めた時には、目元が真っ赤になるまでギャンギャン泣きまくった大耀さんや、呆れて物も言えないと言わんばかりの表情を浮かべているお医者様や看護師さん、それと現在リンゴの皮を剥いてくれている瑞騎先輩と、学園に色々連絡をしていたローズ先輩がお出迎えしてくれた。
ゲリュオンとクリュサオルは俺の超新星で消し炭になり、残党の怪魔は重錨さん達が殲滅。俺にアンブッシュをしてくれやがったやつは運がいいのか悪いのか、腕を切り落とされただけでそれ以外に大きな外傷は打撲による内出血のみだったという。
で、そのアンブッシュ男、加護至上主義とかいう妙なカルトの一員なんだそうだ。加護至上主義、というのは文字通り加護を神聖視、もしくは至上なものであると定める主義で超古臭いものだからと、捨て置かれた主義主張である。んでもって、死に戻りについても神々や神獣の力によるものなのだから、加護を持っていないやつが死に戻りなんてしてはならない的な感じの主張をしていたりするとち狂ったやつらだ。ならてめえらは加護持ってんのかって話になるが、誰も持っていない。どういうこったよ。
「あなたのこと、前々からブラックリストに入れていたみたいで、百鬼夜行のタイミングで抹殺を実行した……のだろうけど……」
「俺をストーキングしてやがるゲリュオンとクリュサオルのせいで無理だったし、俺は超新星で死に戻ったわけっすね」
「ええ。重錨さん達が拘束したけど、あれこれ喚いていたわね」
「へー……」
おお、リンゴ美味い。なんで入院中のリンゴってここまで美味しく感じるんだろうな。なお入院しているわけではなく、なぜか瑞騎先輩のご実家の使ってない部屋にいます。どういうことだ?? ……にしてもゲリュオンとクリュサオルは消し炭にしたが、どうせまた出てくるんだろうな。ふざけやがって。
「……ねぇ、巡君」
「ん、何です?」
久しぶりに瑞騎先輩が真面目な顔をしているのを見た気がする。……真面目というか、憂いているというか、怖がっているというか、そんな顔。……昔、そんな顔をしてほっつき歩いてる女の子いたなぁ。あの女の子は今どうしているのだろうか。元気にしているといいが……
「やっぱり加護、貰っておかない? 麒麟の」
「えー……」
麒麟様の加護、確かに強いけど、荒神様の加護欲しいんだよなあ……いくら転生者とはいえ、加護を複数貰ったら四肢が捥げて爆散する未来が見える。あと学園生活を狂わせたくない。もう狂ってるとか言ってはいけない。自覚はある。
『そんな嫌そうな顔しないで聞きなさいな。翡翠も心配なのよ、あなたのこと』
「まあ、それは知ってます」
でもなぁ……瑞騎先輩みたいな凄い人と同じ加護を貰ったなんてことになったら絶対色々面倒だし……今でもちょっと面倒なこと起きてるし……がっつり無視してるけど、決闘の申し込みとか果たし状とか定期的に届くし……届いた傍から削除、焼却、断りのお手紙書いてるけど。
「あなたは嫌がりそうだけれど、加護があれば余計な連中からの面倒事を避けられるわ」
『加護を手に入れれば、加護至上主義の連中も黙るしかないでしょうね』
「うーん……それはそうなんすけどね……加護かあ……」
「そんなに渋るってことは、欲しい加護があるの?」
「まぁ、くれたらいいな程度ですけどね」
『ちなみに、誰かとか言えたりする?』
「え?
瞬間、麒麟様の纏う空気が重くなった。え? 何? 地雷踏んだ? 麒麟様と禍津日様って仲悪かったっけ? ゲームでそんなこと語られてなかった気がするんだが……あ、いや、違う! そうか、そうだった! 忘れていたけどそうだったな!? 禍津日様って確か知る人ぞ知るならぬ知る神ぞ知る神か!
『あなた、その神のことをどこで知ったの?』
「麒麟? どうしたの? 確かに禍津日神という神のことは私も知らないけれど……」
『答えなさい、巡。あの神のことをどこで知ったの?』
うーん、どこで知った、と言われてもなぁ……前世でビルド組んだ時にお世話になりましたなんて言えないしな……うーん、どう説明するべきか。下手なことを言ってもバレて追及されるだけで………………………………あ。あるじゃないか。今世で禍津日様のことを知っている理由が説明できるものが。
「うちの爺ちゃんの実家の掃除しに行った時に知りました」
『……あなたの祖父の実家?』
「はい。掃除中に爺ちゃんの爺ちゃん────ひいひいひい爺ちゃん? の戸棚からその神様のことが書かれた日記? が出てきたんですよ」
あれは日記というよりも走り書きな気がするが……まさかひいひいひい爺ちゃんが禍津日様と会ったことがあるとは思ってもみなかった。イザナギ様が禊を行った時に生まれたとされる禍津日様。この世界でもそんな感じに生まれたが、禍津日様は何を思ったのか英雄の魂を呼び出して自ら戦ったり、英雄同士を戦わせたりするようになった。それを現世でやるもんだから見かねた日本の神々だけではなく、世界中の神々からお説教を喰らって迷宮の中に幽閉────軟禁────封印? された荒神様である。なので、今となっては禍津日様のことを知っているのは神々と神獣、守護獣、長く続く家の人間のごく一部……となっている。
麒麟様がこんだけ真剣に詰めてきているのは、一般家庭出身の人間が知っていることがおかしい神様だからなのだろう。俺だってひいひいひい爺ちゃんが禍津日様に会っているのを知ってビビったし。DLCで登場した荒神様に一般人が会うことってあるんだなって。
『嘘は……言ってないわね』
「嘘ついてもいいことないので」
「ねぇ、麒麟? その神はそんなに危険なの?」
『危険、というよりも……自由な神過ぎて、何をしでかすか分からないというか……』
そんなに酷いやらかしはしていないと思うが……前世、DLCダンジョンで過去の英雄と戦うことになったのは死ぬかと思ったが。義経、土方歳三、呂布、本多忠勝────色んな大英雄と戦った。全員強かった……マルチじゃなかったら絶対クリアできなかったと思うわ、あのダンジョン。