恋愛要素ありの死にゲーに転生して鉈を振り回す転生者   作:エヴォルヴ

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討魔は仁王やダークソウルのように、
討魔、討魔2、討魔3と三作品と存在します。そして初代、2、3のリメイクリマスターが発売されてる感じです。我らが気狂いはリメイクリマスターにのみ登場。しかも実装のオンオフもできる。実装経緯はというと。

運営その1「先輩、最近野良マルチの成功率をバチクソ高めるプレイヤーいるらしいっすよ」

運営その2「ほーん。どんなもんよ?」

運営その1「鉈に状態異常付与しまくってブンブンしてますね。しかも死にそうになったら自爆して確実に勝てるレベルにデバフばら撒いてから死んでます」

運営その2「なんだそのプレイヤーはたまげたなぁ」

運営その3「お助けキャラでそんな感じのキャラ実装します?紙装甲だけどデバフばら撒く自爆スキル持ちのキャラ」

運営その1,2「「採用」」


みたいな感じです。
ご友人達はそのお助けキャラを見て「「ご友人!?サプライズをしてくれるのですか!!?」」と面影を感じてるでしょう。そして他のプレイヤー達は「あっ、君かあ!」となっているでしょう。え?攻略ルート?いたりいなかったりするお助けキャラ相手に?ははは、ご冗談を。(8周目以降の要素およびトロコンには関係なし)


禍津日様のお願い事

「オアアアアアッ!!?」

 

 ズガンッ、と俺の体を突き抜ける衝撃。禍津日様のダンジョンに訪れてから一週間弱。本日の相手は新選組ではないものの、俺をいとも簡単に投げ飛ばすことのできる剛力と、俺の攻撃を全く意に介さない肉体と身体能力の持ち主である。

 

「はははっ!! 惜しかったなぁ、坊主!!」

 

「いや全く歯が立たなかったんですけど?」

 

「いんや? さっきの立ち合いはあれだ。横から蹴られたら俺が土俵から出てたぜ」

 

 あんたを相手にしてそれができたら苦労しねえや、というツッコミはどうにか飲み込んだ。いや、本当に。エドモンド本田なんて目じゃないくらいの相撲だよマジで。

 

「まさか雷電爲右エ門とも戦えるとは……てか、よく抽選突破しましたね?」

 

「いや、それがよ? 他の連中、お前さんらみたいに武器を使うどころか俺と同じ土俵でやるって言ってきてよ。投げ飛ばした」

 

「あんた相手に相撲勝負は坂田金時くらいしか勝ち目がないのでは?」

 

「はははっ!! 随分買ってくれるじゃねぇか」

 

 雷電爲右エ門────信州雷電、大相撲史上未曾有の最強力士と謳われる力士は、大きな手で俺を立ち上がらせながら豪快に笑う。巌のような体を支える大木のような手足。全身から立ち上る蒸気にも似たオーラは、神様や神獣、守護獣などの力を武器に纏わせる時に放たれる神気や霊気に近い。神を降ろし、穢れを祓う神事とされた相撲最強の男と言われるだけある。

 

「よぅし、少し休んだらもう一回だ! ……あ、四股の方がいいか?」

 

「お好きな方で」

 

「なら一局だな」

 

 異種格闘技にも程があるが、会場には席が用意されており、新選組の方々やまだ戦ったことがない過去の英雄、そして禍津日様などが幕の内弁当片手に座っている。何だよお前らエンジョイ勢か? エンジョイ勢だったわ。幕の内弁当って相撲のやつだっけ? 

 

 あ、ちなみに瑞騎先輩、大耀さん、ローズ先輩は別会場で別の人達と戦っている。江戸だからね、雷電以外にも強い人はいるよね。師匠は用事があるということで今日はいない。ところで禍津日様、江戸ってあんな修羅みたいな人いらっしゃいました? 鬼島津率いる島津家の皆さんって江戸時代の人でしたっけ? 安土桃山じゃないんです? 大丈夫かなぁ大耀さん達。主にメンタル。休憩時間に入ったらメンタルケアに時間を割くことにならないといいんだけど。

 

「ところで坊主。お前さん、何か悩んでんのかい?」

 

「へ? あー……まぁ、はい。ただ、これは俺が一人で考えないといけないもんだと思うんで」

 

 先日、ローズ先輩から指摘されたこと。瑞騎先輩のことが女の子として好きかどうか。それを考えた瞬間から感じるようになったモヤっとした不快感と、よく分からない嫌悪感。これに向き合って考える必要が俺にはあるのだ。きっと、誰かに相談して解決してはいけないタイプのやつだと思う。

 

「すいませんね、戦いの最中に無駄な考えしちゃって」

 

「いんや、構わねぇさ。そういう難しいことを考えるってのも戦いだろうよ」

 

「うす」

 

「戦いの形はこうして殴り合う、張り合うだけじゃねぇ。心と向き合うことだって戦いの一つよ」

 

 心技体って言葉があるくらいだしな、と笑う雷電氏。うーむ、いい人か? いい人だったわ。

 

「心と向き合う、心の戦いってのは、言葉にするよりも難しいもんだ。体と技はそのうち成長するのに、不思議なもんだよな」

 

「ですね。ステータスみたいに強化できればいいのにって思います」

 

「それができねぇからこそ、心と向き合える人間は強いってこった」

 

 そういう心と向き合うことができたからこそ、この人達は英雄となれたんだろう。俺は……まあ、死に戻りができるからあんな戦い方ができるだけの気狂い。英雄にはなれないだろう。なりたいと考えたこともないけどな! 英雄になりたいって考えてたらあんな死に戻り前提の戦いなんてしないんだよなぁ。勇敢に戦う戦士の背中を見せることで民衆を安心させる、というのは誰の言葉だったか。というかなんで民衆が怪魔が出てくるところまで出てくるんだよ避難してろよ馬鹿。そんな民間人がいたら俺はぶん殴ってでも前線から退かせるぞ。普通に邪魔だし。

 

「まぁ、頑張れよ若人よ」

 

「うす」

 

「よぅし、そろそろもう一局────」

 

「そうしてぇのは山々だがよ、ちょいといいか?」

 

 雷電氏ともう一度戦おうとしたところで、禍津日様が口を出してきた。戦いの最中は口を出してこない禍津日様が珍しいな、と考えていると、空間が捻じれて歪み────。

 

 

 

「……おん?」

 

 仕事部屋です、と言わんばかりに書類が大量に置かれている部屋に俺は立っていた。ここは確か……ゲームでも来たことがあるな。禍津日様が普段過ごしている大部屋だ。

 

「へぇ、流石というか何というか。困惑はすれど驚きはしねぇか」

 

「その言い方……俺がこの場所を知っていることを知っていたみたいな言い草ですね」

 

「まぁな。呪いかけたんだ。てめぇの生きた時間を読み取ることくらいは造作もないわな」

 

 ということは、この神様も俺が転生者であると知っているわけだ。まぁ、人魔一戴は禍津日様の力だし、それをお試しとはいえ使ったんだから、ゲリュオンとクリュサオルみたいに記憶を読み取ることくらいはできるか。

 

「それで、禍津日様は何をご所望で? イレギュラーは排除する……なんてことなら全力で抵抗しますが」

 

 主に俺の知り合いに被害が出ないようにという方向で。怪魔や英雄と四六時中戦っているような神様が本気になったら、俺が勝てるわけないだろうが。

 

「いや別に?」

 

「え」

 

「俺としちゃあ面白れぇもんを見つけた程度だしな。西洋の頭の固い下級天使共ならまだしも、神々からすりゃあ特にな」

 

 あ、そうですか。それなら安心。安心じゃないけど。

 まあ、インド神話なんて神様には殺せないから人間に転生しようってなるぶっ飛んだ神様もいるわけだもんな。……というか。

 

「他の神様は俺のこと気付いてるんですかね?」

 

「気付いてねぇだろうな。神、神獣、守護獣……全員もれなく加護を与えてないやつの魂を見るってのはご法度なんだよ」

 

「そりゃまた何でです?」

 

「それで一回やらかした神がいてな。魂を見て気に入った人間を我が物にしようとして────山の執行者に斬られて死んだ」

 

「あー……うん、なるほど」

 

 英雄達の中には「え? なんでそんなことしたの?」と思ってしまうようなことを唐突にやってしまった人達もいる。神々の悪戯によるものでしたか……そうですか。それ以外の要因もあるにはあるだろうけど。というかゲームでも描写がないだけで考察されていたが、山の執行者は神すら殺せる力があるようだ。まぁ、そりゃそうだろうなとは思うが。あの人……人? は多方面から恐れられていたし。ところで執行者の頭に生えている翼は何なのだろうか。

 

「ま、どんなやつであれ魂ってのはそいつの生きた時間全てを記録してる。そんな個人情報の塊を好き勝手見ることは神だろうが許されねぇのさ」

 

「結構きっちりしてるんですね、そういうとこ」

 

「それで痛い目見てるからな。人の振り見て我が振り直せ、だろ?」

 

 人間のことわざが神様達にも適応されるとは思わなかったよ俺は。

 

「それはそれとしてだ。巡、お前にちょいとばかし依頼を出したい」

 

「依頼ですか」

 

「おう。現人神になったお前への依頼と言ってもいい」

 

「あの、現人神って結局なんなんです?」

 

「あー……まぁ、ざっくり言っちまえば神や神獣、守護獣とか、そういった連中からの依頼をこなす何でも屋ってとこだな」

 

「使い走りということで?」

 

「んなわけねぇだろ。天照に言われなかったか? 報酬も渡すって」

 

 ……確かに言われた気がする。ノット残業、ノットタダ働きとか言ってた気がするわ。神様の界隈にも労基的な何かがあったりするのだろうかね。

 しかし、依頼か。確かにゲームの『討魔』にもクエストがあったが、思い返してみると人からの依頼よりも神々や神獣、守護獣の依頼が人間を介して発注されていたことが多かったような気がする。それくらいは加護を貰ってるお前らがやれよと思うものから、まぁ、これはちょっと厳しいわなと思うものまで多種多様だった。そうかぁ……こんな感じになるかぁ……おや? クエストシステムが現人神の仕事なら、それを受注していた大耀さんこと主人公は現人神ということになるのでは? ………………まぁ、難しくあれこれ考えても仕方ないか。

 

「とりあえず了解しました。それで、禍津日様の依頼っていうのは?」

 

「ん。まぁ、その前に報酬を半分前払いしとくか」

 

「アッッヅ!!?」

 

 またこれかい!! 右目が焼き溶かされたかと思ったぞ禍津日様。俺の目から黄色い炎が溢れ出たらどうするつもりだ。メイケイオスするぞ。

 

「よしよし、一回目よりも馴染んでんな」

 

「…………で、依頼は?」

 

「おうおう、血気盛んなこった。まあ、依頼はとある怪魔の討伐だな」

 

 怪魔の討伐。禍津日様がやってもいいことな気がしないでもないが、依頼を出しているということはそうしなくてもいい怪魔であるとも言える。穢れを纏った強化個体怪魔ではないというわけだ。穢れ纏い個体はマジでヤバいからな……まさか穢れ纏い個体の屍犬から一発喰らっただけで体力半分持っていかれると思わないじゃん? 体力は全くないからワンパンできるけど。

 穢れ纏いが出てくる時のストーリー進行度? …………中盤も中盤ですね。何周かすると穢れ纏いがさらっと現れる地獄よ。

 

「ちょっと前から……つっても十年は前だな。そのくらいの時期に封印された……んー……自ら封印された怪魔がいてな。そいつをぶっ殺してほしい」

 

「はぁ。封印されたってことは、それだけ強かったってことですよね? 倒せなかったわけですし」

 

「強かった、というよりかは強かだった、が正しいな。百鬼夜行に乗じて迷宮から出てきて人間の世界に紛れ、人間を襲いやがった」

 

 なるほど、潜伏(ステルス)からのアンブッシュ。確かにそれは強いというよりも強かと言っていいかもしれない。

 

「もちろん迷宮であれば主になれる程度の実力はあるがな。ゲリュオンとクリュサオルレベルではねぇが」

 

「そんなやつがポンポン出てきたら終わりだよこの世界」

 

「違ぇねえ。で、だ。その怪魔、襲いやがった人間を喰ってる間に封印されてな。しかも喰ってたやつに封印された」

 

 間抜けが過ぎるぞその怪魔。しかし、そんな封印なんて高度な結界術を使えるキャラクター、討魔にいたかと言われるとあんまり思い付かない。いたとしても安倍晴明とかだろうか。あとは……まぁ、大耀さんとかローズ先輩とかか。あとは結界じゃないが、魔法攻撃力を1.5倍にするとかいうヤバイエリアを展開できる万莱君とか? 

 

 それにしても、怪魔に喰われながらも勝てないなら封印してやるという方向に思考を巡らせることができるなんて、その方はなんて誉れ高い方なのか。喰われてしまったということはもうこの世にはいらっしゃらないのだろうが、会って話をしてみたかった。

 

「その封印が解け始めてるんでな。ちょいとぶっ殺してこい」

 

「うっす。……で、場所はどこです?」

 

「旧南炎邸」

 

「はい?」

 

 なんえんてい? どこだよ。

 

「あー……お前の場合はあれか。旧薔薇苑邸って言った方がいいか?」

 

「…………………………………………ヷッ!?」

 

 旧薔薇苑邸ってことは、あれか。ローズ先輩の家が元々あった場所にその封印された怪魔がいるってことか。おや? そんな話がゲームでされていたような……うーむ、ローズ先輩のストーリーもやったはずだが、覚えてねえな……推しのキャラストーリーを忘れるなんてファンの風上にも置けん。あとで詫びアイテム用素材マラソンやるしかねぇな……

 

「つーわけだから、行ってこい」

 

 バチンッ、と禍津日様が指を鳴らした瞬間、俺の立っていた場所に穴が開く。

 

「…………え゛っ」

 

「頑張れよー。今のお前なら無傷撃破も行けるからよー!」

 

「おああああああああああああああああああああああああああッッ!!?」

 

「ん? そういえばお前飛べねぇのか。……まぁ、ゲリュオンとクリュサオルがいるから大丈夫だろ」

 

 そうだったなぁ、こういう神様だったなァ禍津日様ってさあ!!




次回

人間(女性限定)を襲って犯しながら喰うことに悦楽を覚えるタイプの邪悪

VS

呪われた(マジでブチギレるとゴ・ジャラジ・ダ戦のクウガみたいになる)戦士
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