恋愛要素ありの死にゲーに転生して鉈を振り回す転生者   作:エヴォルヴ

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加護至上主義
実は俗称。本来の名称は【醒霊杯教(せいれいはいきょう)】という宗教団体。カルト的なことになっているのはごく一部――――と、言いたいところだが、現在6.95割がカルト的な感じなっている。残りの3.05割は比較的まとも。教祖の姿や名前は最高幹部とされる連中以外誰も知らない。ダリナンダキョウソッテイッタイ。
こんな馬鹿みたいに怪しい奴らだが、慈善事業などに多く勤しんでいたり、お金を日本全国の学校に寄付していたりと結構色々やっている。潰されない理由がここにあったりする。賢い。


蓋を開けたらそこは地獄のお祭り会場

 ボス怪魔共を引き連れての学園祭案内なんてクソみたいなイベントが始まったせいで、俺の霊薬服用枠が精神安定霊薬によって潰された。許せねぇ……今日の対抗戦でいつも通り霊薬ガン積みするつもりだったのに、その枠を潰されてしまった。最近出来上がったDLCからの刺客、狂鏖伐(きょうおうばつ)狂鏖撃(きょうおうげき)でいいか……中毒ゲージが馬鹿みたいに溜まるせいで使いにくい霊薬であり、これを使うとスタミナ消費量激増とHP上限減少、そして装備耐久消耗速度上昇のデメリットがあるけどスタマイは別に問題なし。HPも今更減ろうが別にって感じだし、装備はそもそも馬鹿みたいに頑丈にしてもらっている。DLC霊薬『狂鏖(きょうおう)シリーズ』はそのデメリットを許容してもいいくらいに素晴らしい性能をしているのだ。

 

 なお、霊薬の効果によって理性のない化け物と成り果てた人が多発したため、日本では失伝したレシピなので、京谷先生とかお偉いさんにバレたらちょっと色々面倒くさい。バレたら禍津日様に教えてもらったことにしよう。もしくは禍津日様のところに来ている過去の英雄の誰かに教えてもらったことにしよう。なぁに、日本が誇る誉れのバーサーカー薩摩に教えてもらったことにすればモーマンタイというやつだ。

 

「まさかこうして、人間社会に堂々と乗り込んでくる怪魔がいるなんてね」

 

『八束爬戯……玄武と青龍から聞いてはいたが、貴様が封印から抜け出しているとは……』

 

「朱雀────いえ、鳳凰ですか。実力ある者に恵まれているようですね」

 

 とりあえず何が起きても大丈夫なように、五家がいるクラスから巡っていくことにしたわけだが……凄いことになってんな、三年生の出し物。

 

「まさか武器の体験コーナーとは思わないっすよローズ先輩」

 

「武器を振るなんて物珍しいこと、中々ないから結構盛況よ」

 

「多分イケメンと美少女に指導してもらえるからって人が集まってるんだと思うんですけど(名推理)」

 

「自分で名推理って言っちゃうのね」

 

 見たまえ、この結界を応用して教室を拡張したことで結構なスペースを確保した上で行われている体験コーナーに並んでいる人達を。なんか鼻の下が伸びている感じがしないでもない。……おや、武術の経験がありそうな人もちらほらと……まぁ、こういう世界だし、自分の身を最低限守れるようにしている人は結構いたりするのかもな。

 

「それで、ムーちゃんから聞いてはいたけれど……大丈夫なの?」

 

「大丈夫じゃなかったらゲリュオンとクリュサオルが暴れるので……」

 

『約定は結ばれたのだ。それを破る輩を斬り捨てるのは当たり前のことよ』

 

『ブル……』

 

 マジでこういう騎士的なところがあるから助かる。特にボスラッシュが始まりかねない状態なら、なおさらだ。四苦八苦どころか四十苦八十苦してゲリュオンとクリュサオルを召喚できるようになってよかったと思う。数の暴力とは偉大なり。まぁ、精神力も仙妖ゲージも使うし、召喚中は人魔一戴を使えなくなるわけだが。召喚中は疱瘡神様の呪いを使えばいいんだけどな。

 

「んでだ。体験してくか?」

 

「いいえ。見学だけでいいわ」

 

 蜈蚣姫がそう言うと、他の怪魔も同じ気持ちだったのか各々頷いた。……にしても視線が凄いな。蜈蚣姫も八束爬戯もだが、顔面偏差値が化け物だし、スタイルもいいからな。背筋が凍るような美人ってのは姫様二匹みたいなことを示す言葉だろう。流石人気投票トップランカー。そして捻赫行者とぬらりひょん、姫様二匹の護衛達も顔面偏差値が馬鹿。

 

「メグちゃんはどうする?」

 

「対抗戦の慣らしをせよとおっしゃっている?」

 

「何するつもりよ」

 

「行儀のいいふりはもう止めようかなって……」

 

 対抗戦の相手が誰になるのかは知らないが、ボス級怪魔共の案内をするとかいうクソみたいにストレスマッハなイベントを熟している俺の八つ当たりに付き合ってもらおう。ジョブである占い師の慣らしは済ませているから、それの検証もさせてもらうぞ……

 

「あれで行儀がいいふりしてるつもりだったの?」

 

「超新星を普段使いせず、劇毒爆弾含めたちょっと危ないブツを人間相手に使わず、訓練では刹那無心流の技を封じ……十分行儀のいいふりしてるでしょ」

 

「………………そう言われて納得しかけたあたしも大分染まってるわね」

 

 染まり切ってしまった方が楽だぞ。皆で広げよう超新星の輪。死に戻り前提で超新星を使えばな、どんな初心者であっても強敵に有効打を与えることができるんだ……というわけで皆でやろう超新星。死に戻りができるなら自爆技の一つや二つ覚えておいて損はないはずだ。ゲリュオンとクリュサオルにゾンビアタックで勝ったように、死にかけたら自爆して死に戻りをすれば元通り。俺もやってるんだからさ。

 

「……本当に人間か?」

 

 八束爬戯の護衛だと思われる蜘蛛系怪魔(人に化けた姿)がそんなことを呟いた。

 ははは、こやつめ。今からでも首刎ねて素材にしてやろうか。鉄花荒轟の試運転相手として復活できなくなるまで殺してやろうか。……いや、そうすると素材が手に入らなくなるから、いつまでも復活してどうぞ。そして俺に素材を半永久的に提供するのだ。寄こしなさい、寄こしなさい。お前の素材を寄こしなさい。

 

「まぁ、見学するだけでも歓迎するわ。それとメグちゃん、隣のクラスは行った?」

 

「ここがスタートなもんで」

 

「なら行ってみるといいわ。結構面白いことになってるから」

 

 面白いこと……ねぇ。索敵スキル全部アクティブにしているから何となく分かるけど、確かに面白いことになっている。なんでダンスパーティーみたいなことになってんだ……んでもって受付してるのは翡翠先輩か? ドレス着てる感じはないけど……あん? タキシードか? 制服でもいいのではなかろうかってツッコミは止めておいた方がいい?

 

「あ、ローズ先輩、右に三歩」

 

 俺がそう言うと何も疑いもせずに三歩右に動いたローズ先輩。すかさず俺がまたもや改修作業が入った銃、『パイルバスター』に取り付けられた二つ目の引き金を引く。バシュッ、と射出された捕鯨砲に使われていそうな銛みたいなものが真っ直ぐ飛んでいき────

 

「ギえっ!?」

 

「はい確保」

 

 明らかにラリっているやつの胴体スレスレを通過して壁に突き刺さることでワイヤートラップを形成。パリピイケメンボーイズ謹製、黒光りするワイヤーがそいつの体勢を崩させた。

 

「その首に彫られてる刺青、例のカルトだろ。よくもまぁ堂々と入れたもんだ……」

 

「て、てめぇ、俺が誰だかわか────ぷぎゅっ!?」

 

「おん?」

 

 俺ではない足が例のカルト────加護至上主義の宗教団体のラリっているやつの顔面を粉砕した。あらやだ前歯全部折れてる素敵な一撃。しかも顎には何かが掠めたような跡……ヤクザキックとほぼ同時に顎の皮を狙った蹴りを放ったと見ていいだろう。素敵だ……見事な手際にボス怪魔共もちょっと感心している。

 

「堅気に迷惑かけてんじゃねぇよダボがッ…………あ、わりぃ、ケジメの邪魔したな」

 

 二段蹴りを放ったであろう、いかにもマフィアやギャングですと言わんばかりの強面イケメンフェイスの男性がこちらに向かって頭を下げてきた。……あれ、この人が着ている制服は確か……

 

「いや、助かります。拘束する手間が省けました。縛らなきゃ……あ、ローズ先輩はお客さんの対応お願いしますね」

 

「ええ、それはいいんだけれど……あんまり混乱は起きてないし」

 

「そのための血の呪縛……あとそのためのミスリル製の鎖?」

 

「加減って言葉がないのかしらメグちゃん」

 

「薬やってるようなカルトに人権はない。古事記と万葉集と平家物語にもそう書かれている」

 

 殺しちゃダメな相手に対面した時用に用立てておいたミスリル製の鎖は素晴らしいぞぉ……何せ拘束されたやつが魔法とかを使って逃げようとしたら、それに反応して爆発するようになっている。さらに俺が無詠唱で使える闇属性魔法スキルの一つ、『血の呪縛』は動くと出血を強いる有刺鉄線のような縄で相手を縛り上げるスキルだ。少しでも暴れたら出血か爆発かの選択を強いる……犯罪者に対して慈悲を与えてはならない。

 

「容赦ねぇなおい」

 

「京都校は犯罪者に対して寛容であれと教わっているということでよろしいです?」

 

「あれこれ言われてはねぇが、俺個人としちゃあぶちのめすのがいいな。考えるのはその後でいい」

 

 やはり討魔学園京都校の生徒だったか。仲良くできそうな思想をお持ちのようだ。

 

「俺は討魔学園京都校高等部2年千磁光銘(せんじこうめい)。加護は一本だたらってやつから貰ってる。あんたは?」

 

「討魔学園東京校高等部2年模歩巡。加護は禍津日神から」

 

「タメか。敬語無しで頼むぜ」

 

 右手を差し出してくる強面イケメンこと千磁光銘君としっかり握手を交わす。……なるほど、中々の鍛え具合……だが、徒手空拳メインにしては腕の筋肉が細すぎる……武器は軽量系か? でも脚技を使ってくる可能性も……うーん、討魔2もやり込んだはずなのに、どんなキャラがいたのか思い出せねぇ……頑張れ俺の記憶力。前世の記憶を思い出してみせろ!!

 

(なんだこいつ!? こんなほっそい腕のくせにとんでもねぇ筋肉密度と骨密度……! 相当鍛えてやがる!! 去年までの交流戦じゃ見なかったが……)

 

「面白れぇ。今年の学年別の対抗戦は楽しめそうだ……!」

 

 む、この人対抗戦に出てくるのか。……というか学年別? 対抗戦って学年は特に関係なかったような気がするけど……まさか四日間の学園祭で学年別と学年無差別戦がある? 面倒くさいから学年無差別戦があったらサボってやろうかな。その勢いのまま黒焔羅刹と白澪羅刹に挑戦しに行ってやろうかしら。

 

「っと、悪い電話だ。……もしもし? …………あ? 今日は何も打ち合わせとかねぇって────ああ、分かった。分かったっての!」

 

「苦労してそうな電話だあ……」

 

「うちは堅苦しいやつばっかだからな……東京校はある程度自由そうで羨ましいぜ……」

 

 なんだろう、彼は苦労人の気配がする。周囲が厳格な人が多くて、ある程度自由にやれないでフラストレーションが溜まってる感じの。素晴らしい提案をしよう。お前も東京校に来ないか?

 

「あいつが海外に行ってなけりゃあなぁ……って、愚痴ばっかじゃあれか。悪いな巡。詫びと言っちゃなんだが、そこで伸びてるやつ豚箱に放り込むのは俺に任せてくれ」

 

「? 俺がやってもいいんだけど」

 

「いや、お前は後ろの別嬪さんらの案内とかあるだろ?」

 

 気遣いの達人か?




千磁光銘
身長:180cm
体重:72kg
所属:討魔学園京都校高等部2年
加護:一本だたら神
武器:聖印

 聖印で自身にバフを乗せて蹴りまくるDPS僧侶キャラ。某不死の探求やってそうな寺の僧兵が使うようなマジカル体術使い。一本だたらの加護を鍛冶に使うことはなく、一本だたらが振り回す大槌や大太刀を蹴りと同時に放つ強面イケメンフェイスのキャラであり、気狂いが忘れているだけで討魔2では初心者から上級者まで使える親友枠。ポジ親友。恋愛ルートもしっかり用意されている。

 回復スキルをガン積みして受けタンクにするか、DPSにリソースを全ぶっぱして完全アタッカーにするのか、はたまたバランスよくスキルを積んで継戦能力を高めるか、それとも横バフを揃えてサポートDPSキャラにするのか――――とにかく噛めば噛むほど味が出るキャラである。

 不良っぽい外見から勘違いされがちだが、ちゃんと筋は通すし、面倒見はいい方。東京校にいたら気狂いと一緒に主人公ちゃんの面倒を見ていた確率90%。

 海外に行っているダチがいる。
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