ミリタリー✖️東方Project   作:ポーラン

144 / 145
第81章「影と薬と声」

場所:モスクワ郊外・旧KGB施設地下会議室

薄暗いコンクリートの地下空間。かつてのKGB本部地下であったその場所には、現在、ヴェルニエフ上級大将を中心に、複数の将校や工作員が静かに座していた。

 

机の上に置かれたのは、古びた極秘文書フォルダ。そこにはこう刻まれていた。

 

М.К.-УЛЬТРА

《MK-ULTRA:制御可能な精神領域における応用研究》

ヴェルニエフ大将は、分厚いフォルダを一瞥し、静かに語り出す。

 

ヴェルニエフ大将「……どうやら、ベラルーシの工作部隊も、オマーン経由の武器商人も失敗したようだな?」

一人の黒服の男が顔を伏せ、かすれ声で答える。

 

将校「はっ……申し訳ありません……タンカー“アルージャ号”も沈められ……」

ヴェルニエフ大将(静かに笑う)「……まあいい。急ぐ必要はない。我々の計画はまだ第1段階ですらないのだから」

将校たちがざわつく中、ペトロフ少佐が眉をひそめる。

 

ペトロフ少佐「……と申しますと?」

ヴェルニエフは、机に置かれたモニターを指さし、スイッチを押す。画面に映るのは――

 

博麗霊夢と霧雨魔理沙の映像。

 

ヴェルニエフ大将「幻想郷の住人を使え。特に、博麗の巫女の親友である霧雨魔理沙……あの子を“選ぶ”」

ペトロフの顔が強張る。

 

ペトロフ少佐「……まさか……あの計画を?」

ヴェルニエフ大将「そうだ。“MKウルトラ”。冷戦下でアメリカが手を出した、脳波誘導・幻覚・潜在意識制御の副産物だ。奴らは失敗だと思って捨てたが、我々は違う。それを軍事応用した、別の研究を続けてきた」

ヴェルニエフの声が低くなる。

 

ヴェルニエフ大将「魔理沙を拉致し、洗脳する。そして彼女に、こう刷り込む――『君の親友を殺したのは西側の軍だ』とな……」

重苦しい沈黙が流れる。

ペトロフ少佐が控えめに問う。

 

ペトロフ少佐「……実行はいつに?」

ヴェルニエフ大将「まだ動かすな。まずは“揺さぶり”だ。外の世界から流入した情報、物資、思想……それを通して、幻想郷を疑念と恐怖で揺さぶれ」

ペトロフ少佐「魔理沙を拉致するのは……?」

ヴェルニエフ大将「7ヶ月後に設定しろ。最も警備が薄れる時期だ。博麗の巫女が“式典”で外出する日を狙う。その間に、幻想郷そのものを“内側から崩す”準備を進めろ」

 

プロジェクト【デーモン】

 

【:ロシア連邦 シベリア収容施設内】

霧雨魔理沙を薄暗いコンクリートの部屋に閉じ込める

照明を僅かしか点けず、常にぼんやりとした薄明かりにする。

 

彼女の食事には少量ずつ幻覚誘発性の化学物質(MK-Ultraで使用されたLSDに類似)と、反復音刺激による心理操作音が加える。

 

【洗脳・心理操作プロセス】

① 感覚遮断・睡眠剥奪・記憶の曖昧化

 

魔理沙を監禁し時間の感覚を失わせる。

ドアの外から聞こえる霊夢の悲鳴に似た声(録音)が定期的に流す。

電気ショックや耳元での高周波音、食事に混ぜられた薬剤による思考混濁を行う。

② 恐怖と「安全」の混在

 

拷問のあと、必ず優しい口調の「将校」を派遣

水を与え、「君は悪くない」と語りかけさせる。

暖かいブランケットや好物の食事(毒は入っていない)を与え、感情の起伏を作る。

将校の声(録音でも可):

「……なぜ君の親友は来ないんだろうな。霊夢はもう、君のことを忘れたのかもしれないね……」

「日本政府もアメリカ政府も、君を兵器か何かだと思ってるんじゃないか? 見殺しにする気だよ」

という精神的揺さぶりをかける

 

③ “真実”の捏造と復讐心の植え付け

 

複数の映像資料(偽造)を見せる:霊夢がアメリカ軍人と笑いながら話させる、紫が魔理沙の失踪を「仕方ない」と語るように編集された記録映像を写す。

それと並行して、「幻想郷はもう君を忘れた」というナレーションを繰り返し放送する。

 

FSB隊員(本物・実在の工作員):

「君はこんな目に遭っているのに……友人の霊夢くんや日本政府・アメリカ政府は黙っているだけだ。探しに来てもいないじゃないか。

こんな目に遭っているのは……西側とあの巫女のせいだと思わんか?

報復したいと思わないか?……君をこんな目に遭わせた連中に

 

④ 復讐心の扇動(暗示)

 

ある日、魔理沙の前に拳銃を置くMP-443を使う。

その横には、紫・霊夢・アリスの顔写真と“裏切りの証拠”というファイル(全て偽造)。

そして工作員がこう囁く。

「君は……復讐したくないのか?……力はここにある。あとは君の決断次第だ……」

【計画法案】

 

【モスクワ郊外・軍事諜報機関地下施設】

ヴェルニエフ上級大将は、暗い会議室に立つ。そこには数名のFSB高官と、元KGB、GRUのOBらが座していた。

重苦しい空気の中、壁に映された古びたプロジェクターには、かつて米CIAが行った**「MKウルトラ」**計画に関する機密文書の断片が映し出されていた。

 

ヴェルニエフ上級大将

「……あの幻想郷という空間に西側の影響が入り込みすぎた。巫女、魔法使い、月の民……どれも西側との親和性が高すぎる」

 

「このままでは幻想郷は『西側の楽園』になる。我々は『幻想』を掌握しなければならん」

 

ペトロフ少佐(FSB)

「それで、魔理沙……霧雨魔理沙を、対象に?」

 

ヴェルニエフ(冷たく)

「ああ。幻想郷の住民にして、博麗の巫女に最も近い存在。そして、“戦う意志”を持つ者だ。

彼女を洗脳し、“西側の裏切り”という幻想を植え付ける。――だが、その実行は7ヶ月後だ」

 

ペトロフ少佐

「理由は?」

 

ヴェルニエフ

「まだ“物語”が足りん。もっと混乱を煽る必要がある……幻想郷での演習、対立、紛争未遂……それらが魔理沙の“怒り”に正当性を与える。

我々は、“悪役”の仮面を西側に被せねばならん」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。