今回はペニーとサンの初登場回の内容でお送りします。
ジョーン主役回は五夏が入らないほうがきれいに仕上がるので今作では触れません。
追記:2025年10月14日に七海建人のRWBY用語解説コーナーの内容を一部変更しました。
チーム結成の日から数か月が経った。
ある朝、悟たちは校内の食堂にに集まっていた。
「いやぁ、皆強くなったよね。こんなに強くなって…先生は嬉しいよ」
「いや、誰目線ですの!?」
悟の謎目線からの感想にワイスがツッコミを入れる。
「確かにね。特にジョーンなんてこの前まで全然だったのに今じゃグリムにも勝てるぐらい強くなってるしね」
「そうね、前まではオーラの扱いもダメだったけどかなり上達したと思うわ」
傑とピュラが言う。
「そうそう、今のジョーンなら
「ノーラ、確かに今の彼ならできるでしょうけどさすがにそれはやりすぎだと思いますよ」
「あはは…皆ありがとう」
ノーラとレンもジョーンを励まし、ジョーンは照れた様子で皆に感謝を告げる。
「そういえば、今日休みだし皆でスイーツ巡りしない?」
「悟、今から行くのかい?今だってパンケーキを三枚も食べてるじゃないか」
「いいんだよ、甘いもんなんていくらあってもいいだろ」
悟はスイーツ店巡りを提案するが傑が今も食べてるじゃないかとツッコミを入れるが悟は意に介していない。結局のところ、チームRWBYもチームJNPRも用事があるらしい。
こうなってしまったらどうしようもないので、傑は渋々スイーツ巡りに行くことにした。
*****
悟と傑はスイーツを食べるためにとある港町に来ていた。
「そこの店、ドーナツ店らしいぜ」
「悟、さっきから洋菓子店ばかりじゃないか」
「いや、だって仕方ねーだろ。和菓子店一個もないんだし」
さすがにここまで洋菓子店にしか行けていないので傑は和菓子店を探していたようだがレムナントにはそんなものはないようだ。
「マジかよドーナツ店しまってんじゃん」
「隣の店にバリケードテープが張られているし事件か何かあったんじゃないか」
残念なことに二人が次に行こうとしていたドーナツ店は隣の店で事件が起きたために臨時休業していた。(しかし、傑はこれ以上洋菓子を食べたくなかったので内心喜んでいた。)
「すみません、ここで何かあったんですか?」
近くにいた警察官に傑が話を聞く。
「強盗だ。ダストショップ目当ての強盗はこれで今週2件目だ」
「それにしても妙だな。ダストはほとんど盗まれてんのに
「あぁ、その通りだ…って何で勝手に入ってるんだ君!!関係ないんだから出ていきなさい!!」
ちゃっかり事件現場の中に入りこんでいた五条が警察官に怒られ、つまみ出される。*1
「そんなにダストを欲しがるなんて軍隊でも作るつもりなんですかね?」
「かもな。恐らく、ホワイトファングの仕業だろう」
傑の質問に警察官が答える。
「仕事中なのにわざわざ答えていただいてありがとうございました」
傑は警察官に礼を言い、悟を連れてその場を後にする。
「よく分かんないけどホワイトファングってそんなやばい組織なの?」
「あぁ、昔は慈善団体だったらしいが今ではただのテロ組織だ」
悟たちが次に向かう予定だったスイーツ店の方へ歩いていると港の方が騒ぎになっているようだった。どうやら、密航者がいたらしい。悟たちも港の方へ走る。見たところ猿のファウナスが船の警備員に追われていた。そして、港にはチームRWBYの姿もあった。
「あっ、悟じゃん。スイーツ巡りはどうしたの?」
ヤンが悟の姿に気付き声をかける。*2
「いやぁ、今行こうとしてたドーナツ店が臨時休業してていったん切り上げてきたんだけどさ…これ、どういう状況?」
「あのファウナスが密航しましたの」
「へぇ、マジ?」
ワイスと悟が話している間にファウナスがこちらに走ってくる。そして、そのファウナスはブレイクにウィンクをして走り去っていった。
「今ウィンクしていったけど、もしかして知り合いだったりする?」
「いや、初対面よ」
悟とブレイクが話している間にワイスは先ほどのファウナスを追いかけることを決めたようだ。ワイスに続いて悟たちも追いかける。悟が曲がり角を曲がると目の前に見えたのはワイスが少女と正面衝突して倒れている所であった。ワイスがヤンに指摘され飛びのくとその少女が口を開く。
「ごきげんよう!」
ぶつかられて最初の一言がごきげんようなのは少し気味が悪いが少女は立ち上がって話し始める。
「私の名前はペニーです。お会いできて嬉しいです!」
「よろしく、ペニー。私はルビー」
「私はワイス」
「ブレイク」
チームRWBYの内の三人がペニーに自己紹介をする。悟はブレイクの自己紹介を聞きながら昔、野薔薇が恵に対して言った「名前だけって…きっと重油まみれのカモメに火をつけてそう」という言葉を思い出していた。*3
「あなた本当に頭打ってない?あ、私はヤン」
ヤンは心配しているのか空気を読まずに頭を打っていないか聞くが、ブレイクに肘で殴られて自己紹介をする。
「俺は五条悟、よろしく~」
「私は夏油傑だよ。よろしくね、ペニー」
チームRWBYに続いて悟と傑も自己紹介をする。
「お会いできてうれしいです!」
「それ、さっきも言ってたよね」
ペニーの発言に悟がツッコミを入れる。
「それじゃあ、またね」
ルビーがそう言い、皆が立ち去ろうとしたときペニーが口を開く。
「今、なんて言いました?」
「えっと、あの…」
「“またね”って言いましたよね?それってお友達になるってことですか?」
どんどん近づいてくるペニーにルビーは困惑する。さらにその上、友達になろうなんて言われたので余計に困惑した様子だった。
「う…うん、そうだよ」
後ろでワイス達が違うとジェスチャーを送っていたが、ルビーが真逆を言ってしまったので3人が倒れこむ。*4
そして、ペニーは友達が初めてできて喜んでいるようだった。
「…で、あなた何をしにヴェイルに来たの?」
ヤンが問う。
「トーナメントで戦うために来ました!!」
「君もトーナメントに出るんだ。いやぁ、凄いね君。学長に見せたら驚きそうだよ。」
「学長?オズピン教授のこと?」
「いや、こっちの話」
悟はペニーを見て何かに気付いたようだ。悟の“学長”という言葉にルビーはオズピンのことだと思ったようだが、それは夜蛾正道のことであり悟はそれを誤魔化した。
そんな話をしていると隣でワイスとブレイクが何やら口論になっていた。どうやら先ほどのファウナスについてのことらしい。
「彼もいずれはホワイトファングのファウナス達の仲間入りでしょうね」
「本当に何も知らないガキね!!」
ワイスの言葉にブレイクは怒りを爆発させる。
「ブレイク、流石に今のはないんじゃない?言葉は時に誰かを傷つけるナイフにだってなり得るんだし」
「悟、日常的に他人を煽ってる君が言うのは説得力がないよ」*5
「確かに正論だね」
悟がブレイクを嗜めようとするが、傑に君だと説得力がないと言われた挙句ルビーにまで肯定されたせいで悟は黙ってしまった。
*****
翌日の朝、悟と傑はヤンから昨日の夜までワイスとブレイクが喧嘩を続けていたこと、そしてブレイクがどこかへ消えてしまったことを聞いた。
「いや、まさかこんなことになるとはね。私たちはどうする?」
傑が悟に言う。
「なんとなく喧嘩始めた時点でこうなるかもなとは思ってたんだけどな。とりあえずスイーツ店の中にいないか見てみようぜ」
「悟、それはただ君が行きたいだけだろう?」
「いやぁ、バレた?」
悟はこの混乱の中でもスイーツ店に行こうとしていたが傑にはお見通しであった。
「じゃ、ちょっくら行ってくるか。行くぞ、傑」
そう言って悟は部屋から出ていく。それを追って傑も部屋を出る。
「また後でね、ヤン。ないとは思うがもし見つけたら連絡するよ」
「うん。気を付けてね」
この時、誰も知らなかった。これから悟と傑が行くこととなるスイーツ店に本当にブレイクが居たことを。
*****
あれから30分後のことである。悟と傑は今、ブレイクと昨日のファウナス、サンが座っている席から少し離れた場所でソフトクリームを食べていた。こうなった訳は今から10分前に遡る。二人は予定通りスイーツ店に入ろうとした。その時、なんと二階にブレイクの姿が見えたのである。
「サン、あなたホワイトファングについて知ってる?」
「当然!奴らのこと知らねぇファウナスなんていねぇだろ」
(これはヤンに今すぐ電話すべきか?いや、もしこれに気付かれてブレイクに逃げられても面倒だしね。暫く様子見しておこうか…)
傑はブレイクとサンの会話を聞きながら連絡すべきか迷った末、一旦様子見することにした。
(へぇ、ブレイクって元ホワイトファングだったのか。それにホワイトファングは元は平和的な活動をしてたのか…って移動すんの!?)
(悟、彼女たちは呪霊に追跡させている。だから、気づかれないように追おうか)
頭の中でブレイクの話していた内容を整理しているとブレイク達がスイーツ店を立ち去ろうとするので二人も店を後にした。ちなみにこの時、二人の頭の中から連絡するということはすでに抜け落ちていた。それから暫く気づかれないように追跡していると、ブレイクとサンがホワイトファングが強盗に関わっていないか次の現場になりそうな場所に先回りするという話を始めた。
(結構いい考えじゃん。でも、少人数でそんなところに行くのは少し危なくねぇか?)
(一応、私たちも控えておこう。彼女たちだけではホワイトファングと戦うには分が悪い)
ブレイク達だけでホワイトファングと戦うのは分が悪いと判断した悟と傑はこっそりバレないところからブレイク達の作戦に参加することに決めた。
その日の夜、ブレイクとサン(とこっそりついてきた悟と傑)はとあるシュニー・ダスト・カンパニーの所有する貨物置場に来ていた。
(意外とまだ来ないな。もしかして読み外したんじゃねぇだろうな…)
(…だといいんだけどね。)
少し離れた場所から見ていた悟がそう思った時、上から強い光が差し込んでくる。
(どうやら来たみたいだな。…やっぱりホワイトファングだったのか)
(待て、悟。ホワイトファングに誰かが命令しているぞ。)
ホワイトファングの構成員たちが飛行船から降り、そして誰かに命令されてダストを船に運ぼうとしていた。しかし、それは飛び出していったブレイクにより妨害された。
「俺達が行けば10秒かからずに制圧できるけどそれじゃあ彼女にとって経験にならないからね。まずはお手並み拝見と行こうか」
*****
あれから数分が経ち、ブレイクとサンは劣勢に立たされていた。
「なかなか頑張った方だと思うんだけどね…そろそろかな」
「悟、君が戦えば近くのダストを巻き込んで大きな被害が出る。だからここは私に任せてくれ。」
そういって傑は隠れていたコンテナの上からローマン・トーチウィックの傍に飛び降りる。
「まだ仲間が隠れてたのか?」
「いや、勝手に彼女たちの後をつけてきただけだよ」
ローマンは突如現れた傑に驚くこともなく反応する。
「次はお前が相手か?」
「いや、君の相手は私じゃないよ。任せたよ、“真人”」
そう言って夏油は真人を呼び出す。
「はいはい、夏油ってホント
生前夏油が取り込んでいないはずの真人を夏油が使役できているのにはとある理由がある。傑が転生した際に"夏油傑”と呪術的な因果を持つ呪霊が傑の支配下に入った。ここで言う"夏油傑”とは単に人間としての傑を指しているのではなく呪術的な意味での"夏油傑”である。もちろん、そこには羂索に乗っ取られていた時の"夏油傑”も含まれる。つまり、羂索に乗っ取られていた時も含めた"夏油傑”と呪術的な因果を持つ呪霊が傑の支配下に入ったのである。
「すまない。君以外の呪霊だと見た目で目立って余計な騒ぎを起こすかもしれないしね。あと殺すなよ、後で情報を聞き出す。」
「話は以上か?前髪君とツギハギ男」
そう言ってローマンは夏油の方へ近づいていく。しかし、真人の攻撃、多重魂撥体がローマンを吹き飛ばす。
「人間は殺すなって言われたから動物…その辺にいた鳥で試してみたけど上手くいったね。」
「…真人。彼、なかなか出てこないけどまさか殺してはないよね?」
「手加減したし死んではないんじゃない?…多分。」
しかし、どれだけ待ってもローマンが戻ってこないので傑はローマンの安否を確認する。
「どうだった?」
真人が夏油に聞く。
「逃げられてたね。多分、正面から戦うのは分が悪いと判断したんじゃないか」
「何それ、つまんな~。俺的にはもう少し遊びたかったんだけど」
傑は文句を言っている真人を戻す。
「どうやら一筋縄ではいかないようだな、傑」
「そうだね、悟…ってヤン達も一緒なのかい?」
ローマンの撃退に成功した傑のもとへ悟がやってくる。その隣にはヤンやルビー、ワイス、ブレイク、そしてサンの姿もあった。
「無事に仲直りできたみたいだな。いやー、さっきまではペニーも一緒だったんだけどいつの間にかいなくなってたよ。」
「じゃあ、そろそろ帰ろうか…ビーコンアカデミーに」
*****
「あの日から自分に言い聞かせている。私が見たものは何も珍しくない周知の醜悪。知った上で私は術師として人々を救う選択をしてきたはずだ。」
「ブレるな…
その日、朝になっても傑が起きることはなかった。
次回は氷雪帝国編なんですがジョーン編はカットされます(原作通りのカーディンルートを通っているので…)
もちろん今回も七海建人の用語解説コーナーやります
七海「またこの仕事を任されました。……今回は、オーラについての解説です」
灰原「七海!前にセンブランスの時にオーラって出てきたけど……あれって呪力みたいなものなの?」
七海「いえ、それは少し違います。オーラは、魂の保護膜。防御や治癒に使われる、いわば“魂の盾”のようなものですね」
灰原「魂の……盾!?」
七海「呪力は“負の感情”が源で、攻撃的・能動的な力ですが、オーラは人やファウナスが生まれ持つ“魂”を顕現させた、受動的な力です。性質が根本から異なっています」
灰原「そっかぁ……じゃあ、オーラの色が人によって違うのも、魂に関係あるってこと?」
七海「はい。その通りです。ピュラ・ニコスさんのオーラは赤、ブレイク・ベラドンナさんは紫……魂の個性が色に反映されると考えられています」
灰原「なるほど~!それって、真人の呪力が紫、乙骨君が桃色、虎杖君が水色って感じの違いに似てるのかな?」
七海「……まあ、厳密には違いますが、そう思っておけば混乱はしないでしょう」
灰原「じゃあ、オーラって具体的に何に使うのかな?呪力は攻撃や強化に使えるけど……」
七海「主に防御ですね。オーラが残っている限り、致命傷を防ぎます。痛みや熱は感じるようですが、直接の傷はつかない。さらに、自然治癒能力もあるようです」
灰原「めっちゃ便利じゃん!」
七海「ただし限界はあります。オーラが尽きれば、当然ながら生身になりますから」
灰原「そ、それって呪力切れと同じだ……。あ、そういえば!ダストってオーラがないと使えないって聞いたけど本当?」
七海「はい。人間やファウナスがダストを使用するには、オーラの発動が前提です。魂を通じて自然エネルギーを制御するわけですね」
灰原「え〜〜!呪力じゃダスト使えないかな!?燃える鉈で呪霊をズバッと斬る七海とか、超カッコいいと思うよ!」
七海「……検証のために手元にダストを用意する気にはなりませんね。そういうことは、五条さんたちに任せましょう」
七海「──もっとも、あの人たちが“ダスト”などに頼る必要があるとも思えませんが」