悪魔と呼ばれ慣れて 2nd   作:ボルメテウスさん

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前回の第1部から続き、第2部。
今作の舞台となる『僕のヒーローアカデミア』。
ただ、作風としては、『ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミアILLEGALS-』に近いかもしれません。
また、本作に関連した活動報告も行う予定ですので、興味がある方はぜひ!


あくまでもヒーロー(ツカサ)

夕暮れの街角。

 

人通りの少ない路地裏で、一人の男がいた。

 

周囲には、誰もおらず、男は何かに取り憑かれたような表情で

 

手に持つ不気味な物を見つめている。

 

「これで……俺も強くなれる……」

 

男は震える手で装置を自分の胸に押し付けた。

 

装置から青白い光が放たれ、男の体を包み込む。

 

「うあああああっ!」

 

男の叫び声とともに、彼の体が変形し始めた。

 

男の体が変形する様子は凄まじかった。

 

皮膚は硬質化し、灰色がかった金属のような質感へと変わっていく。

 

衣服は引き裂かれ、筋肉が膨張する。

 

「うわぁぁっ!何だこれっ!体が!」

 

男の顔も異形へと変貌していく。

 

額から鋭い角が二本生え、目は赤く光り始めている。

 

口元が大きく裂け、牙のような歯が覗いている。

 

「こ、これが……俺の……新しい姿なのか……?」

 

変形が完了すると、男は自らの両手を見る。

 

かつての人間の手とは違う。

 

長い指先には鋭い爪が伸びている。指の関節から関節まで、金属質の外骨格が覆っている。

 

「ははは……これが俺の力か……!」

 

男の体から青白い電流のようなものが迸る。

 

「すごい……今まで感じたことがないほど力が湧いてくる……!」

 

彼は拳を握り締めると、力強く地面を踏みしめた。

 

「こんな力を持った俺は……もう誰にも負けない……!」

 

男の変身が完全に終わると、彼の姿は完全に人間離れしていた。

 

背中には小さな蝙蝠のような羽が生えている。

 

全身が灰色の金属質の外骨格に覆われ、腰回りは昆虫のような節がある。

 

自然と、自分の名が理解出来た。

 

「ズ・グムン・バ……それが俺の新しい名前か……」

 

彼は両手を広げると、全身から赤黒いエネルギーを放出した。

 

周囲の空気が振動し、建物のガラス窓が微かに揺れる。

 

「この力で……俺は何でもできるんだ……!」

 

興奮に満ちた声でそう言う共に、高笑いを上げた。

 

ズ・グムン・バの狂気に満ちた笑いが路地裏に響き渡る中、突如として人影が現れた。

 

「誰だ?」

 

ズ・グムン・バは振り返り、薄暗い路地の入り口に立つ人影を凝視した。その人物は黒を基調としたコートを羽織り、腰には特徴的なベルト——ネオディケイドライバーが装着されていた。

 

「なるほど、これがこの世界で行うべき役目という訳か」

 

冷静な声が響く。男の顔はまだ見えないが、ズ・グムン・バにはその気配から強者だと感じ取れた。

 

「誰だお前は?」

 

ズ・グムン・バは威嚇するように爪を伸ばした。

 

「まあいい。どうせ最初の餌だ」

 

彼は両腕を広げると、赤黒いエネルギーを集束させ始める。全身から発せられる熱が周囲の空気を歪ませる。

 

黒衣の男は静かに懐から一枚のカードを取り出した。

 

そのカードには「KAMEN RIDE」の文字が浮かび上がっている。

 

「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ」

 

彼はそう呟くと、カードを素早くネオディケイドライバーに装填した。

 

「変身!」『KAMENRIDE_DECADE!』

 

鳴り響く音声と共に、彼の周囲には幾重の幻影が現れる。

 

幻影は、そのまま男の身体に重なっていき、やがて、顔に刻み込まれたのはバーコード。

 

マゼンダ色の鎧を身に纏ったその戦士の名を、ズ・グムン・バは知らない。

 

だが。

 

「ははぁ!まるで知らないサポートアイテムだが、今の俺には関係ない!!」

 

ズ・グムン・バはその叫びと共に口から蜘蛛の糸を吐く。

 

しかし、仮面ライダーディケイドはそれを軽々とかわすと、腰のライドブッカーから新たなカードを抜き出す。

 

「さっさと片づける」

 

ディケイドはカードを再び装填する。

 

『ATTACKRIDE_SLASH!』

 

装填されると共に、ネオディケイドライバーから鳴り響く音声と共にライドブッカーから伸びた刀身が迫る糸を切り裂いた。

 

ディケイドはライドブッカーを剣に変形させると、一瞬のうちに距離を詰めた。

 

「速い!」

 

ズ・グムン・バは驚愕しながらも反応し、金属質の腕で剣を防ごうとした。

 

ガキンッ!

 

激しい衝突音と共に火花が散る。しかし、予想以上の衝撃にズ・グムン・バの腕が軋んだ。

 

「この程度で!」

 

彼は怒りに満ちた声で叫ぶと、空中に跳び上がった。

 

「これが俺の新しい力だ!」

 

上空から急降下するように爪を立てた拳を振り下ろす。だが、ディケイドは既に姿を消していた。

 

「どこへ……?」

 

その瞬間、背後から鋭い痛みが走った。振り向くと、ディケイドが静かに立っている。

 

「甘い」

 

ディケイドは冷淡に呟くと、ライドブッカーで斬りかかった。ズ・グムン・バは咄嗟に腕を交差させて防御するが、鎧の一部が削り取られる。

 

「なっ……こんな!」

 

驚きの声を上げる彼に対し、ディケイドは一歩も引かない。再び距離を詰めると、連続で剣を振るう。

 

「ぐあっ!こいつ……ただ者じゃない!」

 

ズ・グムン・バは防御に専念するしかない状況に追い込まれていた。彼の自信に満ちた表情が徐々に焦りへと変わる。

 

「グロンギには、こいつだ」

 

ディケイドは新たなカードを取り出し、ネオディケイドライバーに装填した。

 

『KAMENRIDE_KUUGA!』

 

光がディケイドを包み込み、その姿が変容していく。赤と銀の装甲に身を包み、額には複眼が輝く。

 

「クウガ?」

 

ズ・グムン・バは初めて見る姿に戸惑いながらも、直感的に危険を感じ取っていた。彼の体が本能的に震える。

 

「くそっ!何だってんだ!」

 

ズ・グムン・バは怒りに任せ、背中の羽を広げて低空飛行で突進してきた。

 

ディケイドクウガは冷静に構えると、敵の動きを見極める。

 

「遅い」

 

ズ・グムン・バの拳が空を切る。ディケイドクウガは一瞬で彼の脇をすり抜け、強烈な蹴りを放った。

 

「ぐあっ!」

 

ズ・グムン・バの金属質の外骨格が音を立てて砕け散る。彼は壁に叩きつけられ、膝をついた。

 

「こんなはずじゃ……俺の力は……」

 

ズ・グムン・バは混乱していた。強化された自分の肉体が、まるで子供扱いされているような感覚だった。

 

「自分の力も信じられない奴が、別の誰かの力を使いこなせる訳ないだろ」

 

その言葉と共に、ディケイドクウガは素早く新たなカードを取り出した。

 

『FINALATTACKRIDE_KU_KU_KU_KUUGA!』

 

金色の光の粒子がディケイドクウガを取り巻き、彼の右足に集中する。青く輝く炎のようなエネルギーが宿る。

 

「これが本当の力だ」

 

ディケイドクウガは跳躍し、空中で体を丸めた。太陽を背にした彼の姿が一瞬で大きくなり、ズ・グムン・バに向かって急降下する。

 

「ま、待て!こんなはずじゃ……」

 

ズ・グムン・バは恐怖に顔を歪めながら両腕を交差させたが、ディケイドクウガの放つマイティキックは彼の防御を粉砕した。衝撃波が周囲の建物を揺らし、地面に亀裂が走る。

 

「ぐああああっ!!」

 

ズ・グムン・バの体が爆発的な光に包まれ、その輪郭が歪んでいく。金属質の外骨格が溶け崩れ、彼の体は灰のように散っていく。

 

「こんな……こんな終わりなんて……」

 

最期の言葉と共に、ズ・グムン・バは完全に消滅した。

 

爆煙の中から現れたのは、ズ・グムン・バに変身する前の男。

 

男の手元には、ズ・グムン・バへと変身した時に使われたと思われるアイテムが転がっていた。

 

それは既に機能を停止し、ただの壊れた機械部品のように見える。

 

周囲の破壊された路地を見渡した後、ディケイドは元の姿に戻った男に近づいた。

 

男は気を失って倒れているが、生命に別状はないようだ。

 

「これが、この世界の歪みの一つか」

 

ディケイドは男の手から壊れた変身装置を拾い上げ、一瞥すると放り捨てた。

 

数分後、現場に来た警察に男を引き渡した後、そのまま去っていた。

 

次元ヒーロー・ディケイド。

 

個性・オーロラカーテン。

 

光の帯を使って瞬時に場所を移動できる能力。

 

自分自身だけじゃなくて、周囲の人間も同時に移動出来る為に、戦闘や救助など、幅広い活躍する事が出来る為に、様々な現場で呼ばれるヒーローである。

 

しかし、他のヒーローの様な知名度はそれ程高くなく、ヒーロー達や一般人からもあまり注目されていなかった。

 

彼の本質は違う。

 

「俺の役目は……この世界を守る事か」

 

ディケイドは静かに呟いた。

 

仮面の下にある表情は誰にも見せることはない。

 

彼の本当の姿は「世界の破壊者」である。

3rd舞台となる世界は?

  • 魔法少女リリカルなのは
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • アカメが斬る!
  • ブルーアーカイブ
  • 戦隊レッド異世界で冒険者になる
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