瓦礫の山と化した工業地帯。
空は薄暗く、煙が立ち込める中、激しい衝撃音が響き渡る。
「くそっ、これじゃあ埒があかない!」
シンリンカムイは、そう呟きながら、眼前にいるヴィランに対して、思わず呟く。
その場にはシンリンカムイ以外にもデステゴロ、Mt.レディなど数多くのプロヒーロー達が倒れている
「他のプロヒーロー達は、まだ来れないのかっ」
そうしながら、シンリンカムイは目の前の怪人を見る。
それは一言で言えば『狼』の姿をした巨大な怪物だ。
いや——それは正確ではない。
それは人の姿をしているが、全身に金と銀の獣のような鎧を纏い、その顔は牙を剥き出しにした獣の髑髏そのものだった。
その怪物の名はケルベロス。
本来ならば、この世界に存在しない不死の生命体だ。
「だが、退く訳にはっ」
そうしながら、シンリンカムイが、その腕を真っ直ぐとケルベロスに伸ばす。
そして木で出来た無数の腕がケルベロスを束縛しようと迫るが——
「無駄だ」
ケルベロスの背後にある蛇のような尾が蠢く。
そして瞬時にその姿が消えた。
「何ッ!?」
シンリンカムイが驚愕する。
次の瞬間、彼の背後に回り込んだケルベロスの爪が振り下ろされようとしていた。
「邪魔ぁぁ!!」
その叫び声と共に、ケルベロスはその叫び声と共に降りかかった蹴り。
それによって、ケルベロスは大きく吹き飛ばされた。
「えっ、でっデルタ」
「あぁ、いたですか」
ケルベロスを吹き飛ばした後、デルタはそのままシンリンカムイを見つめる。
それ以外にも、既にプロヒーロー達が倒れているのが見えた。
だが、デルタは気にしなかった。
「まぁ良いです。さっさとこいつを片付けるです」
「片付けるって、何を言っているんだ」
その言葉の意味に少なくともシンリンカムイは疑問でしかなかった。
この惨状を生み出した存在であるケルベロスに対して。
すると、デルタは。
「とりあえず、お前は邪魔!」「えっ」
それと共に、デルタはシンリンカムイを尻尾で攻撃した。
突然の不意打ちに対して、対処する事は出来ずに、シンリンカムイはそのまま気絶してしまう。
それによって、その場には、ケルベロスとデルタ以外は既に意識がある者はいない。
「ぇっ」
その行動にケルベロスは戸惑いを隠せなかった。
対して、デルタは。
「こいつは、デルタの獲物ですからぁ!」『Delta』
鳴り響く音声。
それは、デルタの手元には、プログライズキー。
本来、存在しないプログライズキーであるデルタウルフゼツメライズキーを起動させる。
その、最大の特徴は、まるでスタンガンを思わせる先端パーツがある事。
『LASER RAISE RISER』
同時にデルタが懐から取り出したのは、レーザーレイズライザー。
そのレーザーレイズライザーに、デルタウルフゼツメライズキーを装填する。
『DELTA SET!』
それにより、本来の形とは大きく異なったレーザーレイズライザーが、完成する。
そして。
「変身!!」『LASER ONDELTA LOADING!』
鳴り響く音声と共に、デルタの身体は、レーザーレイズライザーから出てきた黒い粒子によって身体を覆う。
それは、先程までのスーツとは全く異なる装甲。
同時に、その顔に装着したのは、かつて、デルタが変身していたバルカンを思わせるマスク。
だが、全体的には、よりダークブルーな配色に塗られている。
それはまさしく、デルタの為のバルカン。
その名こそ、仮面ライダーデルタバルカンである。
「なんだっそれは」
新たに現れた、その姿に、ケルベロスは、怯む。
対して、デルタは、既に構えていた。
『READY FIGHT』
音声が響き渡った瞬間、デルタの両腕が変形し、巨大なダークブルーの爪が形成される。その爪はまるで獣の牙のように鋭く尖り、鋼鉄をも切り裂く光沢を放っていた。
「行くです!」
デルタバルカンの掛け声とともに、その姿が消える。
超高速の動きでケルベロスの背後に回り込んだデルタは、鋭い爪を振り下ろす。しかしケルベロスもただのヴィランではない。
彼は瞬時に反応し、両腕の交差させて防御態勢を取った。
「ぐっ……!」
衝撃波が周囲に広がり、廃工場の壁が崩れ落ちる。
ケルベロスの装甲に深い傷が刻まれたが、すぐに修復し始める。その不死性が恐るべき力となって現れていた。
「おぉ、すぐに治ったですか」
それに対して、デルタは感心したような声を出して。
「これだったら、満足出来るまで狩りが出来るです」
仮面の下に狂喜を浮かべながら、デルタは再び接近。
その動きは、まさに野生の獣そのものだ。直線的な動きは一切なく、予測不能な軌道を描きながら、ケルベロスを翻弄していく。
「なんだよっこいつは」
ケルベロスはそう呟きながらも、その三つの頭部全てでデルタの動きを捉えようと奮闘している。だが、デルタの動きはそれらの視覚情報を上回る速度だった。
デルタはケルベロスの攻撃の隙を突き、一瞬のうちに背後に回り込む。背後からの爪の一撃が決まりかけた瞬間——
「甘い!」
ケルベロスの尾が鞭のようにしなり、デルタの足首を絡め取った。
「おっと」
驚いたように声を上げるデルタだが、即座に反応。逆にその拘束を利用して自らを回転させ、ケルベロスの尾を両手の爪で切断した。
「ぐぁっ!」
ケルベロスの悲鳴が響く。
「不死身と言えど、痛みはあるみたいですねぇ」
デルタは冷静に分析しながらも、さらに攻撃を続ける。
レーザーレイズライザーから発射される青白い光弾がケルベロスの装甲を次々と貫いていく。
ケルベロスも黙ってはいない。
「負けてたまるかっ恩を返すまではっ」
そう言いながら、ケルベロスは体内から青い炎を放出し始めた。
「おやおや、火炎放射ですか。面白そうです!」
デルタは興奮気味に言いながら、レーザーレイズライザーを腰のホルスターに戻し、両手の爪を大きく広げる。
「受けて立つです!」
そして二人の戦いはさらに激しさを増していく。デルタの素早い動きと巧みな戦術に対し、ケルベロスは自身の不死性と力強い攻撃で対抗する。
周囲の建物は完全に崩壊し、煙と火花が舞い上がる中での死闘。
互いの爪と牙がぶつかり合い、火花を散らす度に爆発音が響く。
「デルタ……貴様一体何者だ……?!」
「一応、ヒーローですけど、どうでも良いです!」
そうして、デルタは、そのままケルベロスを蹴り飛ばすと同時に。
『FINISH MODE!LASER VICTORY』
鳴り響く音声と共に、デルタの両腕の爪が赤い光で輝かせる。
デルタの両腕から放たれる連続攻撃は、まるで嵐のような激しさだった。ケルベロスの身体は宙に浮き上がり、何度も地面に叩きつけられる。
「うわぁぁぁ!!」
ケルベロスの絶叫が響き渡る。
その攻撃の一つ一つが強烈な衝撃を与え、ケルベロスの不死性を徐々に蝕んでいく。
「もう終わりです」
デルタの声は冷淡だった。
彼は右腕に更なる力を集中させ、最後の一撃を準備する。
「ガァァァ」
右腕から放たれる強烈なエネルギーが、ケルベロスの胸部を直撃。
ケルベロスの身体は最後の抵抗を見せたが、それは無駄だった。
「ぐっ……」
ケルベロスの身体は光に包まれ、ゆっくりと崩壊していく。
「お前の仲間は……皆んな……」
その言葉を最後に、ケルベロスの変身は解除され、元の人間に戻る。
「・・・あっ、気絶しちゃったです」
それを見て、デルタは慌てる。
「あぁ、どうしよう!ボスからなんか変な奴らが動いているから、そいつらからなんか聞けって言われていたけど」
そうして、デルタは、頭を抱えた。
僅かに悩んだ結果。
「ぼっボスは、正直に言えばデルタを許してくれるです!それに、ボスはこいつらの群れを壊滅しろと言っていたから、デルタが全員倒せば、ボスに褒められる!うん!」
まるで、自己肯定と言える言葉と共に告げる。
暴君ヒーロー、デルタ。
だが、それは表の顔だけ。
現在の彼女は、謎の怪人軍団を追う狼。
ただし、その理由は、すっかりと忘れている。
今回、出てきたデルタバルカンは、人見知りさんの応募作品をデルタバルカンを元に作成しました。
ただ、元の案は
『ブーストレイズバックルマークⅡのようなドライバー…ブーストレイズドライバー+デルタウルフゼツメライズキーで変身するダークブルー(差し色でマゼンタ)のライダー』
ブーストレイズバックルⅡだけのドライバーにプログライズキーを装填しても、IDコアの部分が邪魔になると考えた為、ブーストレイズバックルⅡの部分をレーザーレイズライザーに変更しました。
なので、デルタウルフゼツメライズキーは、アサルトグリップのように銃口になったパーツが装着され、そこからユナイトグリップとレイズライザーカードの代わりになるように考え、変更しました。
3rd舞台となる世界は?
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魔法少女リリカルなのは
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魔法少女まどか☆マギカ
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アカメが斬る!
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ブルーアーカイブ
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戦隊レッド異世界で冒険者になる