「おいおい、そんな態度でよく公安委員会に勤められたもんだね」
ゼータがわざとらしく肩をすくめる。ナガンは冷たい目で睨みつけた。
「あの組織がそんな綺麗事だけで成り立ってると思う?」
「まあね。僕たちだって同じ穴の狢さ」
ゼータたちは夜の繁華街に溶け込んでいた。変装は完璧だが、内心は別の意味で緊張している。ターゲットが現れるという廃ビルの屋上に潜む二人の呼吸音だけが聞こえる。
「来た」
ナガンの低い声が耳元で響く。視線の先には黒いコートの女が佇んでいた。月明かりに浮かぶシルエットは異様な威圧感を放っている。コートの裾が風に揺れ、何かを隠しているようにも見えた。
「こんばんは。新しい商品を探してるって噂は本当?」
女の声は意外にも柔らかい。だがその瞳は氷のように冷たい。ナガンが一歩前に出る。
「あら、見かけない顔ね」
「最近、こっちに来たのよ。まぁ、紹介状はこれだよ」
こちらを怪しむ女に対して、ゼータはその手に招待状を渡す。
「ほう、これがあなたのボスの招待状と」
「あぁ」
そうして、渡された封筒の中身を見ては、少し笑みを浮かべる。
「これを持って来る人なんていないと思っていたわ。へぇ貴女達が」
それと共に、近くに置いてあった木箱を開ける。
「これなら少しは楽しめるかしら」
「っ!」
木箱の蓋が外される。
そうして見えた中身は大量の銃弾が入っていた。
「これが私からの贈り物よ」
「贈り物?」
ゼータは怪訝な表情を浮かべる。しかしナガンは警戒を強めた。
「どういう意味だい?」
ゼータは平静を装いながら尋ねる。女は愉快そうに笑った。
「この弾丸は特別製でね。通常の弾丸とは全く違うのよ」
女の説明にゼータが食いつく。
「何が特別なんだい?」
「あら。知らないの?個性を破壊する銃弾」
「っ」
ナガンは息を飲む。ゼータも思わず目を見開いた。女は続けた。
「これを使えばどんな個性持ちだって無力化できる。最高の兵器でしょう?」
「個性を破壊する銃弾?そんなものが」
ゼータが疑わしげに言うと、女は嘲笑した。
「信じられないなら試してみたら?ほら」
女が手を差し出すと、ゼータは躊躇なく銃を構える。一触即発の空気が流れる中、ゼータは冷静に観察する。この女は何者なのか。なぜこんな危険なものを売ろうとしているのか。
「……目的は何だい」
ゼータが低い声で問い質すと、女は妖艶に微笑む。
「ただの商売よ。だけどあなたたちには特別価格で提供してあげるわ」
「その見返りに何を要求する?」
ナガンが鋭く切り返す。女は一瞬だけ真剣な表情を見せた後、再び笑顔に戻る。
「死穢八斎會について教えて欲しいの。彼らが最近動き始めた理由とね」
ゼータは互いに視線を交わす。罠か本音か読み取れない。だがここで引くわけにはいかない。ゼータたちは慎重に言葉を選ぶ必要がある。
「情報はいくらで買ってくれる?」
ゼータが聞くと、女は指を一本立ててみせる。
「百万円でどう?」
「随分安いな」
ゼータが冷笑する。女は肩をすくめた。
「あなたたちにとっては価値があるでしょ?これを持ってきてくれた時点で」
そう言いながら、封筒を渡す。
封筒の内容を見た瞬間、ナガンの表情が変わる。
「……これって」
「えぇ。君達が探っている死穢八斎會の幹部リスト。しかも最新版」
ゼータ達は思わず顔を見合わせる。確かに死穢八斎會の重要な情報が記されていた。
しかし同時に疑念も湧く。
「なんで、そんなのを私に渡そうとするの?そっちにとっては大切な顧客でしょ」
「ふふっ、さぁ、どうでしょうね」
そうしていると、ナガンが見つめた先。
そこには。
「そこに隠してるの、何かしら」
僅かな動作で、その正体を理解した。
「バレてしまった以上はね」
同時にその人物は、瞬時にその姿が変わる。
その姿は、ゼータの知識の中で、ヴァルゴ・ゾディアーツだと理解する。
それを見たゼータも。
「本当にね、こういう事ばっかり」
ゼータもまた、既にドライバーを腰に巻き、
3rd舞台となる世界は?
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