悪魔と呼ばれ慣れて 2nd   作:ボルメテウスさん

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ベストマッチ?なコンビ

暗い裏路地にピンク色の閃光が走る。ヴァルゴ・ゾディアーツが作り出した空間の裂け目が、闇の中に浮かび上がった。ゼータは咄嗟にウィザーソードガンを構え、トリガーを引く。紫電が夜を切り裂き、標的を追う。

 

「逃がさない」

 

ヴァルゴが笑う。

 

「無駄よ。私の領域はもう完成している」

 

宣言通り、彼女は空間を捻じ曲げた。ゼータの眼前にいたはずの敵が突如として消失し、遥か後方に現れる。周囲の壁が歪み、重力が乱れる感覚。まるで異世界に迷い込んだようだ。

 

「この狭さが私の武器なのよ」

 

ピンクの竜巻が夜空に舞い上がり、ヴァルゴを包み込む。瞬間移動の兆候だ。ゼータは咄嗟に跳躍し、側壁を蹴って宙返り。銃口を下に向けてトリガーを引く。

 

「甘いわ」

 

すでにヴァルゴは背後に立っていた。鎌状の触角が鞭のように唸る。

 

「時間をかけるのは好きじゃないの。さっさと終わらせて――」

 

言葉半ばで空間が砕け散る。ゼータが放った弾丸が命中したのだ。

 

「効かないわ」

 

「当然だ。だが隙は作った」

 

ゼータのウィザーソードガンの刃が展開された。

 

「本番はこれからだ」

 

刃が振り下ろされる。しかしヴァルゴは既にテレポートを完了させていた。今度はさらに距離を取り、住宅の屋根の上に立っている。

 

「賢明な判断だ。しかし……」

 

ゼータは静かにウィザーソードガンを構え直す。銃口に、周囲の空気が震え始めた。

 

「空間把握出来るなら、余裕だよ」

 

テレポート中のヴァルゴの体が一瞬だけ現実空間に浮かび上がる。

 

その刹那を逃さなかった。

 

ゼータが跳躍し、屋根に着地する。右手のウィザーソードガンから紫色の稲妻が迸り、ヴァルゴの周囲を囲む。

 

「無駄よ。これは私の専売特許」

 

ヴァルゴが嗤う。再び空間が歪む。ゼータの眼前から消え去った瞬間、彼女の背後の虚空から鎌が突き出される――はずだった。

 

「なっ!?」

 

ヴァルゴの背中で翼のような構造物が紅蓮に染まる。遥か離れた路地裏の影から放たれたレディ・ナガンの狙撃。その一筋の赤い閃光が正確に翼を貫いていた。

 

「バカな……いつの間に!」

 

焦燥に駆られたヴァルゴが咄嗟にテレポートを起動。ピンクの竜巻が形成され始める。狙いはもちろん狙撃手――ナガンの方だ。

 

(読まれている……!)

 

背後の虚空へ吸い込まれそうになるヴァルゴ。だがゼータは既に動いていた。

 

「遅すぎるよ」

 

冷徹に宣告し、足首を回転させる。

 

『Teardrop IMPACT』

 

電子音声が轟く。

 

「喰らいなさい」

 

右足が銀糸を引いて旋回する。それと同時に、真珠を思わせる七色の粒子が炸裂した。螺旋を描く軌跡に沿って、無数の煌きがヴァルゴを飲み込む。

 

「ギャアアアッ!?」

 

鈍い悲鳴が夜気を切り裂く。彼女の肢体は半円を描いて吹き飛び、煤けた壁面に激突して沈黙した。

 

「……気絶、か」

 

確認のために近づくと、彼女の変身は既に解けている。黒いドレスが砂埃を被って悲惨な有様だ。

 

「ふう。一安心といったところか」

 

一息吐いて変身を解いたゼータはナガンに通信を入れる。

 

「首尾良く片付いたよ」

 

『そう』

 

無愛想な返答だが安堵の色が滲んでいる。

 

「さて。この女が持っている情報源を洗い出してもらおうか」

3rd舞台となる世界は?

  • 魔法少女リリカルなのは
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • アカメが斬る!
  • ブルーアーカイブ
  • 戦隊レッド異世界で冒険者になる
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