「へぇ、それで女王蜂ねぇ……」
ナックルダスターは顎を撫でながら言った。
雨が止みかけた曇り空の下、二人は街中を歩いていた。ナックルダスターの拳にはまだ雨粒が付いている。
「そうそう。何やらこの辺りで目撃情報があってね。でも証拠が少なくて……」
ゼータはスマホを操作しながら答えた。画面には女王蜂と思われる人物の写真が映っている。
「おいおい、これって……」
ナックルダスターが目を細めた瞬間。
「いやぁ、上手くいったねぇ、ラブラバ!」
「さすがはジェントルね!」
そんなゼータとナックルダスターが会話を行っている間に、二人の人物が通り過ぎる。
横を通り過ぎる内の一人は、まるで英国紳士風の風貌を装っている人物のジェントルと特徴的な大きな目、小柄な身長とツインテールの紅髪から見た目は少女のラブラバ。
その二人が丁度、ゼータの横を通り過ぎた。
「「あっ」」「へぇ」
ジェントルとラブラバの二人は、ゼータの姿を見た瞬間、固まる。
それと共にゼータは小さく笑みを浮かべながら、二人を見つめる。
その反応を見て、ナックルダスターは不思議そうな表情を見せながら首を傾げる。
「えっとさぁ。そっちはヴィランのジェントルとラブラバさんだよね。こんな所で何やってるのかなぁ?」
「「あ、あははははっ」」
笑い声をあげるジェントルとラブラバ。
二人共、明らかに挙動不審な状態となっている。
「いやぁ~その~ですねぇ~」
「わたくし達はただ散歩していただけですわぁ~」
そう言いながら、ゼータから目を逸らしながらゆっくりと下がるジェントルとラブラバ。
「散歩にしては、随分と人通りの少ない所を散歩するんだね」
「あっ!?あははっ!そうです!ちょっとした観光!観光ですわ!!」
「観光ならもっと良い所を案内するけどねぇ」
「いえいえ!結構!結構ですので!」
「遠慮しなくていいのにぃ。そうだなぁ。例えば警察署とか」
「あああああああっ!?!?!?」
ゼータの発言に対して悲鳴のような声を上げるジェントルとラブラバ。
その様子を見て満足げな表情となるゼータであった。
「おっとっと。どうしたんですかぁ。ジェントルさん」
「あははっ。何か問題でもありましたかぁ。ラブラバちゃん」
二人に近づきながらも楽しそうな様子のゼータであった。
「それじゃ、詳しい事を教えて貰いましょうかねぇ。何をやったのかなぁ」
そう言ってゼータは二人を掴んで引き寄せる。
ジェントルとラブラバは抵抗しようとするものの、力が違いすぎるために振り払うことが出来ない。
「いやいやいやっ!?何も悪いことはやってないですよ!?」
「そうですわ!?ただ普通にお買い物をしていただけですわ!?」
必死に否定する二人であったが、ゼータはそれを信じていない様子であった。
「まぁまぁ、落ち着きたまえ。まぁ、私はあまりネットに詳しくないからなぁ、ヒーロー活動をしているとはいえねぇ。けれど、もしもネットでヴィランが動画で暴れている様子なんて見たら、ヒーローとして捕まえなければいけないよねぇ」
まるで、全てを知っているようにゼータは呟く。
それに合わせて、ジェントルとラブラバは顔面蒼白になる。
「ねぇ、ジェントルさん。ラブラバちゃん。今更だけどさぁ。君たちってヴィランなんだよねぇ」
ゼータの言葉にガクガクブルブル震える二人。
「ああ……もうダメだぁ……」
「終わりましたわぁ……」
完全に諦めてしまった様子である。
その様子を見て、満足げに頷くゼータ。
「でもねぇ。別に逮捕する気はないんだよねぇ」
「「えっ!?」」
思いもしなかったゼータの言葉に驚愕するジェントルとラブラバ。
「ただし!条件付きだけどね」
そう言うとゼータはニヤリと笑みを浮かべたのであった。
「それじゃあ、ジェントルさん。ラブラバちゃん。よろしくお願いしますねぇ」
「「はいぃ……」」
こうして、四人は並んで歩くこととなった。
「…いや、こいつの方が思いっきりヴィランじゃねぇか」
3rd舞台となる世界は?
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魔法少女リリカルなのは
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魔法少女まどか☆マギカ
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アカメが斬る!
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戦隊レッド異世界で冒険者になる