ゼータが入手した銃弾。
その銃弾の中身をイータは解剖室で解体していく。
「…ふぅん」
イータが顕微鏡越しに目を細める。彼女の顔に感情の揺らぎはない。
「おいおい、イータちゃん、どうなんだよぉ、銃弾の正体は?」
それを後ろから手伝っている仁は疲労している状態だった。
ここ最近、死穢八斎會に関連した仕事を多く請け負っていており、疲れ切っていたからだ。
だが。
仁の声には苛立ちが混じっていた。しかしイータは意に介さない。ただ淡々とペン型注射器で銃弾の残留物を採取し続ける。
「ちょっと待ってね〜」
試薬を数滴垂らすと、溶液は黒から橙へと色を変えた。特殊な生体反応だ。さらにDNA解析機にかけて数秒後――表示された結果にイータは眉ひとつ動かさなかった。
「確定した」
「へ?」
仁は眉をひそめる。彼女の落ち着きが逆に不気味だった。
「これ、人間の血肉よ。しかも新鮮。つい最近採取したものね」
「っ!?」
「年代的には十代前半から中期あたりかしら? まだ若い女の子かも」
イータはモニターに映った断層画像を示す。確かに骨格形状や歯の萌出状態から見て少女の部位だと推測できる。
仁の顔色が変わった。目の前の光景が現実として認識されていない。
「待てよ……嘘だろ……」
喉仏が上下する。信じたくない現実が押し寄せてくる。
「嘘じゃない。事実よ。しかも――」
イータは冷めた口調で続けた。
「――個性因子が変質している。強制的に無効化された痕跡があるわね。拷問レベルの実験に晒された可能性が高い」
解析画面にはグリッド状に分割されたデータ群が羅列される。そのどれもが正常な遺伝子配列とは程遠い。
仁の拳が震え始める。彼はゆっくりと椅子から立ち上がった。
「……どういうことだよ」
「簡単よ。この弾丸は犠牲者の体を使って作られている。しかも生きたまま採取されたものね。死後硬直の兆候がないから」
イータは試験管を軽く振る。中で漂う赤黒い液体は新鮮な血液を思わせた。
「年齢からして十五歳前後。栄養状態から推測すると孤児院出身か家庭環境に問題があった子供の確率が高いね」
「…そんな事を、なんで」
「ヤクザは、そこまで落ちぶれているのか!」
そう叫ぶと同時に、その扉は蹴り飛ばしていた。
「五月蠅いよ」
「だけどよぉ!」
「ここで騒いで、どうにかなると思うの」
「ぐっ」
それに対して、仁は何も言えなかった。
「まぁ、何よりも今回は、君の個性、役に立つよ」
「…分かったよっ、こんな事っ絶対に止めないとっ」
3rd舞台となる世界は?
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