地下施設に足を踏み入れた瞬間、空気が一変した。壁面に埋め込まれた無数のケーブルが蠢くように脈動し、床からは微細な振動が伝わってくる。
(生命体そのものか)
天井を這う金属パイプが突然蛇のように曲がり、俺の退路を塞いだ。四方から迫る壁面が迫り出し、逃げ場を奪っていく。
「個別撃破が目的か」
通信機がノイズで途切れ、仲間の気配が完全に断たれた。完全な孤独──いや、敵の意思を感じる。壁の隙間から伸びた触手状の配管が俺を包囲する。
(この動き……明らかに何者かが直接操作している)
「誰だ」
静寂を破るように前方の暗がりで白衣が揺れた。レンズフレームの眼鏡が照明を反射し、研究員らしき男が佇んでいる。その手には複雑な装置が握られていた。
「ようこそ私の作品へ」
低く滑らかな声と共に施設全体が大きく揺れる。床から生えた金属柱が槍のように突き上げてきた。
「お前の仕業か」
「いえいえ、この施設の変化は私ではなく、協力者である彼らのおかげです。私個人はあなたに会う為に来たのです」
「・・・俺にだと?」
そう問われると。
「あなたの所のデルタ。彼女によって、私の組織は大打撃を受けた。だからこそ、その大元であるあなたの力を奪う事にしました」
「・・・お前1人で出来るとでも」
そう問いかけると。
「えぇ、条件があれば、だが分からない事があります」
「なんだ?」
「あの偽物だと思われる構成員。どのように操ったのですか?」
(奴の問いには罠がある)
施設全体が蠢くようなこの状況──地下迷宮の主であるこの男は、俺の能力を見極めようとしている。
「単純だ」
「単純?いやいや、偽物とはいえ、本物と変わらない思考の持ち主のはずだ。命令系統に従順でないとおかしいのだがね」
男は白衣の袖をめくりながら冷笑した。装置がまた一段階作動し、通路を封鎖するシャッターが降りていく。
「なぜ偽物が忠実に動いているのか、君の理論では説明できないのか」
俺は腰に手を当てたまま言い放つ。
「理論なんて、世界が変われば意味も変わるんだ」
男の眼鏡が閃光を反射する。
「面白い。つまり?」
「恐怖だ。時間をかける必要はない。だが数分あれば充分だ」
地下の配管がざわめき始めた。研究員の呼吸が荒くなる。
「偽物といえども、本物の記憶と感情を持っている。だからこそ──」
俺は一歩踏み出した。男は後ずさる。
「存在している全ての時間を使って脅し続けた。永遠に続くと錯覚するほどの」
「そんな事が、ヒーローであるあなたが言うのですか」
「・・・ある人が言った、悪を倒すためなら、どんなに汚れた泥でも被る。それが、本当のヒーローってもんだろ。まぁ、それも犠牲にしても良い理由じゃないがな」
それと共に。
「・・・これまで、既に分かっているだけでも、デルタ、ゼータ、イータの3人はヒーローとは思えない人物だと思っていた。けれど、ディケイドっあなたが一番に狂っている事がよく分かりました」
そうして、怪人スタンプを起動させ、そのまま自身に装填した。
そう、奴が変わったのは、皮肉にも悪魔。
リバイスの世界にいた怪人であるギフテクスだった。
「そうか、だったら、一気に行くか」
3rd舞台となる世界は?
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