悪魔と呼ばれ慣れて 2nd   作:ボルメテウスさん

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ゼータの潜入

壁面が蠢いた。コンクリートの表面に血管のような亀裂が走り、そこから灰色の触手が伸びる。ゼータの靴底が床を蹴る。一歩跳躍する間に天井が崩れ落ちた。

 

「……チッ」

 

舌打ちとともに宙返り。着地点の壁が急速に膨張し、彼女を押し潰そうとする。両手を突き出して瞬時に体勢を立て直し、膨らんだ壁面を蹴り抜いて前に跳ぶ。廊下の幅が突然狭まる。片足を支柱に絡ませて回転し、隙間を擦り抜ける。

 

通路が唐突に終わる。行き止まりだ。ゼータの背筋が凍る。後方から迫るコンクリートの波濤が彼女を飲み込もうとする。

 

(……!)

 

視界が赤く染まる。反射的にポケットから小型端末を投げた。端末が壁に激突した瞬間――閃光が炸裂した。目眩ましの閃光弾だ。爆音の中、ゼータは閃光の方向へ飛び込む。熱気のベールを突き破った刹那、眼前に新たな通路が開いていた。

 

「……ふん」

 

息を整えつつ走る。振り返れば閃光弾の閃光が収縮し、コンクリートが元の形に戻ろうとしている。奴が制御を誤った証拠だ。逃げきれた。

 

耳のインカムにツカサの声が届く。

 

『状況は?』

 

「問題なし。通路の形状変化頻度が減ってきた。管理してる奴の集中力が切れてきてる」

 

『……つまり中央制御室が近いな』

 

ゼータは頷く。視線の先でT字路が突然十字路へ変形する。中央から生えた鉄柱が四方に蜘蛛の巣状の棘を張り巡らす。だがゼータの速度は緩まない。壁と壁の間隙――わずか10センチ――を滑るように通過した。

 

背後で鉄柱が合体し完全な檻となり果てる。足元の床が沸騰した水のように泡立ち隆起し始めた。咄嗟に跳躍。天井まで届く尖塔が生まれる寸前で回避する。

 

「っ……!」

 

空中で身体を捻りながら前方を注視する。

 

そこには、壁に一体化している敵を見つける。

 

「こういうの見つけるのは昔から得意だからねっと」

 

そのままゼータはその人間に蹴りを叩きつける。

 

「グハァ!」

 

そうして蹴り飛ばされた男性は近くの壁に叩きつけられる。その男性は先ほどまで壁と一体化していたことから分かるように、ゼータが今まで苦しめられてきた地下施設を自由自在に変えてしまう犯人だった。

 

「本当にこういう細かい仕事を押しつけられるからねっと」

 

そうして、そのまま男を完全に気絶させると共に、周囲が変化しているのに気づく。

 

「さて、ツカサの方はまぁ、心配しなくても良いけど、あの馬鹿犬とイータが変な事をしなければ良いけど」

 

ゼータは呟きながらも、他のヒーローと連携を行う為に行動を始める。

3rd舞台となる世界は?

  • 魔法少女リリカルなのは
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • アカメが斬る!
  • ブルーアーカイブ
  • 戦隊レッド異世界で冒険者になる
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