ツカサ、ゼータ、デルタ。
三人が各々が戦闘を行っている最中、イータは一人だけ歩いていた。
彼女自身、積極的に動くタイプではなく、主に後方で支援する事の多い。
「まぁ、だからこそ、こうして見つける事が出来たんだけどねぇ」
「ほぅ」
イータは、そう何事もないように呟きながら眼前にいる今回の目的とした人物、オーバーホールを見つめる。
彼の近くには、護衛だと思われる組員が一人、そして今回の救出対象である壊理ちゃんがそこにいた。
「まさか、こうして会う事になるとはな、イータ。こんな形とはいえな」
「こんな形?」
疑問に答えるように、オーバーホールはゆっくりと答える。
「確かに……あなたの技術は素晴らしい」
オーバーホールの声は低く響き渡った。彼はイータの姿を一瞥すると、その口元に微かな笑みを浮かべた。
「数々の理論解析は見事だった。あのデータを手に入れたおかげで、我々の研究は飛躍的に進んだ」
イータは小さく肩をすくめた。
「ふーん……」
淡白な反応だが、その瞳は鋭くオーバーホールを見据えている。彼の周囲には異様な空気が漂っていた。何かが彼を取り巻き、その気配だけで圧倒されるようだった。
「だが……障害になるならば、話は別だ」
オーバーホールの目が冷たく光る。
「あなたたちのような存在が私たちの計画を妨害するなど許されない」
イータは静かに一歩前に踏み出した。
「それはこちらのセリフ。子どもを使って人体実験? そんなこと……絶対に許せない」
壊理という少女が恐怖に震える姿を見て、イータの胸中に怒りが湧き上がってくる。
「マッドサイエンティストとは言われているが、一応はヒーローのようだな」
オーバーホールは指先を僅かに振るった。一瞬にして地面から伸び上がってきた紫色のスライムが空中でバラバラに分解される。小さな粒子となって宙を舞う液体が床に落ちるより早く、オーバーホールの足がイータに向かって踏み出された。
「なるほど。君のスライムは精密かつ強い。しかし分解能力を持つ私には意味がない」
イータは無表情のまま壁際まで後退し、背後の配管から新たなスライムを射出した。今度は複数方向からの同時攻撃だ。天井から滴る毒液、床下から這い上がる触手。それぞれ異なる化学物質を含む攻撃を繰り出す。
「同じやり取り。二度繰り返すつもりか?」
オーバーホールの腕が青白く発光した。その掌が虚空を払うと同時に、全方位から迫っていたスライム群が細かく砕け散る。まるで粉雪のように舞い降りるスライムの欠片の中、オーバーホールは既にイータの懐へ滑り込んでいた。
「——ッ!」
咄嗟にイータが首を傾けた瞬間、オーバーホールの拳が空を切る。風圧で頬を裂かれたイータの血が、分解されかけたスライムの残骸に混ざっていく。
「さすがに速い。でも——」
「っ」
イータの言葉を合図にしたように、スライムから送れてきたのは。
「Power!」
ルミリオンが、スライムと共に現れる。
3rd舞台となる世界は?
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戦隊レッド異世界で冒険者になる