悪魔と呼ばれ慣れて 2nd   作:ボルメテウスさん

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最終錬金

ファントムビルドに最初に攻撃を仕掛けたのはデルタとゼータ。デルタはロケットのような加速で、ゼータは戦闘機のような加速で近接戦闘を行う。ファントムビルドはすぐに2人を分解しようとするが、連携を行わず、互いに攻撃するように行う行動。それによって、ファントムビルドの狙いが逸れて、飛行ユニットが破壊される。

 

デルタとゼータが同時に動いた。二人の動きは全く違う。

 

デルタの加速はロケットの推進だ。地面を抉るような強烈なスタートから、真っ直ぐファントムビルドへと突っ込む。その勢いを殺すことなく、右腕を巨大化させた。

 

「うおおおっ!」

 

対するゼータは流れるような戦闘機の機動。螺旋を描くように回転しながらファントムビルドに接近し、長い爪を展開する。

 

「はああっ!」

 

ドスンッ!

 

二人の攻撃は見事にシンクロした。デルタの拳が右舷装甲を叩きつけ、ゼータの爪が左舷を切り裂く。一瞬にしてファントムビルドのバランスが崩れた。

 

「小賢しい……!」

 

ファントムビルドが両腕を交差させ防御体制に入る。腕の中に組み込まれたミサイルランチャーが唸りを上げる。

 

「させないよ!」

 

ゼータが地面を蹴って一気に跳躍。その動きは空中で加速し続け、まさに戦闘機そのもの。デルタも負けじと爆発的な推進力を得て接近する。

 

ガキンッ!

 

デルタの一撃がファントムビルドの右腕に直撃し、ゼータの爪が左舷ユニットを切り裂く。狙い澄ました連続攻撃に、ファントムビルドの複眼が明滅する。

 

「ぐぬぅ!」

 

だが奴も簡単には倒れない。両腕を水平に開き、機体内で高密度のエネルギーが沸騰する音が響く。

 

「分解してやる……!」

 

猛烈な速度で右腕を振り抜いた。だが――

 

「邪魔するなよ!馬鹿犬!」「それはこっちの台詞です!」

 

予期せぬ事が起きた。デルタとゼータが協力せず、互いに攻撃を仕掛けたのだ。

 

当然ながらファントムビルドの狙いは完全に逸れてしまう。しかもゼータの爪が飛行ユニットの背部装甲を貫いた。

 

「なにっ!?」

 

凄まじい衝撃音と共に背面ユニットが砕け散る。バランスを失ったファントムビルドが大きく後方に仰け反った。

 

「お前ら……何を考えている!」

 

困惑の叫びをあげるファントムビルド。

 

「イータ!」

 

俺の呼びかけに応じて、イータが手を掲げる。その周囲に黄金色の霧が渦巻き始めた。

 

「科学ってのはね……こうやって応用するのが楽しいんだよ」

 

ニヤリと笑うイータの周りで、霧が形を変える。シュインッ! という音と共に現れたのは、列車型のエネルギー弾――いや、エネルギー電車とでも呼ぶべきか。前方に連結した車両が次々と出現し、イータの意思で空中を滑走し始める。

 

「さあ行くよ~☆」

 

イータが手を振る。第一陣の四両編成が一斉にファントムビルドへ向かって突進した!

 

「くっ……!」

 

ファントムビルドが砲塔を旋回させる。ミサイルハッチが開き、「ビシュッ!」という音と共に小型ミサイルの嵐が電車を迎え撃つ。

 

ドドドドン!!

 

空中で火球が連鎖爆発し、焦げ臭い空気が漂う。だが――

 

「甘いねぇ」

 

イータの声が響く。爆煙の中から第二陣の六両編成が飛び出し、さらに第三陣、第四陣と続々出現! 遂には十本以上のエネルギートレインが螺旋を描きながらファントムビルドを包囲する。

 

「おのれ!」

 

ファントムビルドが両腕の砲塔をフル稼働させる。だが電車は機関車型から貨物型へ、更には客車型へと多彩に形態を変えながら突進してくる。

 

「おいおい……俺の記憶より酷くなってるじゃないか」

 

思わず苦笑いしてしまう。あの頃のイータはまだ電車の形だけだったのに、今や臨機応変に変化しやがる。

 

ドガンッ!

 

遂に正面車両が砲塔を直撃し、火花と共にミサイルシステムが焼き切れる。

 

「うおっ!?」

 

バランスを崩したファントムビルドがよろめいたところへ、左右から挟み撃ちの電車が直撃!

 

グワシャーン!!

 

両側面装甲が凹み、膝をつくファントムビルド。

 

「まだ終わらせねぇ……!」

 

奴がビルドドライバーのレバーを掴む。

 

「フルパワー……」

 

「……させるかよ」

 

俺もネオディケイドライバーのサイドバックルに手をかける。

 

『FINAL ATTACK RIDE GO GO GO GATCHARD!』『ハザードフィニッシュ!』「うおおおおっ!」

 

虹色のエネルギーが全身を包み込む。ネオディケイドライバーから放たれる光が足元に集中し、俺は一直線に飛び出した。

 

「死ねえええっ!」

 

ファントムビルドの回し蹴りが弧を描く。その軌跡に沿って黄色と黒の履帯状エネルギーが形成され、まるでチェーンソーのように回転しながら迫る。

 

ガッシャン!

 

互いのエネルギーが衝突した瞬間、空間が歪んだ。ファントムビルドの履帯が俺の足に食い込むが――

 

「まだまだ!」

 

俺は歯を食いしばり、さらに奥深く踏み込む。ゴルドライダーキックの光が増幅し、履帯エネルギーを押し返し始めた。

 

「なに……!?」

 

ファントムビルドの驚愕の声が聞こえる。奴の装甲表面に亀裂が入り始めるのが見える。

 

「お前みたいな偽物には……負けるわけにはいかねぇんだよ!」

 

最後の一歩を全力で踏み込む。虹色の蹴撃が履帯を完全に突破し、ファントムビルドの胸部に直撃する。

 

グシャアアッ!

 

「うがあああっ!?」

 

奴の全身から火花が散り、後方に吹き飛ばされていく。地面に叩きつけられる寸前で爆炎が上がって視界を奪った。

 

ドカーン!!

 

巨大な火柱と共に機体が砕け散り、装甲片が雨のように降り注ぐ。灰燼の中から再生する気配はない。終わったんだ。

 

「ふぅ……」

 

変身を解除すると額に汗が滲んでいることに気づく。

3rd舞台となる世界は?

  • 魔法少女リリカルなのは
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • アカメが斬る!
  • ブルーアーカイブ
  • 戦隊レッド異世界で冒険者になる
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