ファントムビルドに最初に攻撃を仕掛けたのはデルタとゼータ。デルタはロケットのような加速で、ゼータは戦闘機のような加速で近接戦闘を行う。ファントムビルドはすぐに2人を分解しようとするが、連携を行わず、互いに攻撃するように行う行動。それによって、ファントムビルドの狙いが逸れて、飛行ユニットが破壊される。
デルタとゼータが同時に動いた。二人の動きは全く違う。
デルタの加速はロケットの推進だ。地面を抉るような強烈なスタートから、真っ直ぐファントムビルドへと突っ込む。その勢いを殺すことなく、右腕を巨大化させた。
「うおおおっ!」
対するゼータは流れるような戦闘機の機動。螺旋を描くように回転しながらファントムビルドに接近し、長い爪を展開する。
「はああっ!」
ドスンッ!
二人の攻撃は見事にシンクロした。デルタの拳が右舷装甲を叩きつけ、ゼータの爪が左舷を切り裂く。一瞬にしてファントムビルドのバランスが崩れた。
「小賢しい……!」
ファントムビルドが両腕を交差させ防御体制に入る。腕の中に組み込まれたミサイルランチャーが唸りを上げる。
「させないよ!」
ゼータが地面を蹴って一気に跳躍。その動きは空中で加速し続け、まさに戦闘機そのもの。デルタも負けじと爆発的な推進力を得て接近する。
ガキンッ!
デルタの一撃がファントムビルドの右腕に直撃し、ゼータの爪が左舷ユニットを切り裂く。狙い澄ました連続攻撃に、ファントムビルドの複眼が明滅する。
「ぐぬぅ!」
だが奴も簡単には倒れない。両腕を水平に開き、機体内で高密度のエネルギーが沸騰する音が響く。
「分解してやる……!」
猛烈な速度で右腕を振り抜いた。だが――
「邪魔するなよ!馬鹿犬!」「それはこっちの台詞です!」
予期せぬ事が起きた。デルタとゼータが協力せず、互いに攻撃を仕掛けたのだ。
当然ながらファントムビルドの狙いは完全に逸れてしまう。しかもゼータの爪が飛行ユニットの背部装甲を貫いた。
「なにっ!?」
凄まじい衝撃音と共に背面ユニットが砕け散る。バランスを失ったファントムビルドが大きく後方に仰け反った。
「お前ら……何を考えている!」
困惑の叫びをあげるファントムビルド。
「イータ!」
俺の呼びかけに応じて、イータが手を掲げる。その周囲に黄金色の霧が渦巻き始めた。
「科学ってのはね……こうやって応用するのが楽しいんだよ」
ニヤリと笑うイータの周りで、霧が形を変える。シュインッ! という音と共に現れたのは、列車型のエネルギー弾――いや、エネルギー電車とでも呼ぶべきか。前方に連結した車両が次々と出現し、イータの意思で空中を滑走し始める。
「さあ行くよ~☆」
イータが手を振る。第一陣の四両編成が一斉にファントムビルドへ向かって突進した!
「くっ……!」
ファントムビルドが砲塔を旋回させる。ミサイルハッチが開き、「ビシュッ!」という音と共に小型ミサイルの嵐が電車を迎え撃つ。
ドドドドン!!
空中で火球が連鎖爆発し、焦げ臭い空気が漂う。だが――
「甘いねぇ」
イータの声が響く。爆煙の中から第二陣の六両編成が飛び出し、さらに第三陣、第四陣と続々出現! 遂には十本以上のエネルギートレインが螺旋を描きながらファントムビルドを包囲する。
「おのれ!」
ファントムビルドが両腕の砲塔をフル稼働させる。だが電車は機関車型から貨物型へ、更には客車型へと多彩に形態を変えながら突進してくる。
「おいおい……俺の記憶より酷くなってるじゃないか」
思わず苦笑いしてしまう。あの頃のイータはまだ電車の形だけだったのに、今や臨機応変に変化しやがる。
ドガンッ!
遂に正面車両が砲塔を直撃し、火花と共にミサイルシステムが焼き切れる。
「うおっ!?」
バランスを崩したファントムビルドがよろめいたところへ、左右から挟み撃ちの電車が直撃!
グワシャーン!!
両側面装甲が凹み、膝をつくファントムビルド。
「まだ終わらせねぇ……!」
奴がビルドドライバーのレバーを掴む。
「フルパワー……」
「……させるかよ」
俺もネオディケイドライバーのサイドバックルに手をかける。
『FINAL ATTACK RIDE GO GO GO GATCHARD!』『ハザードフィニッシュ!』「うおおおおっ!」
虹色のエネルギーが全身を包み込む。ネオディケイドライバーから放たれる光が足元に集中し、俺は一直線に飛び出した。
「死ねえええっ!」
ファントムビルドの回し蹴りが弧を描く。その軌跡に沿って黄色と黒の履帯状エネルギーが形成され、まるでチェーンソーのように回転しながら迫る。
ガッシャン!
互いのエネルギーが衝突した瞬間、空間が歪んだ。ファントムビルドの履帯が俺の足に食い込むが――
「まだまだ!」
俺は歯を食いしばり、さらに奥深く踏み込む。ゴルドライダーキックの光が増幅し、履帯エネルギーを押し返し始めた。
「なに……!?」
ファントムビルドの驚愕の声が聞こえる。奴の装甲表面に亀裂が入り始めるのが見える。
「お前みたいな偽物には……負けるわけにはいかねぇんだよ!」
最後の一歩を全力で踏み込む。虹色の蹴撃が履帯を完全に突破し、ファントムビルドの胸部に直撃する。
グシャアアッ!
「うがあああっ!?」
奴の全身から火花が散り、後方に吹き飛ばされていく。地面に叩きつけられる寸前で爆炎が上がって視界を奪った。
ドカーン!!
巨大な火柱と共に機体が砕け散り、装甲片が雨のように降り注ぐ。灰燼の中から再生する気配はない。終わったんだ。
「ふぅ……」
変身を解除すると額に汗が滲んでいることに気づく。
3rd舞台となる世界は?
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戦隊レッド異世界で冒険者になる