深夜のイータの研究室は闇に沈んでいた。切れかかった蛍光灯が不安定な青白い光を放ち、壁に映る影が歪んでいる。
私はそっと部屋に入ったが、イータはこちらに気づかない。目の前の巨大な液晶画面に食らいつくように集中している。キーを叩く指の動きは機械よりも正確で速い。
「イータ?」
試しに呼びかけてみるが反応なし。彼女の瞳孔はディスプレイの光を反射して金色に輝き、まるで人工知能のようだ。
画面には複雑な数式やプログラムコードが流れるように表示され消えていく。彼女が何を調整しているのか私には見当もつかないが、おそらく新しいガジェットの設計図か戦略AIの最適化だろう。
壁際には無造作に積み上げられた研究資料が山になっている。床に転がるコーヒーカップからは冷めた液体が染み出て、まるで廃墟のようだ。
唯一の音はイータのキーボードを打つ規則正しい打鍵音と、遠くで稼働する冷却ファンの低い唸りだけ。そのリズムが彼女の思考パターンそのものを表しているかのようだ。
「……よし」
数十分経過してようやく彼女が呟く。その瞬間、画面全体が鮮やかに光り、成功を示唆するメッセージが浮かび上がった。イータの口元が緩む。
その時、突然扉が開いた。冷たい風と共にゼータが入ってくる。
「……あれ?お邪魔だった?」
彼女はいつもの猫のような軽い笑みを浮かべながらも、すぐに真剣な表情になる。イータの画面を見て瞳孔が開いた。
「これは……冗談にしては度が過ぎてるね」
イータは振り向きもせずに答える。
「必要なの。今のままじゃ守れない」
「でもこれって」
ゼータが一歩前に踏み出す。彼女の爪先が床を擦る音が奇妙なほど大きく響いた。
「超えていいラインじゃないと思うよ」
ゼータは困惑していた。
イータの研究が何かはっきりしないが、ゼータの反応から深刻さが伝わってくる。
「誰も止めないからやってるんじゃない。私たちには選択肢がない」
イータの声は淡々としているが、底に潜む感情を抑えきれずに震えている。
「何よりも本人もまた望んでいたからね」
そのイータの一言で全てを理解した様子だった。
「・・・失敗する可能性は」
「既に実現したのを参考に行った。あとは間に合えば良いけどね」
「ツカサが知ったら、かなり怒るだろうね」
「かもね、だけど、それを誰よりも望んだのは彼自身だ」
その一言で、その話題は終わりを迎える。
ゼータはため息を吐きながら。
「それじゃ、私はそろそろ行くよ」
「また、仕事?」
「かなり大掛かりのね、下手したら、全世界を巻き込むテロになる可能性すらあるから」
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