悪魔と呼ばれ慣れて 2nd   作:ボルメテウスさん

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ワールドヒーローミッション Ⅷ

鬱蒼とした樹海の奥深く。空は暗雲に覆われ陽光を遮断していた。

 

ゼータは静かに洞窟の入口を見据えている。苔むした岩壁の割れ目から黒い靄のようなエネルギーが滲み出しているのが見て取れた。周囲の植物が異常な速度で萎縮し枯れ始めている。大地から立ち上る瘴気が視界をゆがませる。

 

「あそこにヒューマライズの基地が」

 

「さてっと、さっさと片付けておきたいけどね。潜入だったら、私1人の方がやりやすいけど」

 

「それだったら、僕達は外で陽動した方が良いですか?」

 

「この中で潜入に向いているのは確かにゼータさんだからな」

 

「ちっ、雌猫に手柄を渡すようで嫌になるけどな」

 

「おっと、君、私の嫌いなタイプだねぇ、本当にっ」

 

そうゼータは、これからの作戦に関して、話そうとした時。

 

全身の毛が逆立つ感覚と共に、その解除キーを瞬時に緑谷に投げ渡す。

 

それと共に、ゼータはその場にいた全員を瞬時にその場から吹き飛ばす。

 

「なっゼータさん!」

 

「・・・ここまで追ってきたのかよ」

 

そうして見つめた先には、緑のフードの女性。

 

ここまで、何度も追ってきた敵。

 

「なっ、ここまでかなりの距離があるんだぞっどうなっていやがるんだ!」

 

「私は人類の為にっ神に選ばれた」

 

「怪人スタンプっまさか」

 

それと共に女性はその身体に怪人スタンプを装填した。

 

 

 

「さて、こいつの相手は私がやっておくから、行きな」

 

「ゼータさん」

 

「さっさと行け!」

 

「っはい!」

 

ゼータの言葉に一瞬戸惑いながら、そのまま緑谷達は走って行く。

 

それを見届けると共に、瞬時にゼータは腰にドライバーを回す。

 

「変身」

 

矢と矢が空気を切り裂き、互いの意思を貫かんと激突する。

 

風のエルが右手を掲げると、周囲の空気が渦を巻き始めた。

 

虚空から生成された無数の光輝く矢が、弓に番えられることなく風のエルの周囲に浮遊する。

 

「この風で——全てを薙ぎ払う!」

 

無詠唱の詠唱と共に風のエルが指を鳴らす。

 

その瞬間、数十本の矢が四方八方に放たれ、まるで生き物のように弧を描きながらゼータへと殺到した。

 

だがゼータの表情は変わらない。

 

アタッシュアローは電子音と共に充填完了を示す。

 

ゼータが引いた弦は光の粒子を帯び、弓を構えるゼータの周囲には不可視の粒子膜が形成されていく。

 

「——射出」

 

矢が放たれた。

 

一斉射撃に対抗するかのように、ゼータはたった一本の矢を放った。

 

だがその矢は空中で無数に分裂し、さらに小型の鏃へと分岐する。それぞれが独立した意志を持つように軌道を変え、風のエルの矢を迎撃していく。

 

空中で炸裂音が連鎖する。

 

粉塵のように飛び散るのは魔法の残滓だ。

 

風のエルは舌打ちして周囲を見回す。

 

ゼータの矢は迎撃に留まらず、風のエルが新たに生成しようとする矢を射抜き始めたのだ。

 

「小賢しい真似を——!」

 

再び弓を構え、風を集めようとする風のエル。

 

だが次の瞬間——風のエルの掌から放たれた衝撃波が、ゼータの左肩を直撃する。

 

「ぐっ……!?」

 

視界が一瞬白く染まり、肺から空気が一気に押し出される。

 

地面に激突した衝撃で背骨が軋む音が体内で響いた。

 

身体を支える左手に違和感が走る——視線を向けると、アタッシュアローが半ばからへし折れている。

 

その光景を見て、胸の奥が急速に冷えていく。

 

「……!」

 

さらに追い打ちをかけるように、腰に装着していたドライバーから微かな異音が聞こえた。

 

《Error……System Critical》

 

警告音と共に青白いエラーライトが点滅を始める。

 

ドライバーに刻まれた幾何学模様が不安定に明滅し、次第に光を失っていく。

 

「っ」

 

光の奔流が僕の全身を包み込み、セレーネの装甲が粒子となって空中に霧散した。

 

一糸纏わぬ生身の状態に戻された僕の眼前に——風のエルが立っていた。

 

「終わりだ」

 

その唇が嘲笑うように歪む。

 

掌に凝縮された緑色の風の刃がゼータに向けられる。

 

背筋を駆け上る恐怖——しかし同時に沸き起こる怒り。

 

「まだ終わって……ない!」

 

「いいや、終わりだ」

 

それと共に風のエルがゼータに向けて、放たれようとした。

 

次の瞬間。

 

『ホッパー!』『スチーム!』

 

「なっ」

 

聞こえて来た声。

 

それらにその場にいた2人は驚きを隠せなかった。

 

同時に見れば、オーロラカーテンが現れる。

 

そして、そこから飛び出たのは

 

「ホッパー1にスチームライナー?!」

 

それは、さすがに彼らは驚きを隠せなかった。

 

そのまま、ゼータの手元にあったのは。

 

「これって、ガッチャードの」

 

ゼータは、その情況に困惑しかなかった。

 

だが、そのままゼータの手元に来たケミーを見たゼータは。

 

「・・・私と戦ってくれるのか?利用したのに?」

 

その過去もあり、思わず問いかける。

 

それに対して、2体は、笑顔で答える。

 

「・・・そうか、ありがとう、だったら、力を借りるよ」

 

「何がっ」

 

それと同時だった。

 

手元に来たホッパー1の身体はゼロワンを思わせる模様に変わり、スチームライナーもまた電王のデンライナーを思わせる模様となる。

 

『HOPPER1!』『STEAMLINER!』

 

二つのケミーカードをそのままガッチャードライバーに装填する。

 

それと共に流れる音楽と共に、ゼータは笑みを浮かべながら、構える。

 

「変身」『ガッチャーンコ!スチームホッパー!』

 

鳴り響く音声と共に、現れたガッチャード。

 

だが、その姿はこれまでのガッチャードとは異なっていた。

 

本来のガッチャードの青とも、未来のガッチャードデイブレイクの赤とも。

 

ゼータを思わせる紫のガッチャードが、姿を現す。

 

「さぁ、行こうか」

3rd舞台となる世界は?

  • 魔法少女リリカルなのは
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • アカメが斬る!
  • ブルーアーカイブ
  • 戦隊レッド異世界で冒険者になる
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