悪魔と呼ばれ慣れて 2nd   作:ボルメテウスさん

139 / 193
ワールドヒーローミッション Ⅸ

ガッチャードに変身したゼータは風のエルに向かって、走り出す。風のエルは瞬時に風の矢を放つ。それに対して、ゼータは周囲の木々を蹴りながら、避けながら接近する。ゼータが変身したガッチャードの特徴を生かしたアクションを迫力のある描写で緻密に書いてください。特徴として、飛蝗のような跳躍力と汽車のような速さを兼ね備えている。

 

ガッチャードへと変身した。

 

最初にゼータが感じたのは高揚感。

 

かつて、アナザーライダーとしてガッチャードに変身した時とは違う感覚に包み込まれている。

 

それと共にドライバーを通じて、ホッパー1とスチームライナーの2体のケミーからの力を感じる。

 

この場で、なぜいるのか。

 

そんな疑問がありながらも、今は。

 

「さぁ、行くよ」

 

眼前にいる風のエルが最優先だ。

 

足裏に圧縮された蒸気が爆発した。

 

地面を抉る轟音と共にゼータの身体が前方に射出される。

 

「速——!」

 

弓を構える暇もなく緑色の旋風を展開した。だが、ゼータの姿は既にそこにはなかった。

 

頭上。飛蝗のごとき跳躍で十メートルを超える樹木の幹に着地している。

 

「上……!?」

 

視線を向けた刹那。

 

再び地面が爆ぜた。蒸気を噴射したゼータの肉体が低空飛行する弾丸と化す。

 

風のエルが放った緑の光弾を紙一重で躱し、樹木を蹴り、加速する。まるで磁石に引き寄せられる鉄屑のように、ジグザグ軌道を描いて距離を詰めていく。

 

「これで——」

 

拳が大気を穿つ。鋼鉄と化した右拳が風のエルの腹部に突き刺さった。

 

「ぐっ!」

 

風のエルは瞬時に矢を構える。

 

だが、それはゼータも同じだった。

 

先程まで使っていたアタッシュアローとは違う武器。

 

ガッチャードの武器である弓形武器であるガッチャートルネードを既に構え、レバーを引く事で矢が放たれる。

 

風のエルも、その一撃をなんとか耐える。

 

「どうなっているんだ」

 

「・・・久し振りに変身したけど、やっぱりこっちは馴染みがあるね」

 

そうしながらも、ゼータは仮面の下では笑みを浮かべた。

 

「一体、お前は」

 

「仮面ライダーガッチャード、代理だけどね」『ガッチャーイグナイター!』

 

それと共に、ゼータが取りだしたガッチャーイグナイターをガッチャードライバーに装填して、構える。

 

『ターボオン!HOPPER1! イグナイト!STEAMLINER! イグナイト!』

 

「変身ッ!!」『ガッチャーンコ!ファイヤー!スチームホッパー!アチーッ!』

 

鳴り響く音声と共に、ゼータが変身しているガッチャードの姿は変化する。

 

元々、紫のガッチャードという事で本来のガッチャードとは異なっていた。

 

だが、ガッチャードイグナイターの力により、それはより大きく見せる。

 

「っ」

 

湧き上がるのはゼータ自身の闇。

 

かつて、アナザーライダーとなっていた故の闇。

 

だが。

 

「もう、この子達にも、今も戦っているヒーローの為にも、ツカサの為にも、この衝動にはもう飲み込まれないよ」

 

風のエルは呆然と立ち尽くした。

 

目の前の戦士の姿は——もはや以前とは決定的に異なっていた。

 

紫色の装甲は夜明け前の空を思わせる深みを持ちながらも、稲妻のように鋭利な黒いラインが幾何学的に刻み込まれている。胸部から肩にかけて生える棘状の突起は金属的な硬質さを纏い、敵意を剥き出しにする牙のようだ。

 

極めつけは首元——漆黒のマフラーが風もないのに妖しく蠢く。それはまるで生物が宿るかの如く蠕動し、時に地面を這いながら不自然な影を作り出す。長さはゼータの身長に匹敵し、闇夜に溶け込むような黒の中で唯一、先端部分に燃え滾る炎のような赤い装飾が施されている。

 

その装甲に絡みつくように黒い霧が漂い、霧の隙間からは微かに紅蓮の熱気が漏れ出していた。それはまるで内部に宿る怒りそのものを象徴しているかのようだ。

 

「なんだ、それはっ」

 

「表も裏も、どちらも知ったから出来る姿だよ」

 

それと共にゼータは、走りながら、そのままガッチャードライバーを操作する。

 

風のエルは絶句した。眼前に佇む戦士はもはや人間の範疇を超えている。

 

「消え――っ!?」

 

視界からゼータの姿が消失。反射的に風の防御陣を展開した刹那――

 

「ぐっ……がぁっ!!」

 

腹部に鉛のように重い衝撃。続けて両腕、右膝、喉元に立て続けに打撃が命中。まるで無数の流星群が一点集中で落下してきたかのような密度の連続蹴撃。

 

「バカな……速すぎる……!」

 

反撃の隙など一片たりとも存在しない。全身に浴びせられた衝撃が徐々に蓄積し、風のエルの四肢が痙攣を始める。

 

そして遂に最後の一撃――

 

『スチームホッパー!バーニングフィーバー!』

 

システム音声が雷鳴のごとく響き渡る。

 

ゼータの回し蹴りが放たれた。

 

黒曜石と溶岩が融合したような漆黒の炎と鮮血を思わせる赤焔が螺旋を描きながら脚に纏わりつく。長大な黒マフラーが鞭のようにしなり、標的を拘束しながら蹴撃の軌道を補佐した。

 

「これが私の答えだ!」

 

烈火の螺旋が風のエルの胸部を直撃。衝撃と共に黒と赤の混合火球が内部で膨張し、ついには――

 

「がああああっ!!」

 

爆音と閃光が弾け飛ぶ。灼熱の炎が霧散する中、風のエルの身体は塵となり、元の姿へと変わる。

 

「・・・さて、向こうの方は、果たして」

 

そう言いながらも、タイムリミットが僅か。

 

その結末が分かるのも、あと僅か。

3rd舞台となる世界は?

  • 魔法少女リリカルなのは
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • アカメが斬る!
  • ブルーアーカイブ
  • 戦隊レッド異世界で冒険者になる
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。