悪魔と呼ばれ慣れて 2nd   作:ボルメテウスさん

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デルタの記憶

「……」

 

変身後のデルタは一言も発することなく、静かに立っていた。その姿は先程までの激しい獣のような動きとは全く異なり、まるで凍りついたように静止している。

 

剣は混乱していた。

 

「な、なんだ……? 急に大人しくなりやがって……」

 

数秒前まで狂喜乱舞していたデルタの変わり果てた姿に、怪物は本能的な不安を覚えた。この少女から放たれる気配が完全に別物に変わっている。

 

「戦いを楽しむ?」

 

デルタの声は氷のように冷たく響いた。

 

「そんなものは必要ない」

 

デルタが動いた。

 

先ほどまでの荒々しい攻撃とは全く異なる、最小限の動き。

 

「!?」

 

剣が防御体制を取る前に、すでにデルタの拳が甲殻の隙間を正確に貫いていた。まるで精密機械のような正確さで弱点を突く一撃。

 

「ぐあっ!?」

 

痛みよりも驚きの方が大きかった。自分の体がどれほど堅牢か知っている。

 

すぐに反撃するように動いた瞬間、目の前にあったのは、銃口。

 

「っ!?」

 

怪人が気づいた時には、既に引き金を引かれ、眼は光に消される。

 

「がっあぁぁぁぁぁ!」

 

怪人は、バランスを崩しながら吹き飛ばされる。

 

その攻撃を見た周囲にいた多くの人々もまた、その場で固まってしまう。

 

デルタは、元々は戦闘では最強だった。

 

獣人という種族の中でも際立ったセンスを持っていたが、それは彼女自身があまり頭が良くなかった為に、それを生かす事が出来なかった。

 

だが、彼女は、その記憶に確かに刻んでいた。

 

ツカサの、ディケイドの戦い方を。

 

元々、最強であるボスの戦い方をずっと見ていた。

 

だからこそ、記憶がなかったとしても、その本能が身体で、彼女は覚えていた。

 

故にこそ、彼女の、今の戦い方は、ツカサがとある戦いで見せたギーツのレーザーブーストフォームの戦い方であった。

 

剣が必死に体勢を整えようとする。だがその瞬間、デルタの姿は消えていた。

 

「どこに……!?」

 

周囲を探す間もなく、背中に重い衝撃が走る。デルタのキックが背面の甲殻に直撃。鈍い音とともに表面が蜘蛛の巣状にひび割れる。

 

「ぐっ!?」

 

咄嗟に振り返ろうとした瞬間、デルタの姿はすでに目の前に。両手のレーザーが短剣のように光り輝き、怪人の腹部を十字に切り裂く。傷口から黒い血液が噴き出した。

 

「な……何なんだよお前……」

 

「……」

 

デルタは何も答えず、淡々と次の攻撃に入っていた。跳躍し天井を蹴り、角度を変えて落下。狙うは

 

『FINISH_MODE!LASER_BOOST_VICTORY』

 

脳天だ。

 

鳴り響く音声と共に叩き込まれた一撃によって、剣は、完全に気絶する。

3rd舞台となる世界は?

  • 魔法少女リリカルなのは
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • アカメが斬る!
  • ブルーアーカイブ
  • 戦隊レッド異世界で冒険者になる
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