暗雲立ち込める街並みを悠然と歩くイータの足取りは確かだった。
別行動を決めた彼女は、迷うことなく繁華街の中心へと足を進める。目的は明らかだ──情報が集まる場所を探すために。
「ふむ……この辺りが中心区画」
彼女が足を踏み入れたのはかつて賑わっていたであろう商店街。今は無数のシャッターが下りた廃墟同然の空間だった。それでも地下鉄の駅出口近くという地理的優位性から、まだ人の気配が残っている。
突如、柱の陰から男が飛び出してきた。
「覚悟!」
風属性の個性らしき旋風を巻き起こしながら突進してくる。だがイータは眉ひとつ動かさず、右手を軽く掲げた。
その掌から黒い液体が溢れ出す。
「やれやれ」
無造作に放たれたスライムは空中で蛇のような形を取り、男の首筋に絡みついた。刹那──
「がっ……!?」
鈍い音と共に男が昏倒する。スライムは頸椎を正確に押さえつつ意識だけを奪う、絶妙な力加減だった。
「こういうのは……嫌い」
言いながらスライムを引き戻す。その液面には白い泡が立ち、成分が変えられていた痕跡があった。おそらく麻痺性の酸を微量添加したのだ。
「次はどの程度の相手が出てくるかしら」
好奇心に満ちた瞳が次の曲がり角へと向く。
商店街の奥まった一角に差し掛かったとき、複数の影が待ち伏せていた。
「へへ……こっち側には逃げ道はねぇぞ」
包囲する四人の男たち。それぞれ異なる個性を有していることが服装から推測できた。
「水の男がタンク役か……岩石系も厄介ね」
イータが呟くや否や、一番小柄な男──おそらく風使い──が動いた。真空刃が空気を切り裂いて接近する。
同時に岩石使いの大男が巨大な石礫を投擲。タンク役の水流使いが前面に立ち塞がる布陣だ。
だがイータは一切焦らず、両腕を横に広げた。
「まずは実験台になってもらう」
『キャッスル!』『スタッグ!』『オウル!』
イータは、既に手に持っていたネビュラスチームガンに、フルボトルを装填させる。
それと共に、自身の前に出たスライムに向けて、引き金を引く。
それと共に、スライムの姿は変わり、そこに現れたのは3体のスマッシュ。
かつて、ビルドと激戦を繰り広げ、仮面ライダーグリスを慕う3人が変身した怪人だった。
「なっ、どうなって」「がぁぁ!?」「ぐふぅ!」
そう、現れたスマッシュ達の攻撃によって、3人は吹き飛ばされてしまう。
「・・・エボルトの擬態を応用して、スライムで再現。やっぱり可能。怪人をこちら側で作れるのは便利」
そうして、イータは何事もなく進もうとした時、彼女の前に二つの人影。
「・・・怪人?けれど」
見ると、そこにはこれまでの怪人とは異なる姿。
一つは異形の獣人──頭部は縫合痕だらけの猫顔、背中からは蝙蝠と鳥の翼が歪に生え、脊椎代わりに鱗の生えた蛇が絡みつきながら尻尾へとつながっている。肌は豹と虎と猿の毛皮がパッチワーク状に継ぎ接ぎされていた。
もう一方は鋼鉄の塊──銀色の胴体から突き出す両腕は緑と灰の歯車で構成され、関節部分からは火花が散る。肩から放電が迸り、青いタイヤ付きの脚は路面を削りながら滑走している。背部のジェットウィングが低く唸りを上げた。
「なるほど」
私は歩調を緩めずに呟いた。前方にはイータが使役する3体のスマッシュ──キャッスル、スタッグ、オウル──が待機し、すぐ先には新しい怪人たちの輪郭が見える。
「怪人対決かな」
3rd舞台となる世界は?
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