悪魔と呼ばれ慣れて 2nd   作:ボルメテウスさん

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ゲームの創造性

ゲムデウスクロノスは新たな形態を見せた俺を見て嘲笑するように息を吐いた。

 

「ふん、玩具みたいなガシャットなど」

 

剣を高く掲げ突進してくる。もはや理性的な思考は捨て去ったか。

 

「見くびるなよ」

 

俺の手に握られたマイティクリエイターVRXガシャットが変形し、VRゲーム用コントローラーとなる。親指に当たる部分を軽く撫でると周囲の空間が歪んだ。

 

ゲムデウスクロノスの巨体が目の前まで迫る――だがもう遅い。

 

「Create Shield」

 

掌で前方にサークルを描くように動かすと、空中に青白い立体格子が生まれ、瞬く間に半透明の堅牢な盾へと組み上がる。ゲムデウスクロノスの剛剣がそれに衝突し火花を散らす。

 

「な……っ!?」

 

予期せぬ防御に驚愕した刹那が最大の隙だ。

 

「次は攻撃」

 

もう一度指を軽やかに滑らせると、盾の表面から鋭利な棘が突き出し槍衾と化す。ゲムデウスクロノスは咄嗟に後退しようとするが既に鎖で縛られたように絡め取られて身動きが取れない。

 

「なっこれは」

 

「ゲムデウスクロノスの対処。確かに本来ならばレベル1でしかクリアする事は出来ない。だが、それはあくまでもその時の状況だ」

 

「だが!所詮は創作物!」

 

ゲムデウスクロノスは鎖を引き千切り剣を薙いだ。盾が砕け散るが直後――

 

俺の声と共に床から新たに5枚のタイル型盾が突出。さらに両腕・腰部からも多関節式の触手が伸びて互いの軌跡を交差させる。ゲムデウスクロノスの猛攻は悉く阻まれる。

 

「何をしようと無駄だ!」

 

奴が咆哮と共に溜めを作った。全身の鎧が黒く染まり膨張し、周囲の空気が真空状態のように引き攣る。時を操る権能か。

 

(だが――)

 

「言っただろ、勝利は既に想像しているっと」

 

俺はコントローラーを軽く振り下ろした。天井・壁・床のあらゆる面が水面のように揺らぎ、無数の光条が迸る。それらが集束し実体化していく姿は――

 

『『『『ガッシャットォ!let'sgame! メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム⁉︎I'm a 仮面ライダー』』』』

 

それと共に現れたのはレベル1のブレイブ、スナイプ、レーザー、ゲンム。

 

それを見た瞬間、ゲムデウスクロノスは。

 

「なっ、まさか!」

 

「まだまだまだぁ!!」

 

俺の言葉に合わせるようにパラドクス、風魔と、本来ならばレベル1は存在しない彼らもまたレベル1を思わせる姿で現れる。

 

そして、彼らは一斉にゲムデウスクロノスに殺到した。

 

「小賢しい真似を!」

 

ゲムデウスクロノスが腕を振り上げる。だが振り下ろす前に周囲の空間が波紋のように歪み、虚空から出現した鉄杭が奴の拳を封じた。

 

『ガシャコンブレイカー!』『ガシャコンマグナム!』『ガシャコンスパロー!』

 

レベル1たちの各々が異なるガシャコンウェポンを携え、呼吸を合わせるように四方八方から斬りかかる。スナイプが援護射撃を放ちながら回り込み、ブレイブが正面から刃を叩き込む。レーザーが高速移動で死角を突けば、ゲンムがゲームオーバーエフェクトを模した幻影で攪乱する。

 

「フハハハ!私を舐めるな!」

 

ゲムデウスクロノスが足元から黒い嵐を巻き起こし、一挙にレベル1を吹き飛ばそうとする。だがその瞬間――

 

俺の左手に持ったコントローラーが回転。床面全体がテレビ画面のように亀裂を走らせ、四分割されたフレーム内に無数のエラー表示が踊った。

 

バグった空間の中でゲムデウスクロノスの放った衝撃波は途中で方向転換し、壁に設置した巨大なスピーカーへと吸収されていく。

 

「貴様……!」

 

「悪いな。ここはもう俺のフィールドだ」

 

俺は中指と薬指を立てて水平に揺らした。

 

「このような無茶苦茶な」

 

「それを望んでいたお前が何を言うか」

 

それと共に、既に俺は決めていた。

 

『FINAL ATTACK RIDE E E E EX-AID』

 

それと共に、俺は構える。

 

ゲムデウスクロノスの咆哮がビル全体を軋ませる。しかしレベル1たちに迷いはなかった。

 

先陣を切ったのはレーザーだ。空中で一回転し右脚を突き出す。

 

続くブレイブが短刀を投げつけ注意を逸らしつつ飛び蹴りを放つ。

 

スナイプが遠方から三点シュートのようにタイミングを合わせてくる。

 

風魔が複数の影となり左右上下から同時に襲いかかる。

 

最後にゲンムが飛び乗ってきた。

 

十数発のキックが一点に集中しゲムデウスクロノスの鎧を蝕んでいく。

 

「ぐおぉぉ……この私がこんな雑魚どもにぃ……!」

 

ついに四肢の稼働が滞りはじめた。ここが潮時だ。

 

「これが想像力だ」

 

背後の星座群が一斉に収束し一本の光柱を形成する。

 

咆哮ひとつなく光の筋がゲムデウスクロノスの胸板へ突き刺さった。

 

「ば……か……な」

 

奴の内部で蓄積されていたデータの奔流が爆発寸前の臨界を迎える。ゲムデウスクロノスの肉体が亀裂だらけの液晶画面のように歪み――

 

パチン。

 

乾いた破裂音と共に全てが静止した。

 

「ゲームセット」

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