悪魔と呼ばれ慣れて 2nd   作:ボルメテウスさん

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ユアネクスト Ⅲ

夜明け前の屋根裏部屋に静寂が落ちた。俺は大翔の目に浮かぶ怒りの炎を見据えながら続けた。

 

「怪人スタンプは『怪人の細胞』が詰まった道具だ。人間の皮膚に押印することで細胞が活性化し、宿主を怪物へと変貌させる」

 

指先でテーブルを叩く。埃が舞った。

 

「これの恐ろしい所は、どんな人間でも簡単に怪人になれる事だ。それこそ、どんなに強い怪人でもな」

 

「そんなのが、この世界に」

 

「だから、それをぶっ潰す。その後に元の世界に帰すから」

 

大翔の握りしめた拳が震えていた。

 

「そんなものが……流通してるなんて!」

 

「ああ。しかも大量にだ」

 

俺は壁に寄りかかる。窓辺の雨粒が跳ねた。

 

「だからこそ、まずはこれを」

 

「ダメだ」

 

大翔の声が鋭く割った。

 

「怪人スタンプは放置できない。放っておいたら一般人だって誰でも怪人になってしまう。それに俺自身も狙われてる」

 

「……だろうな」

 

俺は眉を上げた。この少年の執念深い目つき――ディケイドに似ている。

 

「つまり?」

 

「俺も同行させてくれ。ヒーローとして、仮面ライダーとして見て見ぬふりはできない」

 

屋根裏部屋に冷たい風が吹き込んだ。埃混じりの光が床に斑模様を作る。

 

「その勇気は買う。だが」

 

俺は腕を組み、意図的に低い声を落とした。

 

「まず俺の任務は極秘扱いだ。お前を守れる保証もない」

 

「覚悟の上だ!」

 

「……はあ」

 

俺は深いため息をつきながら指で額を掻いた。埃っぽい屋根裏部屋の窓枠が軋む。

 

「しょうがねえな……」

 

ゆっくりと立ち上がり、右手を上げる。指先が霧の中へ溶けていく。

 

「その覚悟、買ってやる」

 

指が空を切る。刹那、部屋全体が虹色の光に包まれた。

 

オーロラカーテンが現れる。

 

紫色の光が渦巻き、次第にバイクのシルエットが浮かび上がる。マシンディケイダーを呼び出す。

 

「乗れ」

 

後部座席を顎でしゃくりながらヘルメットを二つ取り出す。一つを放り投げると大翔が慌てて受け止めた。

 

「本物の、マシンディケイダーか」

 

高校生は目を輝かせている。まるで憧れのアイドルを初めて目にしたファンみたいだ。

 

「いいか。街に出たら騒ぐなよ」

 

エンジンを始動させながら警告する。金属的な鼓動音が床板を震わせた。

 

「しっかり掴まってろよ」

 

マシンディケイダーが吼える。排気音と共に部屋から飛び出す一瞬前―大翔の笑顔が見えた。

 

まるで明日を信じてるガキの顔だ。

 

――悪くない。

 

俺は小さく笑った。

 

それと共に、霧の海を切り裂くマシンディケイダーの排気音が朝靄に吸い込まれていく。

3rd舞台となる世界は?

  • 魔法少女リリカルなのは
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • アカメが斬る!
  • ブルーアーカイブ
  • 戦隊レッド異世界で冒険者になる
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