事務所に到着するや否や、デルタとゼータが同時に俺に飛びついてきた。
「ボス! クリスマスケーキ買ったよ!」
「お疲れ様、ボス。サーモンのカルパッチョはもう冷蔵庫に入っています」
デルタはチョコレートの箱を両手いっぱいに抱え、ゼータは銀の皿を慎重に運んできている。
俺は苦笑しながら首を振った。
「おいおい、まだ何も始まってないぞ。それに」
「イータさんはキッチンでグラタン作ってるよー」
「あれは卵黄を3倍入れ過ぎています。味見が必要かと」
まったく……相変わらずだ。クリスマスの飾り付けすらまだなのに。
部屋を見渡すと、テーブルの上にはワインやシャンパンがずらり。壁には俺が仕事中に貼ったクレイジーなサンタポスターが……
「ねぇボス! これ食べる?」
突然デルタが肉汁したたるステーキを差し出してきた。しかもフォークごと俺の口元に。
「待て待て! まだみんな揃ってないのに」
「いーじゃん! ボスの胃袋には入るだろ?」
「馬鹿犬が。まずは乾杯でしょうが」
ゼータがすかさず横からツッコミを入れる。
「なにおぉ!? 生意気だぞ雌猫!」
「それはお前の妄想です。現実は見なさい」
「んもー! ボス助けて!」
俺は深いため息をつきながらも微笑んだ。
イータが眠そうにツカサの膝に寝転がるシーンから。
デルタとゼータの言い争いが最高潮に達しようとした瞬間——
「……ふわぁ〜」
柔らかな黒髪が俺の膝に滑り落ちてきた。イータが半分閉じた目でこっちを見上げている。
「ツカサの匂い……落ち着く……」
「おっと」
俺はステーキを落とさないように両手で支えながらイータの頭をそっと撫でた。彼女の髪が温かい。
「ねむーい……なんか眠気ハンパないんですけどぉ」
「さっきまで薬品調合してたからな。糖分不足だろ」
「うん……チョコ……ちょうだい……」
デルタが素早くチョコレートの箱を差し出す。「ほら、あげる!」
イータは箱から摘んだトリュフをぱくり。ほわりと幸せそうな表情。
「んー、生きてるって感じぃ……」
「ほら、起きなさい。乾杯が先よ」
ゼータがエプロン姿で銀の盆を持ってきた。テーブルにサーモンのカルパッチョと温野菜のプレートが並ぶ。
「うまそうじゃん!」
デルタが目を輝かせる横で、イータがぽそり。
「ん~……全部食べたいなぁ……ボスの分も分けっこしよ?」
「ダメ! ボスの腹はデルタの愛情で満たす!」
「あ゛!? 馬鹿犬が私の魚に塩かけんな!」
「かけちゃった☆」
俺はチョコレートと肉の香りに包まれて思った。今年も騒がしくて最高のクリスマスになりそうだ。
「…だからこそかもな」
これからの戦いの激しさを予感させながら。
3rd舞台となる世界は?
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