悪魔と呼ばれ慣れて 2nd   作:ボルメテウスさん

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悪魔な師匠と弟子(ツカサ)

「それじゃあ、まずはお前の実力を確認するか」

 

「ああ」

 

焦凍と向き合う。彼の氷の能力は確かに強いが、使い方を知らない。ならばまずは基本から教え込むべきだろう。

 

「準備はいいか?」

 

「いつでも」

 

俺はカードを取り出す。バリッドレックス——冷気を操る格闘スタイル。焦凍にはこれを見せてやるべきだ。

 

『KAMEN RIDE REVICE』『FORM RIDE BARRIDOREX』

 

変身と共に、俺の周りには冷気が立ち昇る。銀色と青色の装甲が輝き、手甲から冷気が漏れ出す。

 

「あの時とは違う姿」

 

「あの姿を真似るのは危険だ。圧倒的な力はあるが、あまりにも大きすぎる。その点、この姿なら」

 

俺は一気に距離を詰める。

 

それを見た焦凍は、眼前に氷の壁を作り出す。

 

だが。

 

「こういう使い方が出来る」

 

そんな壁に対して、俺は拳に幾重の氷の鱗を纏わせた拳で殴りつける。

 

氷の鱗を纏わせた拳が氷の壁に触れると同時に、瞬く間に氷が砕かれ、その衝撃は周囲に伝わっていく。

 

「氷で作った壁がっ」

 

その衝撃により、焦凍は後退りをする。

 

だが、俺の攻撃は止まらない。

 

「まだまだ終わらないぞ」

 

「うっ!?」

 

同時に俺は、拳に纏った氷を氷柱へと変化し、一斉に焦凍に向かって降り注ぐ。

 

「くっ!」

 

焦凍は咄嗟に氷の壁を再度作り出し、それらを受け止める。

 

だが。

 

「甘いな」

 

「なっ!?」

 

俺はその氷柱を足場にして跳躍し、壁を乗り越える。そして、空中から蹴りを放つ。

 

「ぐっ!」

 

焦凍は咄嗟に身を捩って避けようとしたものの、僅かに当たってしまう。

 

「氷の硬度は最大限に上げていないからな」

 

「はぁはぁっ」

 

焦凍は息を切らせながらも立ち上がり、再び構えを取る。

 

「なかなかやるじゃないか。だが」

 

俺は一瞬で距離を詰め、焦凍の懐に入り込む。

 

「近接戦も得意なんだ」

 

「うわぁっ!?」

 

氷を纏わせた手刀で焦凍の喉元を掠める。それは警告程度の攻撃だったが、焦凍にとっては十分な恐怖を与えたようだ。

 

「遠距離だけじゃない。近接戦でも使える技術がある」

 

俺は一旦距離を置き、説明を続ける。

 

「氷の使い方に制限があると思っているなら間違いだ。氷は多様性に富んでいる」

 

焦凍はその言葉に何か感じるものがあったのか、一度深呼吸をしてから再び氷を操り始めた。

 

「今度は俺から行くぞ」

 

焦凍は両手から無数の氷柱を生み出し、俺に向かって放つ。

 

「ほう」

 

それに対して俺は氷の盾を瞬時に生成し、その攻撃を防ぐ。

 

「そんな防御じゃ……」

 

焦凍の言葉が終わらぬ内に、俺はその盾を前方へ押し出し、そのまま突進する。

 

盾が押し出される勢いを利用して接近すると同時に、氷の盾は形状を変え、鋭い槍となって焦凍に襲い掛かる。

 

「なっ!?」

 

予想外の攻撃に焦凍は慌てて氷の壁を作り出して防ごうとするが、その壁すら貫通して槍が彼の肩を掠める。

 

「うっ!」

 

「氷はただ固くするだけじゃない。柔軟に形を変えられる武器にもなる」

 

俺は槍を引き抜きながら説明する。

 

「なるほど……」

 

焦凍は傷を押さえながらも、真剣な眼差しで俺を見つめる。

 

「次はお前がやってみろ。俺のように盾から槍へと形態を変化させるんだ」

 

焦凍は小さく頷き、集中する。すると彼の周りに小さな氷の粒が浮かび上がり始める。それらが集まり一つの盾の形になると同時に、彼は手を伸ばす。

 

「こうやって」

 

氷の盾から急激に先端が尖り始め、一本の槍へと変化していく。

 

「うん、良い感じだ」

 

俺はその様子を見守りながら満足げに頷く。

 

焦凍はその槍を試しに振り回す。その動きには以前よりも精度が増していた。

 

「大雑把な動きかもしれないが、まぁ、最初は慣れる事だな」

 

「・・・分かった」

 

そうして、焦凍は真剣に呟く。

 

「・・・なぁ」

 

「なんだ?」

 

「今更だけど、なんでこんな子供の我が儘を聞いてくれるんだ」

 

そう今更ながら聞いてくる。

 

「・・・気まぐれだ」

 

「そうか」

 

それと共に、俺は続ける。

 

「気まぐれついでだ。とある家族の話をしても良いか」

 

「家族」

 

その言葉に、焦凍は反応する。

 

「・・・どうする?」

 

「・・・俺から修業を頼んだ事だから、話は」

 

「・・・分かった」

 

それと共に、俺が語ったのは、とある悪魔に関わった家族。

 

つまりは、仮面ライダーリバイスの話だ。

 

おおらかで明るい母としっかり者の長男を中心に、家業の銭湯を家族全員で切り盛りしている。

 

そして、父親は、どこか頼りないと思われるが、それでも家族の事を一番に考え、行動していた。

 

その話を聞くと。

 

「・・・そんな父親だったら、どんなに良かったか」

 

「・・・焦凍」

 

「俺の駄目親父なんかよりもずっと立派な人だっ、なんでっなんでその人じゃないんだっ」

 

胸の中から出てきた言葉。

 

それに対して、焦凍は叫んでしまう。

 

「お前の家庭の事情は聞くつもりはない。けれどな、もしも自分に何か分からない事があれば、自分の中にいる悪魔に聞け」

 

「・・・そこは、自分の心とか言わないんですか」

 

「悪魔ってのは、本能や欲望の塊だ。自分の中の正直な気持ちは、意外と悪魔が分かるかもしれないぜ」

 

「ヒーローとは思えない言葉だな、けれど、悪魔か」

 

そうして、焦凍は自分の胸を見る。

 

「俺の復讐心も、憎悪を考えたら、確かに悪魔の誘いを聞いたかもしれないな」

 

「そうだな、まぁ、何よりも俺もまぁ、悪魔って呼ばれていたからな」

 

そうして、焦凍は頷く。

 

「そう言えば、お前、深夜に食事は」

 

「・・・いや、ほとんどは」

 

「だったら、なんか食べに行くか。なぁに、いざっていう時は、オーロラカーテンですぐに帰るからな」

 

「そんな個性の使い方、しても良いんですか」

 

「悪魔なヒーローだからな、それで、悪魔の弟子は何が食べたい」

 

「蕎麦」

 

「渋いな、けど嫌いじゃないぜ」




個人的に轟焦凍を現すライダーがいるとすれば、リバイのボルケーノレックスとバイスのバリッドレックスだと考えています。家族が重要なテーマであり、炎と氷。それらを含めると、仮面ライダーの中でも、彼を象徴するのは、このライダー達だと考えています。

3rd舞台となる世界は?

  • 魔法少女リリカルなのは
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • アカメが斬る!
  • ブルーアーカイブ
  • 戦隊レッド異世界で冒険者になる
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