悪魔と呼ばれ慣れて 2nd   作:ボルメテウスさん

172 / 193
アンケートにて、次の世界の舞台の募集を行っています。皆様の応募、お待ちしています。


師と父

「焦凍は……良いヒーローになれそうか」

 

エンデヴァーの巨躯が小さな机に肘をつく。炎の紋章が刻まれた袖口からは、鍛え上げられた腕が覗いていた。声には不慣れな緊張が滲んでいる。

 

「・・・もうすぐ大きな戦いがあるのに、それを尋ねますか」

 

そう言いながらも、以前のエンデヴァーだったら、決して聞かないだろう内容に、俺は見つめる。

 

そこには、以前までの毒親を思わせる傲慢さはない。

 

彼自身の目標であるナンバーワンヒーローを、嫌な形だが実現した。

 

そうなった事で、エンデヴァー自身が、ある事に気付いた。

 

「君は仮面ライダーでありながらも師匠としても優秀だという噂を聞いてね」

 

「優秀かどうかは分かりませんが」

 

俺が担当している生徒の焦凍には色々と期待もしている。

 

最初出会った頃は色々と態度が悪かったが、徐々にその姿勢が軟化しているのを知っている。

 

「焦凍が昔から尊敬していた君だからこそ、俺には見えないものがあると思ってな」

 

「・・・・・・」

 

確かに。

 

エンデヴァーがNo.1ヒーローになるまでにかけてきた時間。

 

それによって家族を顧みる時間を削ってきた事は確かだろう。

 

それは必然的に、今になって後悔の時間となった。

 

俺は考える。

 

ここはどう答えるべきか。

 

普通に考えれば励ますべきなのだろうが。

 

「以前の焦凍なら良かったのですが」

 

「何が言いたいのだ」

 

「父親である貴方に頼ることが少なかった。自分で考えて判断して生きていく。それがヒーローとして必要な素質とは言いますが、あまりにも独断的でした」

 

すると。

 

「・・・・・・」

 

エンデヴァーは顔を俯く。

 

それは当然だろう。

 

自分の育て方のせいでそうなったと思ったのだろう。

 

だからこそ。

 

「ですが」

 

「っ」

 

「今は変わって来ている。それはエンデヴァーさんだって知っているでしょ。それも大きな原因を教えてくれたのが誰なのかを」

 

そう言った俺を見て、エンデヴァーは俺の真意を探ろうとしている。

 

そして。

 

「なるほど。やはり焦凍の変化は」

 

「師匠として認められたからか」

 

「えぇ。俺だって嬉しく思います。それでも」

 

「それでも?」

 

「その根底にはエンデヴァーさん。貴方の存在も大きいと思います」

 

「・・・・・・」

 

「焦凍は貴方を尊敬していました。それは今でも変わらないと思います。その証拠に」

 

「最近のアイツはあなたの真似をしているんですよ」

 

そう俺が告げた時に見たエンデヴァーの反応は。

 

涙ぐみながら喜んでいた。

 

その表情に俺もまた驚くのであった。

 

エンデヴァーとの短い会話。

 

それは今から迎える戦いの前には些細なことかもしれない。

 

それでも、焦凍の道を照らすことにつながるのなら、価値のある時間だった。

3rd舞台となる世界は?

  • 魔法少女リリカルなのは
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • アカメが斬る!
  • ブルーアーカイブ
  • 戦隊レッド異世界で冒険者になる
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。