「焦凍は……良いヒーローになれそうか」
エンデヴァーの巨躯が小さな机に肘をつく。炎の紋章が刻まれた袖口からは、鍛え上げられた腕が覗いていた。声には不慣れな緊張が滲んでいる。
「・・・もうすぐ大きな戦いがあるのに、それを尋ねますか」
そう言いながらも、以前のエンデヴァーだったら、決して聞かないだろう内容に、俺は見つめる。
そこには、以前までの毒親を思わせる傲慢さはない。
彼自身の目標であるナンバーワンヒーローを、嫌な形だが実現した。
そうなった事で、エンデヴァー自身が、ある事に気付いた。
「君は仮面ライダーでありながらも師匠としても優秀だという噂を聞いてね」
「優秀かどうかは分かりませんが」
俺が担当している生徒の焦凍には色々と期待もしている。
最初出会った頃は色々と態度が悪かったが、徐々にその姿勢が軟化しているのを知っている。
「焦凍が昔から尊敬していた君だからこそ、俺には見えないものがあると思ってな」
「・・・・・・」
確かに。
エンデヴァーがNo.1ヒーローになるまでにかけてきた時間。
それによって家族を顧みる時間を削ってきた事は確かだろう。
それは必然的に、今になって後悔の時間となった。
俺は考える。
ここはどう答えるべきか。
普通に考えれば励ますべきなのだろうが。
「以前の焦凍なら良かったのですが」
「何が言いたいのだ」
「父親である貴方に頼ることが少なかった。自分で考えて判断して生きていく。それがヒーローとして必要な素質とは言いますが、あまりにも独断的でした」
すると。
「・・・・・・」
エンデヴァーは顔を俯く。
それは当然だろう。
自分の育て方のせいでそうなったと思ったのだろう。
だからこそ。
「ですが」
「っ」
「今は変わって来ている。それはエンデヴァーさんだって知っているでしょ。それも大きな原因を教えてくれたのが誰なのかを」
そう言った俺を見て、エンデヴァーは俺の真意を探ろうとしている。
そして。
「なるほど。やはり焦凍の変化は」
「師匠として認められたからか」
「えぇ。俺だって嬉しく思います。それでも」
「それでも?」
「その根底にはエンデヴァーさん。貴方の存在も大きいと思います」
「・・・・・・」
「焦凍は貴方を尊敬していました。それは今でも変わらないと思います。その証拠に」
「最近のアイツはあなたの真似をしているんですよ」
そう俺が告げた時に見たエンデヴァーの反応は。
涙ぐみながら喜んでいた。
その表情に俺もまた驚くのであった。
エンデヴァーとの短い会話。
それは今から迎える戦いの前には些細なことかもしれない。
それでも、焦凍の道を照らすことにつながるのなら、価値のある時間だった。
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