今回の作戦。
その作戦において、複数の人数に分ける必要があった。
そんな、作戦の中で、最も危険な可能性がある役割。
それは、正面からの突入だ。
病院内にいる人々の避難に関しては、イータを初めとした面々が行ってくれる。
人員に関しても、仁の分身達が行ってくれる為に、不足はない。
だが、その最中で考えられる最悪な事は敵側の脳無が襲い掛かる事。
だからこそ、ここでは最大戦力が必要になる。
暗雲が空を覆いつくした午後のことだった。
俺は病院へ続く荒れた路面を急ぎながら、オールマイトと共にいる。
アタッシュケースを握りしめ、周囲を警戒している。その姿は往年の勇姿とは違い、肩が落ち、息遣いも浅い。
「・・・本当に大丈夫ですか」
声を掛ける俺にオールマイトは笑顔を作った。その瞳の奥に僅かな怯えを見逃すことはできない。
「安心してくれ。この程度のことは何度も乗り越えてきたんだ」
その言葉の重さが背中に圧し掛かる。彼の身体は限界を超えているはずだ。それでもオールマイトは進む。それが彼の信念なのだろう。
地下から不吉な唸り声が聞こえてきた。
「・・・来るぞ」
俺たちはすぐに構える。地面が揺れだし、地中から黒い塊が湧き出した。一体また一体と姿を現す脳無。彼らの無機質な目が俺たちを見据える。個性を奪い取るために生まれた怪物たち。その数は数十体に及び、それぞれが異なる恐ろしい能力を秘めていることが明白だ。
重油を煮詰めたような暗がりが地底を支配する。湿った空気は錆びた鉄と腐敗臭で濁り、静寂を破っていた。
その空間に突如、獣の咆哮が轟く。
「GAAAAAAA!」
巨大な鋼骨梁を踏み砕きながら這い出してきたのは十数体の脳無。
剥き出しの筋組織に血管が脈打ち、眼球は白濁した薄膜で覆われていた。彼らの体表は黒紫色の樹脂膜に覆われ、一部が無理やり引き千切られた衣服が垂れ下がっている。
その異形の中から五体がゆっくりと前に出てきた。
そして、その腰にはドライバーがある。
各々は、そのまま構えると共に、変身したのはライダー。その中には、既に暴走しているのか変身の際のエフェクトが乱れていた。
「アウトサイダーズか」
そこに立っていたライダー達は、かつてアウトサイダーズとして、自らの悪に従って戦った存在。
だが、そこには、そんな意思すらない。
「・・・皮肉としか言えないな、この状況は」
「あぁ、そうだな」
それと共に、オールマイトはアタッシュケースから、それを取り出す。
「最初に、それをイータが作ったって聞いた時は本当にヤバいと思った。けれど、それの改造方法も、あまりにもヤバ過ぎた」
「それでも、これは、ここまで、私が培ってきた縁。ならば、それに応えるのも、またヒーローとしての役割」
そう、アタッシュケースから取りだしたそれを腰に装填する。
『ゼインドライバー!』
オールマイトは、そのままもう一つのアイテムである仮面ライダーゼインプログライズキーを起動させる。
『ゼイン』
起動させたプログライズキーを、そのまま横に構えながら、ゆっくりと息を吸う。深く、肺腑の奥底まで酸素を取り込む。決意の瞬間が近づいている。彼の表情は凛としていた。そして。
「変身!」
その声とともにオールマイトはゼインドライバーに仮面ライダーゼインプログライズキーを装填。この瞬間が、人々にとっての救済となることを信じて。
『ゼインライズ! JUSTICE! JUDGEMENT! JAIL!』
次の瞬間——四つの光球が宙に浮かび上がる。
地球の衛星写真。青く輝く水の惑星が回転し始める。
滝が流れ落ちるファンタジーめいた浮島。虹色の飛沫が弧を描く。
赤く輝く宇宙と二つの恒星。恒星から迸るエネルギーが螺旋を描く。
荒廃した都市。瓦礫の山の向こうに見える破壊された塔。
オールマイトは静かに目を閉じる。
それは、倒す為ではなく人々の笑顔の為に戦う為に。過去の罪を贖うかのように、己が守護者として立ち向かう決意を固めて。
それと共に光球が彼と一体化していく。
刹那、空間が歪み爆発的な閃光が辺りを包み込んだ。地面が揺れ黒煙が晴れるとそこには純白の鎧に包まれた戦士が佇んでいた。
仮面ライダーゼイン。
かつては独善的な正義で戦ったその力が、今こそ本当の意味での正義のために使われる時がきたのだ。それはまるで奇跡のような瞬間だった。
光が収まり眼前には驚愕の表情で硬直する脳無達。
「さぁ、私達が来た!」
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