薄暗い病院の廊下でゼータは影のように足音を消していた。彼女の任務は超常解放戦線の内部情報
の収集だ。だが今、その目的は別の緊急性を帯びてきた。
角を曲がった瞬間、青白い炎がゆらめく姿が目に飛び込んできた。荼毘だ。彼は瓦礫の上で悠然と座り込み、無造作に金属片を弄んでいる。その蒼い瞳がこちらを捉え、ニヤリと嗤った。
「ほぅ、ゼータが一人で潜入とは」
「へぇ、相変わらず復讐を目的に動いているようだね」
そう、目の前にいる荼毘に対して、ゼータは皮肉を込めるように言う。
「・・・知っているのか」
それと共に荼毘は立ち上がって答える。
「そりゃね。お前みたいなのは分かりやすいからね」
その返答に対して、ゼータはため息を吐いた。
「特に、復讐の為に生きようとする奴の心理は手に取るようにね」
「・・・へぇ、お前もそれを目的に生きていた感じか」
荼毘は、そのままゼータの瞳の奥にあるだろう黒い感情を理解したように笑みを浮かべる。
「まぁ、一時はね。今となってはね」
「そうだよなぁ、お前にはあのヒーローがいるからなぁ、見捨てられた俺とは違ってなぁ!」
荼毘は、その言葉を呟くと共に、腰に現れたのは。
「・・・ドライバー」
「これまで散々苦しめられたけどよぉ、今度はこっちも使わせて貰おうかぁ」
それと共に、荼毘は。
「変身」
荼毘の声と共に空間が歪んだ。彼の腰に巻かれたベルトから魔法陣が広がる。
「・・・・・・あれは」
その瞬間だった。魔法陣が不気味な紫へと変容する。本来のウィザードリングとは違う禍々しい魔力が噴き出し、黒煙が渦巻く。
機械的な警告音と共に魔法陣が荼毘の肉体を覆う。炎が体内から暴発し、彼の肌を焼け爛らせた皮膚から青白い炎が噴射する。
「ぐっ……があぁぁっ!」
変身中の苦悶が廊下に響く。装甲が形成される度に肉を裂くような音がした。黒い魔法衣が炎を纏う。
「・・・ダークウィザード」
その姿を、ゼータは知っている。
「はははぁ!良いよなぁ!!これが絶望の力だよなぁ!!」
ダークウィザードの仮面の下で、荼毘は哄笑を上げた。通常のウィザードとは対極の漆黒の装甲。瞳だけが鬼火のように蒼く灯っている。
「お前も経験しただろぉ!愛する人に忘れられる気持ちを!!」
ダークウィザードの掌から蒼い焔柱が天井を貫く。焦げた金属の匂いが鼻を刺した。
「・・・復讐に対して、私は何も言わない。けどね」
そうしながらも、ゼータはその手にあるプログライズキーを起動させて、ゆっくりと構える。
「だからこそ、ここで止めるよ」
3rd舞台となる世界は?
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戦隊レッド異世界で冒険者になる