灼熱の炎が渦巻く地下空洞。壁面の岩石が融解し、黒煙が視界を覆う。中心で蠢くのは、異形の筋繊維に覆われた脳無だった。全身から噴出する炎のエネルギーは周囲の大気を歪ませるほど。
「……ふわあ……」
イータは、両手をポケットに入れながら大きな欠伸を洩らす。
足元のアスファルトが軋みながら、その手には既にネビュラスチームガンを手にして、冷蔵庫フルボトルを瞬時に装填する。
「……熱すぎ………」
その瞬間、ネビュラスチームガンの銃口を軽く振ると、蒼い粒子が虚空に散り、冷気を纏った霧が漂う。瞬く間に空気が凍りつき始める。
「……分子運動……抑制限界突破……」
眠そうに目を擦る彼女の足元から氷柱が急速に成長。地面全体に亀裂が走り、無数の水晶の棘となって脳無を包囲する。
「ちょっと休憩させてあげるのです〜」
そう言い捨てると、彼女は小鳥遊邸から持ち込んだ巨大クッションを床に広げ、うとうとと横になってしまう。
「うおおおぉぉ!!ぶっぱなすのです!!」
デルタが一直線に疾走する。拳を握りしめるだけで周囲の石畳が粉砕され、破片が火花を散らす。
「雌猫も一緒にやるのですよ!!」
唐突な呼びかけにゼータが眉をひそめながらも追随する。
「うるさい馬鹿犬。少しは落ち着きなさい」
二人の軌跡が交錯し、地面を抉る。同時に跳躍する姿は鏡合わせの双剣の如く美しくも狂暴。
空中でデルタの拳が燃え盛る。太陽フレアのように放射状に火炎が炸裂する。
「どっせい!!」
デルタは勢いそのままに氷壁ごと殴りかかる。衝撃波が空間を震わせ、凍てついた空間に烈日が打ち込まれる。
ゼータの脚が月光を纏う。滑るように降下した後ろ回し蹴りが命中。透明な斬撃が氷柱の網目を通り抜け、脳無の防御層を割断する。
「先に行くのはわたしですっ!」
デルタが吠えながら加速。ゼータが静かに微笑んで追い抜く。
「馬鹿犬はそこで見てろ。わたしの方が先だ」
互いの吐息すら絡み合う距離。接触寸前にゼータの右脚がデルタの背を支えるステージとなり、デルタがその上から跳躍。連携の妙技。
『FINISH MODE LASER VICTORY』『アメジストインパクト!』
二重の電子音が重なり合う。デルタは右手に輝く光輪を掲げ、ゼータは左脚に紫電を帯びる。
同時に発動――デルタの直角軌道とゼータの螺旋軌道が交わり、熱と冷がぶつかり合う刹那に真空が生じる。雷鳴と雪崩の合奏が脳無を飲み込み。
「終わりましたぁ〜!」
それと共に見つめた先には、ダークウィザードとなっていたドライバー。
そのドライバーが割れた事によって、その進行は完全に止まる。
「あとは」
それと共に未だに残っているだろう戦いにゼータは見つめながら。
3rd舞台となる世界は?
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