悪魔と呼ばれ慣れて 2nd   作:ボルメテウスさん

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限界を超えろ(デルタ)

デルタは変身すると共に、真っ直ぐとキャマラスワームと対峙する。

 

「デルタの力を見せてやる!」

 

デルタは地面を蹴り、瞬時にキャマラスワームとの距離を詰める。

 

キャマラスワームは巨大な鉤爪を振りかざすが、デルタの動きの方が速い。

 

両手の爪が交差するように振るわれ、キャマラスワームの鉤爪と衝突する。

 

青白い火花が散り、互いの武器が激しく軋む音が響く。

 

「グオオッ!」

 

キャマラスワームの咆哮が響き渡る。

 

デルタはさらに踏み込み、もう一撃を加えようとした—その時。

 

「!」

 

デルタの目が大きく見開かれる。

 

一瞬前まで眼前にいたはずのキャマラスワームが消えたのだ。

 

「クロックアップ……!」

 

周囲の景色がスローモーションになる。

 

デルタは反射的に全身の毛を逆立て、研ぎ澄まされた嗅覚を最大限に活用する。キャマラスワームの体臭を捉えようと集中する。

 

そして—

 

「そこ!」

 

デルタは鋭く振り返り、背後から迫るキャマラスワームに応戦する。

 

だが、相手もまた高速で動いている。デルタの反応が追いつかず、鉤爪の先端が彼女の肩を掠める。

 

「くっ!」

 

痛みと共に出血するデルタ。

 

それでも彼女は怯まず、両手の爪を再び構える。

 

「まだまだ!デルタはこんなことで負けない!」

 

クロックアップにより人間の目では捕捉できない速さで攻撃を繰り出すキャマラスワーム。デルタは嗅覚を頼りに迎撃を試みるが、全てを防ぎきることは難しい。

 

鉤爪が再び襲いかかり、デルタの服を切り裂く。鮮血が飛び散るが、彼女は痛みを押し殺して吠える。

 

「だったらぁ!!」

 

デルタはポケットから取り出したプログライズキーを握り締め、その赤いボタンを連打した。

 

『DE・DE・DE・DELTA!』

 

プログライズキーから鳴り響く独特の音声。それに呼応するようにデルタは、そのまま四足歩行に姿勢を変えた。

 

「うおおおおお!!!」

 

デルタの咆哮が路地裏に響き渡る。その姿は人の形を保ちながらも獣の本能を剥き出しにした異形。狼としての本性を解放し、闘争本能が爆発的に高まっていく。彼女の周りに青白い光が渦巻き始め、周囲の空気が振動する。

 

「行くぞ!」

 

デルタの両目が青く輝き、その瞳孔が細く収縮した。嗅覚だけでなく聴覚までもが研ぎ澄まされ、クロックアップしているキャマラスワームの呼吸音までも捉える。四足で地面を蹴ると、一瞬で姿が消えるほどの速度で動き出す。

 

キャマラスワームは予測不能な動きでデルタを翻弄しようとするが、今度はデルタが相手を追い越す。青い光を残像として描きながら、その獣の速さでキャマラスワームに接近する。

 

「デルタの力!見せてやる!」

 

爪を大きく振りかぶり、キャマラスワームの装甲に深く食い込ませる。

 

「グオォォッ!」

 

悲鳴を上げるキャマラスワーム。

 

しかし、敵も負けてはいない。右腕の鉤爪を振り回し、デルタを弾き飛ばそうとする。

 

空中で体勢を立て直したデルタは再び突進。

 

「うおおぉぉぉ!!」

 

青い閃光となったデルタがキャマラスワームを貫く。

 

鮮血が飛び散る中、キャマラスワームは膝をつき、その身体が震え始める。

 

「これで、終わりだぁぁ!!」『SUPPORT MODE!LASER CHARGE』

 

紫電が空間を切り裂いた。

 

デルタの全身から放たれた紫色の光が凝縮され、両手の爪を通してキャマラスワームの胸板を貫通する。

 

「ギャアアアッ!」

 

キャマラスワームの悲鳴が路地裏に響き渡る。光は内部から敵を焼き尽くし、その巨体が内側から膨張し始めた。

 

「これで終わりだぁぁ!!」

 

『SUPPORT MODE!LASER CHARGE』

 

デルタの声とプログライズキーの音声が重なり、紫の光線が爆発的に広がる。

 

キャマラスワームの体は耐えきれずに弾け飛び、青い液体が四方に飛び散った。デルタは空中で身を翻し、爆発の中心から離脱する。

 

煙が晴れると、そこに残されたのは粉々になった異形の欠片だけだった。

 

「はぁ……はぁ……」

 

デルタは四足歩行から人型に戻りながら、肩で息をする。その身体は汗で濡れ、傷跡から血が滲んでいる。

 

「変身解除……」

 

プログライズキーを抜くと、デルタの身体から放たれていた光が収束していく。紫色の光が消えると、彼女の姿は元のヒーロースーツに戻った。

 

「あー!勝ったぁ!」

 

喜びの声を上げながらも、デルタはすぐに膝をつく。戦闘の疲労が一気に押し寄せたのだ。

 

「デルタさん!すっごーい!」

 

遠くで見ていたトガが歓声を上げながら駆け寄ってくる。彼女は興奮した様子で目を輝かせている。

 

「デルタさんってば、本当に強いんですね!あんな化け物を倒しちゃうなんて!」

 

デルタは疲れた表情でトガを見る。

 

「ふん……デルタはボスに鍛えられてるからな」

 

そう言いながらも、内心では自分の限界を痛感していた。これほどの消耗は久しぶりだった。

 

トガはさらにデルタに近づき、手を伸ばす。

 

「ねぇねぇ!デルタさんのこと、もっと教えてくださいよ!」

 

無邪気な笑顔で迫るトガに対し、デルタは反射的に身構えた。彼女の笑顔の奥にある何かが不安を煽る。

 

「いや……今はダメだ。お前も帰れ」

 

デルタは立ち上がり、傷を隠すように服を整える。

 

「えー?なんでですか?デルタさんの血、ちゅーちゅーしたいですよ」

 

「もぅ疲れたから嫌ですぅ!!!」

3rd舞台となる世界は?

  • 魔法少女リリカルなのは
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • アカメが斬る!
  • ブルーアーカイブ
  • 戦隊レッド異世界で冒険者になる
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