火花が散り、黒い装甲が崩れ落ちる直前――
オール・フォー・ワンはなおもその醜悪な微笑を浮かべていた。
「……ふふ。やっぱり君は“良い”。素晴らしいよ……ディケイド。いや、“悪魔”かな?それとも、世界の破壊者かな?」
膝をついているはずのダークディケイドの口調は、不自然なほど余裕があった。
割れたマスク越しに覗くその表情は、痛みも恐怖もなく、ただ愉悦だけに染まっている。
あの気色悪い、全てを俯瞰した支配者の眼。
俺は一歩、踏み込んだ。
「笑ってられるのも今のうちだ。ここで終わらせ――」
その瞬間だ。
オール・フォー・ワンの周囲に、淡く揺れる七色の光帯が発生した。
空気が震え、光が膨張する。
「……ッ、オーロラカーテンだと!?」
俺の叫びが響く。
しかし反応する間もなかった。
目の前のオール・フォー・ワンは、身体の半分がもう光に飲まれていた。
敗色濃厚なはずの怪物は、なおも余裕の笑みを浮かべ、俺を指差す。
「怒りのままに斬る君は美しい……だけど」
歪んだ笑みがさらに深くなる。
「せっかくだ。舞台を変えよう。ヒーローの象徴へ――ね?」
「待てオール・フォー・ワン!!」
手を伸ばすが、光の奔流が一気に炸裂した。
凄まじい風圧。視界を裂く七色の光。
空間が引きちぎられるような重低音が響き――
世界が裏返った。
次に視界が晴れた時、俺たちはそこにいた。
――雄英高校のグラウンド。
崩れかけた空気の中、見慣れた校舎が月光に照らされて立っている。
ヒーロー科が訓練に使う広いスペース。
学生たちの汗。努力。夢。その全てが息づく教場。
そこへ。
弔を連れた創世王の異形と、俺、そしてオール・フォー・ワンが転移してきた。
そして――オール・フォー・ワンは、追い詰められた状況だというのに、まるで散歩にでも来たかのように肩をすくめた。
「ヒーローも、それから“仮面ライダー”も……」
彼の手が弔の肩に触れる。
「守るものが多いと大変だねぇ」
その声は底知れず甘く、なおかつ残酷だった。
俺を挑発し、ここで誰かを人質にする未来を想像しているのが、嫌でも伝わってくる。
怒りが胸の底で再び爆ぜる。
「……てめぇ……ッ!」
激情態の力が、爆発する寸前の火山みたいに体内で滾る。
一方でオール・フォー・ワンは、薄闇の中でゆっくりと構えた。
まるで、ここが“戦場として最適”だとでも言うように。
「さあ――第2幕だ、ディケイド」
創世王の異形が背後で咆哮する。
俺は顔をしかめ、弔は影の中で蠢き、
そして雄英高校の夜が、戦場へと変貌していく。
俺だけが、この“悪夢の中心”で色を変える。
激情態の紫光が、さらに濃く――禍々しく――輝いた。
3rd舞台となる世界は?
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