数日後、ゼータ達は街の一角にある廃墟の近くに立っていた。
「ここが噂の場所か」
ナックルダスターが低い声で呟く。周囲は薄暗く、人気はない。
「確かに怪しいわね」
ラブラバが警戒しながら言う。
「どうする?」
ジェントルが小声で尋ねると、ゼータは決意を固めた表情で答えた。
「行くしかない。覚悟はできてるわよね?」
一同は頷き合うと、慎重に歩みを進めた。
廃墟の中は荒れており、埃っぽい空気が漂っていた。壁には落書きが施され、床には瓦礫が散乱している。
「誰もいないのかな……?」
不安げな声を上げるジェントルに、「気配はある」ナックルダスターは静かに言った。
その直後、奥の方から微かな物音が聞こえてきた。
ゼータ達は互いに目配せを交わし合いながら進んでいく。
すると突然———
「来たわね」
暗闇から一人の女性が姿を現した。全身を漆黒の衣装で包み、顔には仮面をつけている。
「お前が女王蜂か?」
ナックルダスターが問いかけると、彼女は無言のまま頷いた。
「どうしてこんなことをした?」
ゼータの質問に対しても答えず、不気味な笑みを浮かべるばかりであった。
「……答えるつもりはないということか」
ジェントルが苦々しげに言う。
しかし次の瞬間———
「あははっ! 答えるわけがないでしょう? だって私は————」
彼女がそう言いかけたところで———
「ハァァ!!!」
怒号とともに飛び出してきたのは、なんとナックルダスターであった。
彼は驚異的なスピードで彼女との間合いを詰めると、容赦なく拳を繰り出した。
「えぇぇ!いきなり!」
「容赦なし!!」
あまりにも突然の行動に、ジェントルとラブラバは思わず悲鳴をあげる。
だが、次の瞬間———
「あははっ!遅い!」
彼女は軽やかな動きでナックルダスターの拳を避けると同時に、反撃に出た。
彼女の手からは何か液体のようなものが噴射され、それがナックルダスターの身体に降り注ぐ。
「ぐっ!」
痛みに顔を歪めながらも、ナックルダスターはすぐに距離を取った。
「あれは何?毒?」
ゼータが心配そうに尋ねる。
「わからない……だがただの毒ではないようだ……」
ナックルダスターの顔には脂汗が滲んでいる。
「あははっ!さすがはナックルダスター。よくわかったわね。これは、あんたもよく知っている個性『女王蜂』の発展型よぉ」
「ちっ」
そうしながらも、ナックルダスターはその場を動く事が出来なかった。
「ナックルダスター君!」「ちょっ、大丈夫なの」
「あぁ、あんまり動かない方が良いよ、だって、私はお前から初めて、復讐をしたいのだから」
「復讐?それって一体」
「決まっているじゃん!灰廻航一に!私の兄を殺した奴への復讐だよ!」
「兄?まさか、てめぇ、あいつの」
「知っているの?」
ナックルダスターが何やら、訳を知っている様子。
「俺も分からない事が多すぎるがな、まぁ、けどな、それは逆恨みだろうがよ」
「そんなの関係ないよねぇ!!」
それと共に、彼女の姿は変化する。彼女は怒りと共に全身から大量の蜂蜜のような液体を放ちながら、その身に新たな装甲を纏っていく。赤い眼がさらに輝きを増し、乳白色の肌とショートヘアーを模した琥珀色の髪が煌めき始める。
その姿はまさに蜂を象徴するようなデザインだ。両腕は蜜のような金色の鎧で覆われ、その先端には鋭利な針が生えている。特に人差し指は長く伸びて鋭く尖り、まるで毒針のように危険な存在感を放っている。
彼女の口元もまた特徴的だ。一見すれば愛らしいあひる口のようだが、実際は蜂の顎を模した牙が覗いている。その表情には怒りと憎しみが込められており、まるで彼女の内面から湧き出る感情そのものを表現しているかのようだ。
髪型も印象的で、簪のように立ち上がった丸みのある角のようなアクセサリーが特徴的だ。足元は鼻緒のある草履のような装飾が施されており、袖口は翅のような形をしている。全体的には和風の巫女装束をモチーフにしたデザインでありながらも、現代的なアレンジが加えられた独特のスタイルとなっている。
その姿は美しさと同時に恐ろしさを感じさせ、見る者すべてを圧倒するような迫力を備えていた。
「どうだ?この姿を見てもまだ私を止められると思うのか?」
彼女の声は冷たく響き渡る。その答えは。
「止められるよ、むしろ、それを止める為に来たのだから」
『AMETHYST!オーソライズ!』
ゼータの握るプログライズキーから紫色の光が溢れ出し、その場の空気が一変する。
金属質な音色が空間を震わせ、ナックルダスターは思わず身構えた。
「なんだ、それは」
そう、思わず疑問の声を出した。
だが、クイーンビー・デットマンだけは理解した。
「お前っまさか!」
それと共にゼータの腰には、何時の間にかゼロワンドライバーを装着されており。
「変身」『プログライズ!AMETHYSTBAT!』
その瞬間、ゼロワンドライバーから眩い紫の光が放たれ、同時にアメジストカラーの巨大な蝙蝠が飛び出した。
蝙蝠は空中を舞いながらゼータの体を包み込み、まるで魔力の膜のように広がっていく、紫と白の閃光が周囲を照らし出した。
変身プロセスが始まるとともに、その姿は完全に一変していく。
まず彼女の胸部が目を引いた。
装甲が露骨に女性的な曲線を描き、胸の谷間が強調されている。そして腰周りも大きめに作られ、女性特有のメリハリのある体型が際立っていた。
全身を覆うのは魔法使いを思わせる純白のローブで、風に靡く裾は優雅さを感じさせる。その下からは紫を基調としたプロテクターが露出し、まるで宝石のような輝きを放っていた。
特に目を引くのは、身体の各部に埋め込まれた紫色の宝石だ。胸元や肩、肘などに配置されたそれらは単なる装飾ではなく、エネルギーの源となっていることが窺えた。
頭部のデザインも独特で、蝙蝠をモチーフにした仮面が彼女の顔を覆っていた。丸みを帯びたシルエットの中に紫色の光が宿り、瞳の部分からは鋭い眼光が覗いている。
全体的なカラーリングは白と紫が基調となっており、まるで夜空に輝く星々のような神秘的な雰囲気を醸し出していた。
「これは、一体」
「仮面ライダーセレーネ、それが私の名だよ」
3rd舞台となる世界は?
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