悪魔と呼ばれ慣れて 2nd   作:ボルメテウスさん

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師弟と巨悪

倒れた緑谷とオールマイト。その腕の中で、弔はかすかに息をしている。

全員が限界を超えたこの戦場で──

それでもまだ立ち続けている存在がいた。

 

オール・フォー・ワン。

 

「やれやれ……弔を奪還されるとは、想定外だよ。

 だが──世界を飲み込むプランに支障はない」

 

その声と共に、ダークディケイドの装甲が変色する。

紫黒のオーラが噴き上がり、ゲートのような脈動が背中に広がっていく。

 

次の瞬間──

装甲が爆ぜ、全身のカードスロットが異様な形へ膨張した。

 

十字のラインは裂け、紫の眼がにじむように複数現れる。

手足にはダークライダーの紋章が脈動し、背中から黒い“歪んだゲート”がいくつも開く。

 

まるで“世界を侵食する災厄”のような姿だ。

ディケイドを模しながらも、そこには俺の知る“旅する力”は微塵もない。

ただ破壊と征服の意志だけが、剥き出しになっている。

 

(……ディケイドを、こんな歪み方で使うなよ)

 

俺が一歩踏み込むと──

隣にもう一つの足音が加わった。

 

轟焦凍。

 

焦げた制服のまま、火と氷を揺らしながら俺の横に立った。

その目は、決して折れていない。

 

「……まだ動けるのか、轟」

 

「師匠が一人で行くつもりなら……止めなきゃと思って。

 俺はあなたの弟子なんですから」

 

息は荒い。汗も滲んでいる。

だけど、その目だけは鋼のように強い。

 

「それに……緑谷が、あれだけ戦ったんです。

 僕も、もう一歩踏み出さなきゃいけない」

 

俺は思わず苦笑した。

 

「……これだから弟子ってのは、師匠を楽させてくれないな」

 

轟は淡々と答える。

 

「あなたの背中は、僕が支えます」

 

静かだが、重い言葉だった。

 

オール・フォー・ワン──いや、ダークディケイド最終形態が腕を広げる。

その背のゲートから、黒紫の風が噴き出し、校舎の残骸が空へと舞い上がった。

 

「君たち師弟の“絆”というやつ……壊しがいがあるねぇ。

 来なよ……門矢士、そして轟焦凍。

 この世界の未来をかけて──私を超えてみせろ」

 

吹き荒れる黒紫の“世界侵食”の風。

それを受けながら、俺はゆっくりとコンプリートカメンライザーを構えた。

 

「轟。行くぞ」

 

「はい、師匠」

 

肩越しに俺と並び立つ轟。

火と氷。

そして俺のレジェンダリーコンプリートフォーム。

 

二つの力が揃った瞬間──

戦場の空気が変わった。

 

「オール・フォー・ワン……お前の世界はここで終わる。

 俺たちは壊さねぇ。守るために戦ってるんだよ」

 

「僕たちが守る未来に……あなたの居場所はありません」

 

黒と虹色の光、炎と氷の風。

俺は、迫り来るオール・フォー・ワンの異形――

ダークディケイドの姿を睨みつけながら、隣に立つ轟に視線を向けた。

 

彼の呼吸は静かだ。

だが、その掌からあふれる炎と氷は、

確かに揺れていた。

迷いや恐怖ではない。

“覚悟”の揺らぎだ。

 

――この戦場に立っても折れない強さ。

それが、俺の弟子である証だ。

 

「轟」

 

名前を呼ぶと、彼は一瞬だけ俺を見た。

 

「……師匠」

 

短いが、芯の通った返答だった。

 

ならば、迷う理由はどこにもない。

俺は腰のコンプリートカメンライザーに二枚のカードをスキャンする。

 

《RYUKI》《OOO》

 

刹那、空気が震えた。

黄金の紋様と氷紫の紋様が絡み合い、俺の掌に渦を巻く。

 

「轟。これは――お前だから託せる力だ」

 

轟の瞳が僅かに揺れる。

 

俺は構えを取り、右腕を大きく振りかぶった。

 

「受け取れッ!!」

 

コンプリートカメンライザーが吼える。

 

『RYUKI! FINAL KAMENRIDE!PUTOTYRA!』

 

龍騎サバイブの赤炎が走り、

プトティラの白紫の冷気が爆ぜて、

二つの渦が轟の胸へ一直線に吸い込まれる。

 

轟の髪が風で舞い、炎と氷が同時に弾けた。

 

次の瞬間――

 

轟の身体を、赤炎と白氷がまとう。

まるで“氷炎の暴竜”が人の姿を借りて立ち上がったようだった。

 

龍の炎翼。

ティラノの氷爪。

赤と紫が混ざり合った装甲が、轟を新たな戦士へと昇華させる。

 

轟は拳を握り、低く息を吐いた。

 

「……行きます、師匠」

 

氷を纏った右拳から冷気が噴き、

炎を帯びた左拳から爆ぜる音が響く。

 

掛け声と共に、轟が地を蹴った。

 

「――炎と氷、両方で終わらせる!!」

 

爆風が巻き起こる。

 

“龍騎サバイブ × プトティラ”

そのもしもの融合ライダーの力を宿した轟が、

ダークディケイド=オール・フォー・ワンへ一直線に突撃していく。

 

俺はその背を見送りながら、再び構えた。

 

「行くぞ、轟。今度は俺たちが――この世界を守る番だ」

3rd舞台となる世界は?

  • 魔法少女リリカルなのは
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • アカメが斬る!
  • ブルーアーカイブ
  • 戦隊レッド異世界で冒険者になる
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