倒れた緑谷とオールマイト。その腕の中で、弔はかすかに息をしている。
全員が限界を超えたこの戦場で──
それでもまだ立ち続けている存在がいた。
オール・フォー・ワン。
「やれやれ……弔を奪還されるとは、想定外だよ。
だが──世界を飲み込むプランに支障はない」
その声と共に、ダークディケイドの装甲が変色する。
紫黒のオーラが噴き上がり、ゲートのような脈動が背中に広がっていく。
次の瞬間──
装甲が爆ぜ、全身のカードスロットが異様な形へ膨張した。
十字のラインは裂け、紫の眼がにじむように複数現れる。
手足にはダークライダーの紋章が脈動し、背中から黒い“歪んだゲート”がいくつも開く。
まるで“世界を侵食する災厄”のような姿だ。
ディケイドを模しながらも、そこには俺の知る“旅する力”は微塵もない。
ただ破壊と征服の意志だけが、剥き出しになっている。
(……ディケイドを、こんな歪み方で使うなよ)
俺が一歩踏み込むと──
隣にもう一つの足音が加わった。
轟焦凍。
焦げた制服のまま、火と氷を揺らしながら俺の横に立った。
その目は、決して折れていない。
「……まだ動けるのか、轟」
「師匠が一人で行くつもりなら……止めなきゃと思って。
俺はあなたの弟子なんですから」
息は荒い。汗も滲んでいる。
だけど、その目だけは鋼のように強い。
「それに……緑谷が、あれだけ戦ったんです。
僕も、もう一歩踏み出さなきゃいけない」
俺は思わず苦笑した。
「……これだから弟子ってのは、師匠を楽させてくれないな」
轟は淡々と答える。
「あなたの背中は、僕が支えます」
静かだが、重い言葉だった。
オール・フォー・ワン──いや、ダークディケイド最終形態が腕を広げる。
その背のゲートから、黒紫の風が噴き出し、校舎の残骸が空へと舞い上がった。
「君たち師弟の“絆”というやつ……壊しがいがあるねぇ。
来なよ……門矢士、そして轟焦凍。
この世界の未来をかけて──私を超えてみせろ」
吹き荒れる黒紫の“世界侵食”の風。
それを受けながら、俺はゆっくりとコンプリートカメンライザーを構えた。
「轟。行くぞ」
「はい、師匠」
肩越しに俺と並び立つ轟。
火と氷。
そして俺のレジェンダリーコンプリートフォーム。
二つの力が揃った瞬間──
戦場の空気が変わった。
「オール・フォー・ワン……お前の世界はここで終わる。
俺たちは壊さねぇ。守るために戦ってるんだよ」
「僕たちが守る未来に……あなたの居場所はありません」
黒と虹色の光、炎と氷の風。
俺は、迫り来るオール・フォー・ワンの異形――
ダークディケイドの姿を睨みつけながら、隣に立つ轟に視線を向けた。
彼の呼吸は静かだ。
だが、その掌からあふれる炎と氷は、
確かに揺れていた。
迷いや恐怖ではない。
“覚悟”の揺らぎだ。
――この戦場に立っても折れない強さ。
それが、俺の弟子である証だ。
「轟」
名前を呼ぶと、彼は一瞬だけ俺を見た。
「……師匠」
短いが、芯の通った返答だった。
ならば、迷う理由はどこにもない。
俺は腰のコンプリートカメンライザーに二枚のカードをスキャンする。
《RYUKI》《OOO》
刹那、空気が震えた。
黄金の紋様と氷紫の紋様が絡み合い、俺の掌に渦を巻く。
「轟。これは――お前だから託せる力だ」
轟の瞳が僅かに揺れる。
俺は構えを取り、右腕を大きく振りかぶった。
「受け取れッ!!」
コンプリートカメンライザーが吼える。
『RYUKI! FINAL KAMENRIDE!PUTOTYRA!』
龍騎サバイブの赤炎が走り、
プトティラの白紫の冷気が爆ぜて、
二つの渦が轟の胸へ一直線に吸い込まれる。
轟の髪が風で舞い、炎と氷が同時に弾けた。
次の瞬間――
轟の身体を、赤炎と白氷がまとう。
まるで“氷炎の暴竜”が人の姿を借りて立ち上がったようだった。
龍の炎翼。
ティラノの氷爪。
赤と紫が混ざり合った装甲が、轟を新たな戦士へと昇華させる。
轟は拳を握り、低く息を吐いた。
「……行きます、師匠」
氷を纏った右拳から冷気が噴き、
炎を帯びた左拳から爆ぜる音が響く。
掛け声と共に、轟が地を蹴った。
「――炎と氷、両方で終わらせる!!」
爆風が巻き起こる。
“龍騎サバイブ × プトティラ”
そのもしもの融合ライダーの力を宿した轟が、
ダークディケイド=オール・フォー・ワンへ一直線に突撃していく。
俺はその背を見送りながら、再び構えた。
「行くぞ、轟。今度は俺たちが――この世界を守る番だ」
3rd舞台となる世界は?
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