悪魔と呼ばれ慣れて 2nd   作:ボルメテウスさん

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師弟の風

 轟の周囲で、炎が唸りを上げた。

 それは彼自身の個性の炎ではない。龍騎サバイブの力――生き残るために燃え上がる、暴力的な炎だ。

 

 サバイブの炎は止まらない。

 プトティラの氷結衝動と噛み合い、轟の身体の内側で循環している。

 凍らせ、燃やし、砕く。そのすべてを同時に成立させる、明らかに常軌を逸した力だ。

 

 轟が踏み込むたび、地面が焼け、次の瞬間には凍りつく。

 炎は突進力、氷は制御。

 龍騎サバイブの炎が主導し、轟の個性がそれを補強していた。

 

 だが――ダークディケイドは、笑った。

 

 ゆっくりと腕を上げる。

 重力操作。空間圧縮。衝撃波。

 すべてが個性による攻撃だが、動きに一切の無理がない。

 

(……負担が、ない)

 

 ディケイドの器が、オール・フォー・ワンの個性を完全に支えている。

 全盛期に近い力で、連続使用してやがる。

 

 轟の渾身の一撃。

 龍騎サバイブの炎を最大出力まで高め、氷で一点に収束させた斬撃――

 しかし、それは一瞬で砕け散った。

 

 攻防は刹那。

 あまりにも短く、残酷。

 

 ダークディケイドは肩をすくめ、嘲る。

 

「借り物の力で、ここまでか」

 

 その瞬間、轟が静かに言った。

 

「……油断し過ぎじゃないのか」

 

 俺は、もう動いていた。

 

 砕けた炎と氷――その“残滓”の中を踏み込み、

 レジェンダリーコンプリートフォームの力を解放する。

 

「通りすがりで終わると思うなよ……!」

 

 拳に集束するのは、龍騎サバイブの炎を増幅した破壊の衝動。

 カードが共鳴し、装甲が唸る。

 

「――はぁぁぁッ!!」

 

 振り抜いた拳が、ダークディケイドの胸部に直撃した。

 

 爆炎が炸裂し、衝撃波が校庭を薙ぎ払う。

 オール・フォー・ワンの身体が宙を舞い、瓦礫を巻き込みながら吹き飛ばされた。

 

 俺は息を吐き、前を見据える。

 

「コントロール、上手くなっているな!」

「勿論!まだ鍛錬しているから!」

 

 瓦礫の向こうで、オール・フォー・ワンがゆっくりと立ち上がる。

 あの圧……まだ余力がある。

 なら――ここで決める。

 

 俺は一歩前に出て、轟を見た。

 

「轟。次は二人で行く」

 

「……はい、師匠!」

 

 頷いた瞬間、俺の身体に“分離”の感覚が走る。

 

『REVI! FINAL KAMENRIDE!

 CYCLONE! JOKER! EXTREME!』

 

 漆黒の衝動が形を成し、拳に集束する。

 無駄のない、ジョーカーの戦闘本能。

 

 続けて、轟の側で風が爆ぜる。

 

『VICE! FINAL KAMENRIDE!

 CYCLONE! JOKER! EXTREME!』

 

 緑の疾風が炎と氷を巻き込み、荒々しく加速する。

 衝動を力に変える、バイスの咆哮。

 

 二つの力が交差した瞬間、

 白いX字の光が戦場を切り裂いた。

 

 情報、判断、衝動、加速――

 すべてが噛み合う。

 

 俺と轟は、並んで前を向いた。

 

 同時に、俺達はハイタッチをし、最後の戦いが始まる。

3rd舞台となる世界は?

  • 魔法少女リリカルなのは
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • アカメが斬る!
  • ブルーアーカイブ
  • 戦隊レッド異世界で冒険者になる
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