悪魔と呼ばれ慣れて 2nd   作:ボルメテウスさん

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最強の証明(デルタ)

「ガオオオオオッ!!」

 

ライオンファンガイアの咆哮が路地裏に轟く。その巨体が地を揺らしながら突進する。鉄壁の装甲は弾丸すら通さず、大地を踏み砕く重戦車のような脚力がアスファルトをえぐる。

 

巨大な爪が光を反射し、デルタバルカンへと迫る。

 

「その自慢の鎧ごとぶっ飛ばしてやる!」

 

デルタバルカンの全身が紫のエネルギーで包まれる。

 

変身した彼女の姿は狼の鋭さと装甲車の堅牢さを兼ね備えていた。狼耳型のアンテナが風を切り、両腕には赤く光る爪型のエナジーユニットが展開する。

 

ライオンファンガイアの巨拳が轟音と共に振り下ろされる。

 

常人ならその衝撃だけで粉砕される一撃だ。

 

「グオオオッ!」

 

ズドン!!

 

だがデルタは微動だにしない。

 

デルタは、その片手だけでライオンファンガイアの拳を受け止めていた。掌に赤い光のラインが走り、衝撃が地面に伝わる。

 

ライオンファンガイアの爪が彼女の掌に食い込みかけたが……

 

「……こんなもんですか?」

 

デルタの声は冷静そのものだった。

 

ライオンファンガイアの額に青筋が浮かぶ。

 

「ばかな……このパワーを受け止めただと!?」

 

デルタの拳が静かに構えられる。握りしめた拳から蒸気が噴き出し、関節部のエナジーラインが激しく明滅した。

 

彼女の目は野生の狼のように鋭く輝き、その視線が獲物を捉える。

 

「デルタは雌猫みたいにちょこまか動くのは苦手ですし!」

 

一歩踏み出す。その瞬間、アスファルトが放射状にひび割れた。

 

「イータみたいに小細工も得意じゃないですけど!!」

 

右拳が空気を切り裂く。風圧だけで壁に亀裂が走る。

 

「デルタはぁッ!!」

 

拳がライオンファンガイアの胸部装甲に炸裂する。

 

ゴォンッ!!

 

鈍い金属音と共にライオンの巨体が後退した。

 

「ボスの……最ッ強なんでぇぇぇ!!!」

 

咆哮と共に拳の連打が始まった。

 

まず一発目はアッパーカット。下から突き上げる拳がライオンの顎を直撃する。衝撃で牙が何本か砕けた。

 

「ガハッ!?」

 

続いて二発目はボディブロー。

 

デルタの拳がライオンファンガイアの脇腹にめり込み、装甲の隙間に赤い光線が浸透していく。

 

バキィン!という金属の破断音。

 

「くっ……なんだこの……パワーはッ!?」

 

それと共に、ライオンファンガイアが、ゆっくりと落ちていく。

 

対して、デルタは。

 

『SUPPORT MODE!LASER CHARGE』

 

デルタの拳に紫色の光が渦を巻く。その輝きは夜の闇を切り裂き、空気中の粒子を振動させた。エネルギーが収束する過程で微細な雷撃が迸り、路地裏の壁面に無数の焦げ跡を刻む。

 

彼女の声が咆哮となって路地裏に響き渡る。ライオンファンガイアが動揺した瞬間、デルタは地面を蹴った。彼女の踏み込みの衝撃でコンクリートが放射状に砕け散る。

 

その動きは獣そのものだった。

 

デルタの姿が残像を残して消え——

 

次の瞬間、ライオンファンガイアの懐に紫の閃光が突き刺さった。

 

それによって、ライオンファンガイアは吹き飛ばされ、そのまま変身が解除された。

 

「そんな、俺は、まだ」

 

そうして、ライオンファンガイアが最期に見たのは。

 

「さて、邪魔が終わったし、さっさとやるですよ」

 

「さっきのサポートアイテムはつけないのか」

 

「ボスが言っていた!本気の勝負には不要だって」

 

「良いねぇ!そのボスもあんたも!」

 

ライオンファンガイアに変身していた青年に、眼中はなかった。

3rd舞台となる世界は?

  • 魔法少女リリカルなのは
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • アカメが斬る!
  • ブルーアーカイブ
  • 戦隊レッド異世界で冒険者になる
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