USJの事件が終わり、数日後、日差しがやけに眩しく感じる昼下がりだった。
事務所に戻ると、イータがいつもの白衣姿でデータ整理をしている。
「終わったわね」
彼女はモニターから目を離さずに言った。その横顔には疲れが滲んでいる。徹夜で分析をしていたのだろう。
「ああ。みんな無事でよかった」
椅子に座りながら答える。あの事件は確かに危険だった。
ヴィランの組織は予想以上に計画的で、特にあの脳無という改造人間は危険な存在だった。
「オールマイトに感謝しないといけない」
イータがモニターから目を離し、ようやくこちらを向いた。
「変身していたことは、ヒーローたちが口裏を合わせてくれたおかげで表に出なかったわ」
「助かったよ」
軽くため息をつく。
「俺たちの正体がバレたら、いろいろ面倒なことになるからな」
イータは頷きながらコーヒーを淹れ始めた。
「それにしても……あの脳無は興味深い。普通の人間ではないことは確かよ」
「ああ」
コーヒーを受け取りながら続ける。
「奴は元々人間だったんだろう?」
「そう」
彼女は厳しい表情で言う。
「イレイザーヘッドの個性抹消が効かなかった時点で普通じゃないと思ったけど……解剖結果」
カップを置く音がやけに大きく響いた。。
「本来、馴染み浸透する個性でもない限り一人の人間が複数の個性を宿すことは不可能に近い。けれど、人間の遺体を使う事で個性を何個も無理やり移植させられる。その結果が、脳無という存在。簡単に言えば」
「改造人間」
それは、仮面ライダーにとっては非常に聞き慣れた言葉だ。
だがこの世界では。
「イータ」
「何?」
「ゼータに調べてもらおう」
その言葉に彼女は眉をひそめた。
「なぜ?」
「情報は多い方がいい」
ゆっくりとコーヒーを口に含む。
「脳無の正体だけじゃない。あのスタンプも気になる」
「……分かった」
イータは立ち上がり、スマホを取り出した。
「ゼータに連絡する」
「頼む」
窓の外を見上げる。空はどこまでも青い。
この世界のヒーローたちとは違う存在として戦う日々。
正体を隠しながらも、守るべき人々のために戦う。
それが俺たちの選んだ道だ。
「ツカサ」
イータが呼ぶ声で我に返る。
「今度は何だ?」
「焦凍くんのことだけど」
「ああ」
彼女は珍しく真剣な表情で言う。
「今回のことで彼も何か感じたはずよ」
「……そうだな」
弟子である焦凍のことが頭をよぎる。
あの戦いを目の当たりにした彼は何を思ったのだろうか。
「あの子もいずれ……」
イータの言葉を遮るように、スマホが鳴った。
画面にはゼータからの着信表示。
「早速か」
電話を取る前に、ふと思い出す。
この世界で仮面ライダーとして戦う意味を。
それは単なる正義のためだけではない。
大切な人々を守るため。
そして……。
「電話をこっちに寄こすです!雌猫!」「邪魔をするな!馬鹿犬!!」
まだ、面倒な事が続きそうだ。
3rd舞台となる世界は?
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