体育祭当日。
校門をくぐるなり、俺の耳に届いたのは天地を揺るがすような歓声だった。
校舎までの長い坂道を埋め尽くす人、人、人。雄英の制服をまとった生徒はもちろん、テレビ局のカメラクルーが数十台。さらにはスーツ姿の大人たち——おそらくヒーロー事務所のスカウトマンたちが熱心にノートを取りながら歩いていた。
「久し振りだな雄英体育祭も……」
思わず呟きが漏れる。
普段は厳重なセキュリティで守られている正門ゲートが完全に開放されていた。本来ならICカードをかざさなければ開かない鉄柵扉が今は左右に大きく開かれ、来訪者を拒むものは何もなくなっている。
その代わりと言ってはなんだが——
「おおっと! 入場者は全員ここで簡易身体検査です! 携帯品はお預かりする場合がありますのでご了承ください!」
派手なジャケットに身を包んだスーツ姿のヒーローたちが大声で誘導していた。彼らは皆、“雄英警備チーム”の腕章をつけている。
俺は事前に説明された通り、一般観客に紛れて会場へ向かう。
「ねぇねぇ、あそこの二人見て?」
「うわっ、モデルみたい……」
通りすがりの女子高生たちがゼータを指さして黄色い声をあげる。胸元が大胆に開いたベージュのセーターと、黒のショートパンツから覗く脚線美は否応なしに注目を集めていた。
「……おい」
「なぁに?」
ゼータが悪戯っぽく首を傾げる。長い髪がサラリと揺れて甘い香りが鼻をかすめる。彼女のサングラス越しの視線が挑発的に俺を射抜いた。
「目立たないようにするって言ったのは誰だったか?」
「さっき説明したでしょ? 男避けだって」
ゼータが俺の腕をぎゅっと掴んでくる。柔らかい感触が肘に伝わる。
「……」
確かにこの状況下で下手に声をかけようとするナンパ野郎はいなくなるだろう。逆に俺が窮地に立たされている気もするが。
「それに~」
ゼータが不意に顔を寄せた。
「ツカサ、ちゃんと警備もできるよね?」
耳打ちされた低い声には明らかな期待が含まれていた。
「……当たり前だ」
視線を周囲に走らせながら答える。確かにカップルを演じつつ警戒するのは案外理にかなっていた。一般客の中に紛れた不審者は常に探し続けなければならない。
「ところでさぁ」
ゼータが突然声のトーンを落とした。
「やっぱり、気になるかい?弟子である轟焦凍君の事」
「・・・まぁな、ここがあいつの初舞台だ」
グラウンドからは歓声とアナウンスが絶え間なく聞こえてくる。この喧騒の中でヴィランの些細な兆候を見逃すわけにはいかない。
3rd舞台となる世界は?
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戦隊レッド異世界で冒険者になる