轟という予想外の強力なカードを手に入れた事によって、騎馬戦での試合は緑谷も予想外に勝ち抜いていた。
轟が自在に氷の形を創り出し、緑谷に求めた役割を寸分違わず形にする。
お茶子の"無重力"は予想以上に幅広く使え、味方を浮かせて騎馬の高度を調整するのに役立ったし、発目のサポートアイテムは常識を超えた戦術の可能性を開いた。
俺は警備の傍らで観戦しながら見ていたが、あいつのチームは一つの生物のように連動していた。
緑谷の「考えて答えを出す」能力がチーム全体を統括していたのだ。
あの少年は単なるパワーじゃない。
周囲の人材や環境をフル活用して戦略を練る能力を持っていた。
まるで……かつての俺自身のように。
勝利を収めたチームの解散後、会場の片隅で轟が緑谷に歩み寄るのを目撃した。
轟の表情はいつもの冷静さを保っているようでいて、その奥に燃えるものを感じた。
「……ありがとな。協力してくれて」
轟の声は低く抑えられていたが、不自然な緊張感が漂っていた。
「ううん、こちらこそ! すごく助かったよ!」
緑谷は屈託なく応える。
だが轟はそんな緑谷をじっと見据え、一拍置いた後、こう言った。
「……だがこれからは違う」
突然の宣言に緑谷が戸惑いの表情を浮かべる。
「お前とは真正面から勝負がしたい。次の種目で」
轟の眼光が鋭くなる。
「その、ずっと気になっていたんだけど、轟君と、師匠のディケイドさんって、どんな関係なの?」
その問いかけに対して、轟は少しだけ戸惑った。
しかし。
「・・・一年前、俺は敵に襲われた」「っ」
それと共に、轟から語られた過去。
それは、緑谷にとって、他人事ではなかった。
実際に自分もまた、オールマイトと似たような出会いをしていたのだから。
「そう・・・」
緑谷は、納得したような表情を浮かべる。
「ただ」
轟は、再度口を開いた。
「確かに今の緑谷君はオールマイトに似ているが・・・それ以上に、お前は、ありとあらゆる状況に対応して答えを出している所が・・・俺の師匠であるディケイドに似ている」
轟の目が、どこか遠くを見つめているように感じた。
「ディケイドさんは、どんな状況でも冷静に分析し、最善の方法を見つけ出してくる人だ。個性頼みではなく、知恵と技術で戦う。お前もそうだと思う」
緑谷は驚いた顔で轟を見つめた。
「だからこそ―――」
轟の口調が一層鋭くなる。
「俺はお前を認める。そして」
それは明らかな宣戦布告だった。
だが轟の目には敵意ではなく敬意が宿っていた。
「ディケイドさんは俺の理想だ。だからこそ彼を超えたい。そしてそのためにはお前と戦って、勝つ!」
轟の言葉に嘘はなかった。
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