体育祭は無事終了した。会場を埋め尽くしていた歓声も次第に収まり、夕陽がグラウンドを茜色に染めている。表彰式を終えた選手たちが各々の教室へ戻る中、俺はひとり控室エリアへ足を運んだ。目的はもちろん──
「轟」
扉を開けると、ベンチに座って俯いている弟子の姿があった。肩を震わせているのが分かる。
「……師匠」
ゆっくり顔を上げた轟の目は潤んでいた。悔しさが滲んでいる。三位決定戦で緑谷に競り負けたことが相当堪えているのだろう。あの時の氷結能力は凄まじかったが、緑谷の執念に僅かに及ばなかった。
「優勝できなくて……すみません」
喉奥から搾り出すような声。俺は静かに首を振った。
「謝ることはない。むしろ今日のお前は俺が見てきた中で一番強い」
そう言いながらベンチの隣に座る。轟は膝の上で固く拳を握りしめたまま。
「でも……オールマイトのようには、あの糞親父には……」
エンデヴァーの名前を出すその口調には未だ拭えない複雑な感情が詰まっている。かつて憎み続けた実の父親への距離感は簡単には縮まらない。だが今日は──
「焦凍」
俺はその硬い拳に軽く触れた。
「お前の“ナンバーワン”は誰かに認められてこそ価値があるんじゃない」
轟がはっと顔を上げる。
「お前自身が“俺は最強だ”と胸張って言えるようになればいい」
静かな言葉だったが、俺の想いは伝わったらしい。轟の瞳に微かな光が戻った。
「俺……もっと強くなります。師匠を超えるためにも」
「ふっ」
思わず苦笑が漏れる。生意気な弟子だ。だがそれでいい。若者が目指す目標は大きい方が伸びしろもあるというものだ。
「期待してるぜ」
俺が立ち上がり肩をポンと叩くと同時に──
ガチャッ
控室のドアが乱暴に開かれた。そこに立っていたのは炎をまとった巨躯。
「……エンデヴァー」
俺は思わず眉をひそめる。普段なら絶対に入室させないがタイミングが悪い。エンデヴァーは鬼のような形相で俺と轟を睨みつけていた。
「何故貴様がここにいる。俺の息子に関わるな」
威圧感が凄まじい。廊下の照明がわずかに揺れるほどだった。
しかし。
「それは無理だな。こいつが俺の弟子である以上、それは出来ない。何よりも」
そのまま、俺はエンデヴァーを睨み返す。
「例え誰がなんと言おうが、俺はあいつを見捨てない。あいつの強さを信じているからな」
「強さだと?当たり前だ、あいつは俺の完全上位互換だからな」
「違うな、あいつはお前の上位互換でもない。あいつは轟焦凍という1人のヒーローだ」
それと共に、俺とエンデヴァーは互いに睨み合う。
3rd舞台となる世界は?
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