「行くデスよ!!」
デルタの赤毛が逆立った瞬間、大地が揺れた。
轟は冷静に右手を掲げる。空気が一気に凝縮され、鋭利な氷柱が幾本も形成される。
「はあっ!」
氷柱が砲弾のように放たれたが——
「遅すぎるッ!」
デルタが爪を振るうと氷柱は空中でバラバラに砕け散った。さらに驚異的なスピードで轟の懐へ飛び込む。
「ぐっ……!」
反射的に左手を突き出す轟。青白い炎が噴出するが——
「おいおい、そんな温い炎で私にダメージ与えられると思ってんの~?」
デルタの掌が炎を受け止めると同時に握り潰した。
「くそっ……!」
轟の頬を汗が伝う。デルタは手加減しているとはいえ、その力量差は明白だった。
「ボスの弟子って割には弱っちいねぇ~」
デルタが嘲笑いながら再び襲いかかる。轟の周囲を高速で旋回し、死角からの連撃を浴びせる。
防御する度に轟の肉体が悲鳴をあげる——が。
(……見えた)
ほんの一瞬、デルタの爪が振り下ろされる軌道に隙ができていた。
「ッ!」
左腕に炎を纏わせ右方向へ跳躍。着地と同時に氷の足場を作り高速移動——その速度がデルタの予測を裏切った。
「なっ……!?」
デルタは、正面からその攻撃を受け止めた。
それによって、後ろに下がる。
「当たったのか」
轟はその攻撃を確認して、驚愕する。
その表情には微かに動揺が混ざっている。
(成長しやがった……!)
デルタの瞳孔がわずかに収縮する。轟が見せた反応速度と戦術センス——以前よりも格段に洗練されていた。
「お前……昨日までのガキじゃないな?」
「俺だって……強くなりたいんだよ!」
轟の全身から氷の結晶が吹き上がる。その目には確かな決意が宿っている。
「ふんっ……面白い!!」
デルタの口角が凶悪に吊り上がった。爪が再び光を帯びる。
「獲物確定デス」
デルタの目が細くなった。まるで狩りの標的を見つけた狼のように。
俺は遠くからその様子を見ている。デルタの身体が僅かに沈み込む——あれは本気モードの証だ。
「ちょっと待て、おい!これは訓練だろ!」
俺の制止は届かない。デルタの全身から膨大な殺気が溢れ出す。
轟がゴクリと唾を飲み込んだ。その顔には明らかな恐怖の色が浮かんでいる。
(まずいな……)
デルタの赤い瞳が完全に戦闘モードになっている。奴にとっては「獲物」と認定した相手に対しては情け容赦がない。
「これって、もしかして、この人から生き残る事も、訓練の一つなのか」
そうしながら、轟は自然と構えていた。
自分の中にある全てを使い、生き残る為に。
自然と、その手の炎を構える。
3rd舞台となる世界は?
-
魔法少女リリカルなのは
-
魔法少女まどか☆マギカ
-
アカメが斬る!
-
ブルーアーカイブ
-
戦隊レッド異世界で冒険者になる