悪魔と呼ばれ慣れて 2nd   作:ボルメテウスさん

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走る脚は何の為に

ヒーロー殺しは、デルタによって気絶させられた。

 

それによって、この戦いは終わりを迎えた。

 

自分の復讐が終わった。

 

「俺は、結局」

 

飯田は、結局は何も出来なかった。

 

その虚無感があり、手を強く握り締めた。

 

だからこそ、気づいていた。

 

全員がヒーロー殺しに目を向けていた為、後ろから現れた赤い影。

 

「なっ」

 

飯田は、その正体を知らない。

 

ソード・ロイミュード。

 

この世界には存在しないはずの、ソード・ロイミュードが、まさしく攻撃を放とうとした。

 

「エンデヴァーの息子、お前をここでコロスゥ!!」

 

飯田は、轟を守ろうとした。

 

それと共に、自分自身もまた走馬灯が流れる。

 

そして。

 

「走れぇ!!!」

 

飯田の脳裏に蘇るのは兄の姿だ。

 

兄は、他人を助ける為にずっとヒーローだった。

 

そうした姿こそ、飯田が尊敬していた兄の姿だった。

 

「うぉおおおおおお!!」

 

飯田は全身に力を込めた「プルスウルトラァ」

 

その瞬間。

 

飯田は轟達を担ぎながら全速力で駆け抜ける。

 

「うぉおおおお!!」

 

その加速力は今までの比ではなかった。

 

風切り音が耳を劈く。

 

コンクリート地面が足元で爆ぜる。飯田の身体がまるで赤い閃光のように空間を貫く。

 

「な……!?」

 

ソード・ロイミュードの斬撃は空を切った。

 

重加速の影響範囲からも抜け出せている。

 

轟たちは飯田に抱えられながら絶句している。特に緑谷は目を見開いていた。

 

「飯田くん……君の個性は……こんなに!」

 

「これが俺の……本気です!!」

 

飯田自身も驚いていた。初めて体感する領域。

 

しかし思考はクリアだった。守るべき仲間を意識することで限界を超えることができたのだ。

 

ソード・ロイミュードが舌打ちする。ブレードが虚空を薙ぎながら憤慨した。

 

「クソガキィ!邪魔をするなァ!」

 

その剣先が再び飯田へと向けられたとき——

 

「重加速」

 

突然の現象に世界が歪んだ。

 

空間が濃密な粘液のように質量を増していく。

 

物体の落下速度が遅くなり、空気抵抗が増幅した。

 

まるで水中にいるような感覚。

 

通常の人間であれば動くことさえ困難な状況だ。

 

だが。

 

「……っ!?」

 

飯田は驚愕した。

 

自分の肉体がこの停滞現象に逆行していることに。

 

ブレードが迫る刹那——飯田は反射的に轟たちを地面に降ろし、自らの身体を盾にした。

 

「飯田!!」

 

轟の絶叫が重加速空間を震わせた。

 

しかし奇跡は続く。

 

飯田の左脚に埋め込まれたレッドゾーンジェネレーターが高熱を発し始めた。

 

まるで彼の意志に呼応するかのように。

 

「この……力は……!!」

 

「愚かなるヒーロー候補生め!貴様ごときで私の攻撃は防げん!!」

 

ソード・ロイミュードが嘲るように高笑いする。

 

だが彼はまだ知らない。

 

「良いや、おかげで間に合ったよ」『KAMEN RIDE DRIVE』

 

「っ!」

 

聞こえた声と共に、ソード・ロイミュードの攻撃を防いだのは赤い影。

 

赤い影は、そのまま蹴り飛ばしながら、飯田達を見つめる。

 

「なかなかの速さじゃないか」

 

そうしながらも、その影は、ゆっくりとソード・ロイミュードを睨む。

 

「さて、ひとっ走り、付き合えよ」

3rd舞台となる世界は?

  • 魔法少女リリカルなのは
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • アカメが斬る!
  • ブルーアーカイブ
  • 戦隊レッド異世界で冒険者になる
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