悪魔と呼ばれ慣れて 2nd   作:ボルメテウスさん

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2人の英雄 Ⅶ

「……終わった」

 

凍りついた瓦礫の中で王雷の呻きが消えた後、イータはゆっくりと立ち上がった。

 

ツインブレイカーを解除しながら息を整える。

 

「想定より疲れたな」

 

遠くで警報が再び鳴り始めた。監視カメラが破損したはずなのに警告音が鳴るのは――

 

「見られたな」

 

レフリジェは冷静に分析した。おそらく王雷との戦闘データが敵に送信されていた。

 

今頃は自分を標的にした敵部隊が編成されているはずだ。時間が無い。

 

「……行くか」

 

崩落する天井が床を叩きつける寸前――イータの背部で金属音が炸裂した。

 

『ジェット!ディスチャージ!ボトル!潰れな~い!』

 

スクラッシュドライバーから伸びた二枚の翼が瞬時に展開。濃紺のジェットエンジンが氷のゲルに覆われて蒼白く発光し、膨大な推力を噴射した。

 

「逃げるんじゃない……急ぐんだ」

 

落下瓦礫を軽々と跳躍で回避したレフリジェは、窓枠を蹴り破って開放空間へ飛び出した。強風が装甲を叩く。高空から見下ろすIアイランド全体像が広がる。

 

(……予測通りだ)

 

南東区画で煙が上がっている。管制塔のアンテナが傾いている。

 

そして眼下のタワー頂上で行われている戦い。

 

そこには、敵がいた。

 

暴走している様子か、何十メートルもの規模の大型金属類を塊が空中に漂っている。

 

それらが、この事件の首謀者である事。

 

そして、それを正面に立ち向かう2人。

 

「・・・なるほど、師弟の戦いという訳」

 

そこにいるオールマイトと緑谷。

 

2人が真っ直ぐと立ち向かっている。

 

それを見たイータの判断は。

 

「邪魔はさせない事。それが今の私の役目かな」

 

タワー頂上の空気が張り詰めた。

 

腰にあるスクラッシュドライバーから、冷蔵庫スパークリングスクラッシュゼリーをネビュラスチームガンに装填する。

 

『ファンキーアタック・フルボトル』

 

銃口の冷却機構が唸りを上げる。青白い光の筋が迸り——

 

「一発」

 

トリガーが引かれ、氷の弾丸が高速で射出された。敵の巨躯がわずかに揺らぎ、金属塊の動きが鈍る。

 

「何だ!?新手か!」

 

敵が吠える。

 

その隙を突いたオールマイトと緑谷。

 

2人の必殺の拳がは名垂れる。

 

「「SMASH!」」

 

二つの拳が交差し、敵の胸部装甲がひしゃげた。轟音とともに金属塊が弾き飛ばされる。

 

イータは静かに距離を保った。派手な追撃はしない。ただ冷却能力を維持したまま傍観する。

 

「……邪魔者はこれでいい」

 

戦闘の喧噪の中で、彼女は影に溶け込んでいた。誰も彼女を目立つ存在とは思っていない。そうして、全ての戦いが終わりを告げた。

3rd舞台となる世界は?

  • 魔法少女リリカルなのは
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • アカメが斬る!
  • ブルーアーカイブ
  • 戦隊レッド異世界で冒険者になる
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