イータは基本的にヒーロー事務所で活動している。
彼女自身もプロヒーローではあるが、彼女自身はプロヒーローとして現場に行き、その場で適切なサポートアイテムを作り出す。
その事もあり、彼女に対して、周囲は発明ヒーローという事で有名だった。
そんなイータがヒーロー事務所にいると。
「わーたーしーがー!! 普通にドアから来た!!!」
いきなり大きな声で挨拶してくる人物に驚く者が多い中でイータは特に反応も無く
「……あぁ、オールマイトか」
「あれ、反応薄くない!?」
イータにあっさりとした反応をされて逆に驚くオールマイト。
ヒーローの中でもナンバー1の人気があるオールマイトがこんなあっさりと対応された事が無いので思わず突っ込んでしまう。
「ん? どうかしたか?」
しかしながらイータはあまり気にせずに何用か尋ねる。
天然な一面を見せつけるイータ。
オールマイトに対しての対応はいつもこんな感じであった。
そもそもオールマイトが事務所に来たのはイータに用があったからだ。
「あぁそうだった……実は、ディケイドからの紹介でここに来たんだが」
「……ディケイドからの、あぁ、なるほど。個性の使用限界をなんとかしたいとか」
「……そこまで聞いていたのか」
すると、オールマイトは、先程までの筋肉ムキムキの姿ではなく、痩せ細った姿へと変わった。
「……しかし、彼が言う個性の使用時間が延びる方法、そんな事が出来るのかい」
そうして、オールマイトは思わずイータに尋ねる。
「ないよ」
「えっ、ないの!」
「けど、あるよ」
「どっち!」
イータの連続で矛盾に満ちた言葉にオールマイトは思わず突っ込んでしまう。
そうしていると、イータが取り出したのは、黒い丸い物。
「……これは一体」
「良いから、それを掴んでみて」
「分かったが、一体っ」
すると、次の瞬間、オールマイトの身体は、その黒い物から溢れ出た物によって包まれる。
包まれた瞬間、思わず身構えるが、すぐに自分自身の身体の変化に気づく。
「これはっ!」
オールマイトは、自らの身体を見て、驚きを隠せなかった。
今の自分は、個性を発動していない。
だが、自分自身の身体はマッスルフォームの状態と変わらない体格である。
「イータ君っ! これは!」
「過去に開発した発明品。スライムを人間の筋肉のように見せる物だ。ディケイドが言うには、オールマイトとしての活動を行う際には、テレビで出る時とかには個性を使わなくても、そのままの姿でいられるって言っていた」
「なるほど、確かにその理屈ならば個性をその時には使わない。結果的に個性を使用する時間を延ばす事が出来る。これからの事を考えれば、これは確かに」
すると、オールマイトは納得していた。
納得していたオールマイトだが、その心の中にはどこか複雑な感情が渦巻いていた。
新しい装置を手にして、自分の限界を乗り越えられる可能性に胸躍るものを感じつつも、同時に罪悪感が押し寄せてくる。
「しかし、イータ君……私はこれを使うことで、人々を騙していることになるのではないか?」
オールマイトの声には迷いが混じっていた。
彼は長年、「嘘偽りなく正々堂々と」という信念で生きてきた。
今ここで、人々が憧れる完璧なヒーロー像を演じ続けることに躊躇いを感じていたのだ。
「人を騙す、か」
イータは冷静な声で言った。
「オールマイト、あなたは今何を考えているの? 自分の姿形のこと? それとも救えるはずの人々のこと?」
オールマイトは少し驚いた表情でイータを見た。彼女の言葉には不思議な力強さがあった。
「もちろん両方だ。しかし……」
「じゃあ聞くけど」
イータはまっすぐオールマイトの目を見て言った。
「あなたが罪悪感で一日何もしなかったら、その時間に救えるはずだった人はどれくらいいる? その人たちが後悔するのは『あなたが来てくれたのに』ってことじゃない。『誰も来てくれなかった』ってことなんだよ」
オールマイトは言葉を失った。
彼女の言うことはあまりにも単純で真実だった。
「……イータ君」
「それに」
イータは少し笑みを浮かべて続けた。
「あなたの本当の姿を見たところで、世間の人々はあなたを嫌いになったりしないよ。むしろ、その弱さを乗り越えて戦ってきたヒーローとして尊敬されるんじゃない?」
オールマイトの目に光が戻った。
「そうだな……私が本当に恐れていたのは、人々に失望されることではなく、私自身が失望することだったのかもしれない」
「賢い選択をすることが常に最善とは限らない」
イータは黒い装置を差し出し直した。
「必要な時に使うだけでいい。あなたの判断で」
オールマイトは深呼吸をして、装置を受け取った。
「ありがとう、イータ君。私はもう迷わない。これからの戦いで、どんな手段を使っても人々を守るために戦う。それが私の使命だ」
彼の声には新たな決意が込められていた。
「それと」
オールマイトは微笑みながら付け加えた。
「今度はあなたにお礼をさせてほしい。こんな素晴らしい発明品を作ってもらって……」
「お礼なら」
イータは珍しく微笑みを浮かべた。
3rd舞台となる世界は?
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