悪魔と呼ばれ慣れて 2nd   作:ボルメテウスさん

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金豹

ツカサこと、ディケイドが戦っていた頃。

 

その戦いが行われていた。

 

「ふぅふぅ」

 

それは、少し離れた場所。

 

秘密基地で孤立していた洸汰の前に現れた敵。

 

その敵の名は、マスキュラー。

 

全国指名手配犯の敵であり、洸汰の両親を殺害した人物でもある。

 

そのまま退屈を紛らわすために洸汰を殺害しようとしたものの、そこに駆け付けた緑谷に阻止されたことで交戦を開始する。

 

緑谷との戦いにおいては、洸汰を守りながら戦う彼をほとんど一方的に蹂躙する。緑谷のOFA100%のスマッシュを喰らってもなお立ち上がり、殺害一歩手前まで追い込んだ。

 

「良いなぁ、それじゃ、お前を」

 

「やらせるとでも?」

 

そんなマスキュラーに向けて、氷のような冷たい言葉と共に割って入ったのはゼータだ。

 

風のように舞い降りたゼータは、そのままマスキュラーに向けて鋭い回し蹴りを放った。

 

マスキュラーは反射的に腕を上げて防御するが、ゼータの蹴りはそれを容易く砕いてしまう。

 

「ぐあっ!」

 

「……愚かな」

 

痛みに顔を歪めるマスキュラーに対し、ゼータは無表情のまま呟いた。

 

地面に叩きつけられた衝撃で土埃が舞い上がる中、マスキュラーは血走った目で周囲を見回した。

 

ここは深い森の中だった。月の光は木々の間から僅かに差し込み、湿った空気が肌にまとわりつく。

 

「てめぇ……よくもやってくれたなァ……!」

 

マスキュラーは怒りに震えながらも、すぐに立ち上がった。彼の筋肉は既に膨張し始め、体表面に脈動する血管が浮かび上がっている。

 

深緑の森に月光が薄く差し込む。地面に倒れ伏すマスキュラーを、影のように佇むゼータが見下ろしていた。彼の周囲だけ時が止まったかのようだ。

 

「ゼータ……さん?」

 

かすかな声が背後から届く。振り返れば、負傷した緑谷出久と、彼に支えられる洸汰の姿があった。

 

ゼータの瞳が一瞬揺れる。少年たちの目には何が映っているだろうか。復讐に燃える獣か、それとも——

 

「見るな」

 

短く告げた言葉には鋼のような冷たさがあった。

 

彼女はゆっくりと踵を返し、背筋を正して立ち尽くす。肩越しに振り返ったその横顔は、月明かりに照らされて鋭利な輪郭を描いていた。

 

「ごめんね、今、本当にヒーローらしくない感情に支配されているから」

 

そう、声だけでも分かる苛烈な怒気。普段のクールな振る舞いとはまるで違う、剥き出しの殺意が漂っていた。

 

「洸汰くんの両親を奪った輩らしいじゃない? こいつ……」

 

吐き捨てるような低い声。それはまるで別人のようだった。

 

緑谷が息を詰めるのが聞こえる。少年が握りしめた拳は小刻みに震えていた。

 

「あの……ゼータさん……その……」

 

言葉に詰まる緑谷。目の前の人物が発する重圧に押し潰されそうだ。

 

そんな彼を一瞥すると、ゼータの口元がかすかに緩んだ——冷徹な笑みだった。

 

「大丈夫だよ。私はまだ"理性"を持っているから」

 

言い終えると同時に彼女は再びマスキュラーへと視線を移す。

 

「ただ少し……『掃除』をするだけ」

 

まるで明日の予定でも語るように淡々とした口調。

 

しかし次の瞬間、彼女の背中からは漆黒のオーラが湧き上がり始めた。

 

森全体が息を潜めるような緊張感が広がっていく。

 

「ゼータさん」

 

「まぁ、けれど、少し良かったのは、どうやら君のヒーローが見つかって、良かった。その点だけは、本当にね」

 

ボロボロになりながらも、洸汰を守ろうとした緑谷。

 

その姿を見て、少なくとも、ゼータは。

 

「だから、そこで待っていな」

 

この世界のヒーローとしての希望を崩したくない。

 

そうして、マスキュラーがいる森の中へと入る。

 

「へぇ、お前か!良いねぇ、さっきの緑谷よりも強い蹴りだったじゃないか」

 

「不意打ち程度で、そう騒がないでくれる。何よりも、今の私は結構苛ついているんだよねぇ」

 

マスキュラーの唇がゆがんでいく。血に飢えた狼のように歯茎を剥き出した笑みだった。

 

「へへっ……なんだよそのツラ。本気モードってわけかい?」

 

月明かりを浴びたゼータの瞳孔が細くなる。理性で抑え込もうとするほどに、奥底から滲み出てくる獣の本能。彼女の全身からは黒い蒸気が立ち上り始めていた。

 

「あぁ……いいぞぉ……!お前みたいなヤツが一番美味いんだ」

 

マスキュラーの筋肉が膨張し、服がビリビリと裂けていく。露出した上半身は異形のオブジェのようだ。無数の筋繊維が蛇のように絡まり合い、鎧を形成している。

 

「そこのガキどもなんかよりよぉ……お前こそ本物だぜ!」

 

「・・・本物ねぇ、別にどっちでも良いけど、とりあえずは」

 

そうして、ゼータは笑みを浮かべる。

 

「あんたは私の獲物って事で良いよね」

3rd舞台となる世界は?

  • 魔法少女リリカルなのは
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • アカメが斬る!
  • ブルーアーカイブ
  • 戦隊レッド異世界で冒険者になる
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