屋上で、互いの事を話す事になった。
その事情として、まずは俺の事について。
さすがに別の世界という内容に関しては、少年もオールマイトも驚きを隠せなかった。
それでも、俺にはそれ以上の話は出来ず、すぐに終わらせる事にした。
「……なんというか、未だに信じられない話ではあるが、目の前で起きた以上は仕方ないだろう。ならば、私からも話そう」
そうして、オールマイトは、自らの姿を見せた。
今の姿ではなく、その正体というべきか。
そして、それは俺にも衝撃を与えた。
「5年前に、ある凶悪なヴィランと決戦を行った結果が今の私の姿だ」
「なるほどな、そりゃそんな姿になる訳だ」
「えぇっ! オールマイトがあんな姿に!?」
驚く少年の声が響き渡る中で俺は思った。
それは彼がこれまで戦ってきた歴史でもあると思うと感慨深いものがあると同時に悲しみさえ感じてしまう程であったのだ。
(まぁ、俺にも分かる気もするが)
そう思いつつ、俺は口を開いた。
そうして、一通りの話を終えると共に。
「個性がなくてもヒーローになれる。そんな事はあり得ない」
オールマイトがその少年に対して言った言葉。
それに対して、俺は興味を持っていた。
その少年は、ただ純粋にヒーローになりたいという気持ちがあった。
それを見て、オールマイトの言葉は正しいと思った。
そうして、オールマイトはその場を去って行った。
彼の行動に対して、間違いもないし、優しさもあった。
同時に、残酷でもあった。
俺はそのまま、空を眺めながらも、オールマイトが去った姿を見ながらも、少年を見つめる。
「……ヒーローに憧れていたのか?」
「……はい」
俺の言葉に、少年は素直に答える。
同時に俺は再び問いかける。
「なぜ、ヒーローに憧れたんだ?」
「それはっ、笑顔で人々を助けたオールマイトに憧れたから」
それに対して、俺は笑みを浮かべる。
「それは笑顔で人々を助ける事がヒーローであるという事か?」
「はい」
「……そうか」
それと共に、俺は考える。
そして、一つの可能性を思い出した。
それは、別の世界で出会ったヒーローの一人。
仮面ライダークウガ。
彼もまた、最初は普通の人間であった。
だが、彼の意思が彼をヒーローへと変えた。
「そうだな……君に話しておこうか。俺が知るヒーローの一人である仮面ライダークウガの話を」
「えっ?」
少年は驚いたような表情を見せる。
それも当然だろう。
いきなり別の世界の話をするのだ。
だが、そのヒーローが少年の気持ちを少しでも動かす事を願って。
「クウガは完全無欠のヒーローなどではない。元を正せば普通の人間だったんだ」
「普通の人間がヒーローに?」
「そうだ。だが、彼は皆の笑顔の為に戦った存在でもある」
「笑顔……」
少年はその言葉に何かを感じた様子で繰り返した。
「……だからこそ、俺は君を否定しない」
「えっ?」
「ヒーローとは、多くの人を助ける者だ。それには、"個性"も関係なく、ただ助けたいという気持ちがあればいい。職業だけがヒーローじゃないからな」
「それって」
「……そこから先は、君の物語だ」
俺は、それだけ言い、オーロラカーテンを展開する。
「そう言えば、少年、名前は」
「えっ、緑谷出久です」
「緑谷出久か、ならば、君の活躍、楽しみにしているよ」
それと共に、俺はそこから離れようとした。
「活躍って」
それに関して、彼は呟く。
「……さてっと、オールマイトの現状を考えると、おそらくはイータに頼むしかないか」
そうして、俺はイータにある事を頼む事にした。
今後の事を含めて、考えれば。
会話としては10分。
それと共に、見つめた先。
そこには、煙があった。
気になり、俺はオーロラカーテンで、再びそこへと向かう。
すると、そこで行われた事件は、既に終わりを迎えていた。
どうやら、ヴィランと戦ったと思われるオールマイト。
オールマイトの傍らには先程の緑谷君がいた。
どのような状況なのか。
けれど、オールマイトが緑谷君を見つめる視線が変わったのを理解出来た。
「本当に、こういう仕事はあまりする気はないけどなっと」
それだけ言い、俺はそのまま降り立つ。
そこには、気絶しているだろうオールマイトと緑谷君を連れて、その場を離れた。
「ディケイド」
「あんたが何を考えているのかは分からないけど、彼と話をしたいんだろ」
「すまないね」
「別に、俺は、ただの通りすがりだ」
そうして、俺は彼らを見つめる。
その光景を一言で告げるならば。
「ビキンズ・ナイトだな」
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