悪魔と呼ばれ慣れて 2nd   作:ボルメテウスさん

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奪い尽くす悪

「さて、そちらが気にせずに戦えるようになったと言っても、君達は守るべき物が多いのだろう」

 

それは、まだここで避難していない人々に向けて言うように。

 

「対して、僕が守るべき彼らは既にこの場にいない。つまりは、僕は心置きなく戦えるという訳だ」

 

そう言って、オール・フォー・ワンは変身のカードを取り出す。

 

そして。

 

「お遊びはこれぐらいにしてもらおうかな」『KAMEN RIDE GENMU』

 

ゲンム。その名前を聞いた瞬間、俺の体に緊張が走った。

 

ゲンムはゲーマドライバーとバグスターウイルスを使って変身するライダー。

 

さらに、オール・フォー・ワンの個性が絡めばどうなるか想像もつかない。

 

「ここで貴様を討つ……!」

 

オールマイトの拳が唸るが、ゲンムは軽くステップだけで回避した。

 

空中に浮かぶブロック。周囲のビルがゲームフィールドのように書き換えられている。

 

「ゲームスタート」

 

オール・フォー・ワンの声と共に空間が歪んだ。重力が逆転し、道路標識が飛び交う。

 

そうしている間にも、俺はその手に持つ切札であるコンプリートカメンライザーを取り出す。

 

俺の手の中でコンプリートカメンライザーが唸りを上げる。

 

「……あと10秒」

 

背筋に冷たい汗が伝う。オール・フォー・ワンの視線が背中に刺さるようだ。

 

「ふむ、なるほど。それがディケイド最大の切り札か」

 

奴の口元が歪む。

 

「だが――それまでの猶予など与えはしないよ」

 

オールマイトの右肩が赤く光る。必殺モーションだ。

 

「DETORIT SMASH!!」

 

轟音と共に拳が炸裂する。

 

だが、オール・フォー・ワンはまるで踊るように身を翻した。

 

「無駄だ」

 

ゲンムの体表を覆う無敵ゲージが激しく点滅する。

 

「オールマイト――君の力は確かだ。だが……」

 

指先が虚空を掻く。

 

「これはただの防御じゃない。反撃の準備だよ?」

 

そう、ゲンムは、その手にあるガシャコンバグヴァイザーを構える。

 

「うおっ!?」

 

オールマイトの巨躯が弾丸のように吹き飛ぶ。

 

瓦礫に叩きつけられてもなお立ち上がる彼のスーツは既にズタズタだ。

 

(まだ……6秒もあるのか)

 

歯を食いしばる。コンプリートカメンライザーの起動音が徐々に高まり、俺の周囲にオーラが渦巻き始めた。

 

その時――

 

「させない!」

 

オールマイトが吼えた。彼の拳が振るう。

 

「SMASH!!」

 

閃光と共にゲンムの胸元を穿つ。

 

「……ッ!」

 

オール・フォー・ワンの顔が初めて歪む。

 

「流石は平和の象徴……だが」

 

その右手が光を吸収するように蠢いた。

 

「終わりだ」

 

バグヴァイザーが禍々しいエネルギーを放つ。紫電が渦巻き、オールマイトを包み込む。

 

「ぐああああ!!」

 

絶叫と共に煙が晴れる。そこに立っていたのは――

 

金髪痩身の本当の姿。

 

オールマイトは、ボロボロになりながらも、眼前にいるオール・フォー・ワンへと殴り掛かる。だが。

 

ガシャコンバグヴァイザーの刃が。オールマイトの体を刃が貫く。

 

「うおおおおおおっ!!!」

 

オールマイトは咆哮する。その声と共に傷ついた肉体が膨張する。

 

マッスルフォームへと一部だけなる。

 

だが。

 

「SMASH!!」

 

その拳は弾かれる。

 

「この程度かい?」

 

オール・フォー・ワンは冷笑した。

 

「ふむ。この力は実に面白いね」

 

ゲンムの体表に紫電が奔る。

 

「これで君たちの希望も潰えるわけだ」

 

その言葉に対して。

 

「負けない!」

 

そう、呟いた

 

「・・・これは」

 

同時に、俺は驚きを隠せない。

 

それは、本来ならば、起きない出来事かもしれない。

 

レジェンダリーコンプリートフォームへとなると共に、まるで自らが動くように。

 

その2枚のカードが俺の手元に来る。

 

そう、まるで。

 

オールマイトの、未だに折れない心に反応するように。

 

けれど。

 

「だったら、やるしかないよな」

 

その意思に従うように、俺はそのカードを装填する。

3rd舞台となる世界は?

  • 魔法少女リリカルなのは
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • アカメが斬る!
  • ブルーアーカイブ
  • 戦隊レッド異世界で冒険者になる
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