ドゴォン!という衝撃音が夜の街に木霊する。
オールマイトの漆黒の拳が、ライジングアルティメットとなったオール・フォー・ワンの黄金の鎧に突き刺さった。火花が散る。装甲同士がぶつかる甲高い金属音。
「ぬうっ……!」
オール・フォー・ワンが呻く。だがその巨体は容易くは揺らがない。すぐに反撃の蹴りが閃き、オールマイトの脇腹を抉る。
「ぐおっ……!」
オールマイトも苦悶の声を上げるが、踏みとどまる。両者は一瞬の硬直の後、獣のように唸りを上げながら互いに掴みかかり、至近距離での殴り合いが始まった。
パンチとキック。原始的極まりない暴力の応酬。だがその速度と威力は人智を超えている。空気が裂け、アスファルトが捲れ上がる。ビルの窓ガラスが一斉に悲鳴を上げて割れる。
「ふははは! こんな泥臭い戦いも久しぶりだね!」
オール・フォー・ワンが哄笑する。黄金の鎧が変形し、背中から触手のようなものが無数に伸びる。それは粘液を滴らせながらオールマイトの四肢に絡みつく。
「チッ!」
オールマイトが舌打ちする。ライダーパワーを解放しようとするが、周囲の建造物や避難民への被害を考慮し躊躇する。その隙を突いて、触手が締め付ける。
「やはり甘いなオールマイト!」
オール・フォー・ワンがさらに個性を発動する。
彼の掌から放出された紫色の光が、触手を通してオールマイトの体内に侵入する。
麻痺毒か、或いは精神干渉か。オールマイトの動きが明らかに鈍る。
「ぬぅ……まだだ……!」
オールマイトは歯を食いしばり、拘束を振り解こうともがく。
漆黒の装甲から漏れる金色の光が強くなる。
ガヴアルティメットフォームの治癒能力が働き始めているのだ。
「おいおい、親玉同士の喧嘩に水を差すほど野暮じゃないぞ」
皮肉っぽく呟きつつも、チャンスがあれば介入する準備は怠らない。
オール・フォー・ワンの隙を見つけ出すため、彼らの動きを細部まで分析する。
オールマイトとオール・フォー・ワンの巨体が組み合い、地面を揺らしながら転がる。
拳が骨を砕き、蹴りが肉を引き裂く。まさに修羅場だ。
「……だが、このままだと周囲が保たんか」
俺は眉をひそめる。オールマイトの力を発揮出来ない。
最期の一撃、それを放つ為にオールマイトは力を溜める。
漆黒の装甲が軋み、全身の金線がオーバーヒート寸前の輝きを放つ。両腕に黒い稲妻とオレンジ色の光が螺旋状に纏わりつき始める。アスファルトが熱で溶け、足元を中心に放射状に亀裂が走る。
「UNITED STATES OF SMASH!!!」
雄叫びと共に放たれた黒橙のエネルギー奔流が空間を裂く。
対するオール・フォー・ワンも咄嗟に腕に個性を集中させた。
「こんなものでぇええ!」
黄金の鎧が膨張し、腕が倍以上のサイズに肥大化する。質量保存の法則を無視した異常拡張。そのまま迎撃の拳を放つ。
轟音が天地を揺るがす。二つの破壊エネルギーが空中で激突し、白光が辺りを塗り潰す。
「なにぃ!?」
驚愕の声を上げたのはオール・フォー・ワンだった。必殺の一撃は相殺された――だが完全に消えたわけではない。黒い稲妻は僅かな切れ目から浸透し、オール・フォー・ワンの巨大化した拳を蝕んでいく。黄金の装甲がパリパリと剥落し始める。
「ぐぁああ!!」
バランスを失ったオール・フォー・ワンが膝をつく。そこへ――。
ズドォオン!!
オールマイトの漆黒の巨拳が容赦なく襲い掛かった。クロスカウンター。オール・フォー・ワンの巨大な頭蓋がくびれたビルの壁に叩きつけられる。瓦礫と粉塵が舞う。
「・・・・・・終わったか」
俺は呟く。戦いは終わりを迎えたのだ。
オールマイトがゆっくりと立ち上がる。漆黒の装甲は大部分が欠損し、金色のラインも薄れ始めている。
「さらばだ オールフォーワン さらばだ・・・・・・ワンフォーオール」
低く静かな声が響く。
そして――
「そしてありがとう 仮面ライダー」
一礼。それが最後だった。
漆黒の装甲が光となって霧散する。
残されたのは、ボロボロのトゥルーフォームに戻ったオールマイトだった。
3rd舞台となる世界は?
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