悪魔と呼ばれ慣れて 2nd   作:ボルメテウスさん

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灯火

ドゴォン!という衝撃音が夜の街に木霊する。

 

オールマイトの漆黒の拳が、ライジングアルティメットとなったオール・フォー・ワンの黄金の鎧に突き刺さった。火花が散る。装甲同士がぶつかる甲高い金属音。

 

「ぬうっ……!」

 

オール・フォー・ワンが呻く。だがその巨体は容易くは揺らがない。すぐに反撃の蹴りが閃き、オールマイトの脇腹を抉る。

 

「ぐおっ……!」

 

オールマイトも苦悶の声を上げるが、踏みとどまる。両者は一瞬の硬直の後、獣のように唸りを上げながら互いに掴みかかり、至近距離での殴り合いが始まった。

 

パンチとキック。原始的極まりない暴力の応酬。だがその速度と威力は人智を超えている。空気が裂け、アスファルトが捲れ上がる。ビルの窓ガラスが一斉に悲鳴を上げて割れる。

 

「ふははは! こんな泥臭い戦いも久しぶりだね!」

 

オール・フォー・ワンが哄笑する。黄金の鎧が変形し、背中から触手のようなものが無数に伸びる。それは粘液を滴らせながらオールマイトの四肢に絡みつく。

 

「チッ!」

 

オールマイトが舌打ちする。ライダーパワーを解放しようとするが、周囲の建造物や避難民への被害を考慮し躊躇する。その隙を突いて、触手が締め付ける。

 

「やはり甘いなオールマイト!」

 

オール・フォー・ワンがさらに個性を発動する。

 

彼の掌から放出された紫色の光が、触手を通してオールマイトの体内に侵入する。

 

麻痺毒か、或いは精神干渉か。オールマイトの動きが明らかに鈍る。

 

「ぬぅ……まだだ……!」

 

オールマイトは歯を食いしばり、拘束を振り解こうともがく。

 

漆黒の装甲から漏れる金色の光が強くなる。

 

ガヴアルティメットフォームの治癒能力が働き始めているのだ。

 

「おいおい、親玉同士の喧嘩に水を差すほど野暮じゃないぞ」

 

皮肉っぽく呟きつつも、チャンスがあれば介入する準備は怠らない。

 

オール・フォー・ワンの隙を見つけ出すため、彼らの動きを細部まで分析する。

 

オールマイトとオール・フォー・ワンの巨体が組み合い、地面を揺らしながら転がる。

 

拳が骨を砕き、蹴りが肉を引き裂く。まさに修羅場だ。

 

「……だが、このままだと周囲が保たんか」

 

俺は眉をひそめる。オールマイトの力を発揮出来ない。

 

最期の一撃、それを放つ為にオールマイトは力を溜める。

 

漆黒の装甲が軋み、全身の金線がオーバーヒート寸前の輝きを放つ。両腕に黒い稲妻とオレンジ色の光が螺旋状に纏わりつき始める。アスファルトが熱で溶け、足元を中心に放射状に亀裂が走る。

 

「UNITED STATES OF SMASH!!!」

 

雄叫びと共に放たれた黒橙のエネルギー奔流が空間を裂く。

 

対するオール・フォー・ワンも咄嗟に腕に個性を集中させた。

 

「こんなものでぇええ!」

 

黄金の鎧が膨張し、腕が倍以上のサイズに肥大化する。質量保存の法則を無視した異常拡張。そのまま迎撃の拳を放つ。

 

轟音が天地を揺るがす。二つの破壊エネルギーが空中で激突し、白光が辺りを塗り潰す。

 

「なにぃ!?」

 

驚愕の声を上げたのはオール・フォー・ワンだった。必殺の一撃は相殺された――だが完全に消えたわけではない。黒い稲妻は僅かな切れ目から浸透し、オール・フォー・ワンの巨大化した拳を蝕んでいく。黄金の装甲がパリパリと剥落し始める。

 

「ぐぁああ!!」

 

バランスを失ったオール・フォー・ワンが膝をつく。そこへ――。

 

ズドォオン!!

 

オールマイトの漆黒の巨拳が容赦なく襲い掛かった。クロスカウンター。オール・フォー・ワンの巨大な頭蓋がくびれたビルの壁に叩きつけられる。瓦礫と粉塵が舞う。

 

「・・・・・・終わったか」

 

俺は呟く。戦いは終わりを迎えたのだ。

 

オールマイトがゆっくりと立ち上がる。漆黒の装甲は大部分が欠損し、金色のラインも薄れ始めている。

 

「さらばだ オールフォーワン さらばだ・・・・・・ワンフォーオール」

 

低く静かな声が響く。

 

そして――

 

「そしてありがとう 仮面ライダー」

 

一礼。それが最後だった。

 

漆黒の装甲が光となって霧散する。

 

残されたのは、ボロボロのトゥルーフォームに戻ったオールマイトだった。

3rd舞台となる世界は?

  • 魔法少女リリカルなのは
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • アカメが斬る!
  • ブルーアーカイブ
  • 戦隊レッド異世界で冒険者になる
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