デルタは、この那歩島ではヒーロー活動を行っていない。
次世代のヒーロー育成プロジェクトの為、本来ならばプロヒーローや教師の手はなく、雄英の学生だけでヒーロー活動を行っている。
そんなデルタがこの島で何を行っているかと言うと。
「・・・暇です」
那歩島は季節は秋ではあったが、まるで夏のような日差しであった。
「暑いなぁ……」
那歩島は、日本の最南端の離島であり、本土からはかなり遠い場所にある。
そのためか島民も少ない。
だがその分自然が多く残っている。
そんな環境は、彼女が暮らしていた環境とどこか似ていた。
「・・・嫌な事を思い出してしまう」
そうして、森の中、1人で過ごしていると思い出すのは、デルタがまだツカサと出会う前の事。
その事を思い出すと、何時もは明るいデルタが少し暗くなってしまう。
しかしそれでも彼女は諦めなかった。
そして彼女の目の前には大きな木がある。
この木の上に登れば海が見えるかもしれないと思い、登ろうと試みたが失敗してしまったのだ。
そのため今こうして地べたに座っているわけなのだが……
ふとデルタの頭に何かが落ちてきた。
それはどうやら先程登っていた木の枝であるようだ。
そしてさらに頭の上にも何か落ちてくるものがあった。
それを取るとそれは葉っぱだった。
しかも一枚ではない。
大量の葉っぱが降ってきたのである。
「あぁ!サラ!やっぱりここにいた!」
「・・・なんですか?」
デルタに話しかけたのは、2人の人影。
「ちょっとサラちゃん?聞いてる?」
「聞こえてますよ。だからさっきからずっと……」
「もうっ!なんでそんな言い方するかなぁ〜?」
「おっお姉ちゃん、あんまりサラさんに無理を言ったら駄目だよぉ」
そうしながら、2人はデルタと一緒にいた。
デルタがこの島において、存在がバレない為にわざわざ耳と尻尾を隠し、しゃべり方を多少変えながら過ごしている。
獲物を狙う時の気配の殺し方の応用ではあるが、デルタにとっては窮屈だった。
何よりも、昔の名を使うのはどこか嫌な気分だった。
「・・・まぁ良いです、暇だったので」
「本当!?やった!」
「おっお姉ちゃん、うんっ」
それと共に、姉妹と一緒にデルタは遊び始める。
島乃真幌は活発的で勝ち気な性格。
弟の島乃活真は引っ込み思案で泣き虫な性格だった。
そんな二人と今日も一緒に過ごすことになったデルタであったが……
最初は渋々といった感じだったものの今ではすっかり慣れてしまい逆に居心地良ささえ覚え始めていた。
だからこそ今現在彼女達の誘いに乗ってしまった。
「・・・ボスも、こういうのも良いって、言っていたですし」
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